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鉄道シリーズ その64。今回は『蒸気機関車の形式称号』について取り上げる。『蒸気機関車の形式称号』とは蒸気機関車の前についている銘板に書かれていること英文字+数字のことである。
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初めて決められたのは1908年当時の鉄道院が制定したもの。これは動輪(文字通り動く車輪)の数と蒸気機関車の形式(タンク式、テンダー式、マレー型タンク式、マレー型テンダー式)により決められ、さらに複雑なのは1~99番はその形式番号の後ろに数字を入れるだけだが、100両目からは最初に1、つぎの2桁が形式番号、最後がまた車両の製造番号となっている。例えばキューロクの愛称で知られた9600形は100両目は19600となる。これは当初同じ形式の車両を100台以上作る想定では無かったため、このような形になった。
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しかし、この形式称号は18900形ができたあたりからさらに桁が多くなる可能性があるなど無理も出てきたため、1928年に新たな形式称号に変更された。
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これは『C11 325』と言うお馴染みのものである。最初の『C』は動輪の数を表し、A=1、B=2、C=3、D=4、E=5を表す。その次の2桁が形式を表し、10~49はタンク式、50~はテンダー式、つまり炭水車の有無を表している。だから例の場合はタンク式の2番目の形式と言うことになる。そして最後の3桁は車両の製造順と言うことになる。
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因みにBはB10、B20、CはC10~C12とC50~62、DはD50~52、60~62、EはE10の21形式がよく知られている。また、1928年に形式番号が変更になったのはC51(旧18900形式)、C52(旧8200形式)、D50(旧9900形式)の3つだけで大量生産された8620形式や9600形式は古い形式称号のままであった。C13のように私鉄を国鉄が買収した際に私鉄の蒸気機関車を一時的に形式変更した例もある。
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なお、戦後に最後の蒸気機関車として設計図まで作られ、老朽化したC51の代替として計画された幻のC63の存在があるが、結局、製造されることは無かった。
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