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『海苔弁』というと何を思い浮かべるだろう。母親が学校に行く頃に作ってくれたお弁当、ご飯の上に醤油を付けた海苔を引き、漬物や前日残ったおかず、焼いた塩鮭などを載せたものもある。
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私は単身赴任の際にほっかほか亭で炊きたてのご飯の上に味付けのおかかを振り、さらに海苔、その上にごぼうのきんぴら、魚のフライ、ちくわの磯辺揚げ、漬物などを乗せ、ソースを掛けて食べるタイプを思い浮かべてしまう。
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その『海苔弁』一本(季節バージョンを入れると2種類)で勝負する店が人形町にオープンした。店の名前は『いちのや』、本店は神保町にあるとのこと。
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店に入ると既に季節の海苔弁(1500円)は売り切れたあとのため、海苔弁しかない。ただ、ほかに豚の角煮、明太子、茄子の揚げ浸し、高級梅干しなどのトッピングも追加できる。ただ、海苔弁のみでも1080円するのでこちらだけにする。出てきたサイズは思いの外小さい、しかし、持って見るとズシリと重いのである。
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家に帰って早速オープン。出てきた弁当には海苔が敷き詰められ、上には野沢菜、きんぴら、ちくわの磯辺揚げ、魚フライ、鶏の焼き物が乗っている。醤油は金色の魚の形をした入れ物に入っているので、これを魚フライにかける。
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まずは魚フライから。カリッと香ばしく中々美味い。次にご飯だが、海苔がぴったり付いて食べにくい。もち麦が混ぜてあり、冷えているのでご飯はボソボソしている。
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鶏を食べるが、口上に極上松坂鶏を味噌だれて漬け焼きしたもので噛むと味わいがある。次にちくわの磯辺揚げ、宮城県産らしいが、その差はあまり伝わらない。
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食べ進めるとご飯の裏から秘伝のタレで漬け込んだ半熟卵が半分登場。これは中々味わいがあり、酒のつまみにもよさそうである。店のお姉さんが言う通り、完食すれば満腹になる。
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しかし、昔、食べたほっかほか亭の海苔弁はご飯がほかほかでフライやちくわも熱く、こちらの方が270円だが美味かったように思えた。もちろん、この高級海苔弁もすぐ食べればかなりいい線だったかもしれないが。ともかく、ご馳走様でした。
海苔弁いちのや
中央区日本橋人形町1ー18ー8
0368200611