河童アオミドロの断捨離世界図鑑

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21:ウォルター・シュピースその5

2009年01月23日 | 東南アジア
1930年代にバリ島は西洋文化の刺激による文化復興を迎えた。その中心人物はウォルター・スピース(Walter Spies)である。国籍はドイツ人であるが、外交官の子としてロシア生まれ、第一次世界大戦中にロシアを放浪の経歴の主である。コスモポリタン的性格から異文化にあこがれ、1925年、バリ島ウブドに移住してきた。

動機はタヒチ島にあこがれたゴーギャンと同様であろう。彼は幻想的な風景画をかく画家である。親しかったルソーの影響のような牧歌的風景である。バリに埋没し、バリの精神世界に入り込んだ。バリの風物に刺激されたスピースは熱帯風景の中のバリ農民の生活を幻想的に描いた。怪しげな雰囲気は熱帯絵画といわれ、オランダの『熱帯博物館』やウブドの美術館に収集されている。

ウブド村に構えたスピースのアトリエにバリの青年芸術家が集まった。彼らはヨーロッパ人に真似て絵の具、筆、キャンパスなどによって油絵を始めた。そして油絵という様式がバリ人に表現しうる芸術の可能性を拡大した。

(文章無断転用)

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