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鉄道シリーズ その66。今回は『鉄道の電化』の戦前の動きに触れてみる。鉄道がスタートしたのは1804年にトレビシックが軌道を走る蒸気機関車を制作、その後、スチーブンソンが1821年にストックトン・アンド・ダーリントン鉄道を開業、初めて旅客輸送を開始した。それから約半世紀を経て1879年にドイツ・シーメンス社が電気機関車を披露、ベルリンで営業運転が開始されたのは1881年のことである。
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一方、日本での鉄道開業は1872年であるが、電気を用いた鉄道の営業運転を開始したのが、1895年とドイツでの営業開始から僅か14年後である。開業したのは京都の市電で、その後一般の鉄道が開業したのは1904年の甲武鉄道、つまり今の中央線である。
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幹線は東海道線の東京~国府津が1925年に電化されたものの、清水トンネルや関門トンネル、碓井峠など勾配がきつい、煤煙で運転士に危険があるなど特殊な場所を除き、あまり積極的には取り組まれなかった。その理由は軍部が電気機関車の場合、変電設備が爆撃を受けると鉄道が運行不能になる可能性が高いとして反対したからである。
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消極的な国鉄に反し、私鉄では南海電鉄が1907年に電化したのを始め、東武、大阪(現、近鉄)、豊川(現、JR飯田線)、目黒蒲田電鉄(現、東急)、富山電鉄(現、富山地鉄)などが電化または開業から電化してスタートした。
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つまり、都市部はともかく、地方は殆どが電化されず、蒸気機関車が幅を効かせ、電気機関車の開発が大幅に遅れてしまう結果となった。