湯めぐり四方山話 & 和の音

湯めぐりは 人・風物との出会い

りんご事件と長野県

2023-01-11 | 湯めぐり四方山話

今から55年以上前の「りんご事件と長野県」(これは夫の体験談だが、一度ブログ記事にしておくことに)

20才頃、東京の大学に行っていた夫。大学の巡検の授業で長野県を訪れた時のこと。

東京から「長野県」までは各自で行き、「諏訪」駅が現地集合の場所だった。そこから「伊那谷」を歩いて現地の地形を体感するという巡検内容だったという。あらゆる地形の宝庫と言える長野県。河岸段丘や扇状地ほか何でも見ることが出来る県。

天気がいい10月、夫たち巡検メンバー(今回は学生ばかり10人)は、延々と続く「伊那谷」をずっと歩いて地形を体感した。が、段々と喉は渇くし、腹は空いてくる。55年前は、コンビニはもとより自動販売機も一つもない時代。それどころか、この「伊那谷」には、お店というものが一つも無い。昼食を取りたくても食堂なるものが、どこにも見当たらない。

仕方なく、巡検のメンバー10人(男ばかり)は、フラフラしながら伊那谷を歩いていた。と、偶然、道すがら、よく熟れた真っ赤な林檎の実を発見!!林檎の木の側には、1メートル幅のきれいな小川まで流れている。

誰ともなく?よく熟れた林檎を一つもぎ取り、側の小川で洗い、そのまま丸かぶりし始めた。なにしろ半日以上も水分を摂らず歩きまわっていた日。乾ききった全身に染み渡るように?林檎の甘酸っぱい果汁が行き渡った。しばらくは、夢中で、次々と林檎を丸かじりし、そればかりか「次の補給用にと?」リュックに、もいだ林檎をそのまま詰め(一個~2個) そして、やっと? 人心地ついて来た頃。

 「なっ!!なんと林檎畑の中に、人影」を発見した!!

連なる林檎の実と葉っぱに隠れて、全く見えなかったが、生産者の(40代くらいの)女性が、すぐ近くで林檎の木々の手入れをしていたのだ。

びっくりして、即座に「我々は、巡検の授業の一環の地形学習として、この伊那谷を歩いていたが、近くに店も食堂もなく、喉が乾いて、腹も空いて、仕方なく、つい出来心で?林檎を食べてしまった事情を話し」平謝りしたらしい。

夫たちは、てっきり、こっぴどく怒られて、現行犯の林檎泥棒で、警察行きも免れないと思いきや、女性は「まあ~それはそれは、遠くから来たのに、喉が渇いて大変だったね!!うちにおいでよ。お茶を飲ませてあげるから、みんな少し休憩していきなさいよ」と、叱るどころか、家まで10人を招いて下さった。女性の家では、みんなタップリお茶を頂き(お茶菓子まで頂き)お腹いっぱいになった日。更に、女性は「これはお土産ね!!」と我々一人ずつのリュックに追加の林檎だけでなく、梨までどんどんと入れてくれたらしい(それぞれのリュック中には、最初に林檎畑で勝手に取り込んだ林檎が一つ2つは入っており、流石に!?これは、非常に気まずい~!!)夫たちは、この時ばかりは、一時も早くこの場を立ち去りたかったらしい。


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2 コメント

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昔は のどかでした (屋根裏人のワイコマです)
2023-01-16 10:52:51
私らも 学校帰りなど リンゴ園 などからリンゴを
もぎ取って食べながら帰ってきましたが・・農家の
人たちも誰も咎めませんでした。
いつだったか、反対に呼び止められて、ついでに
柿を取ってほしいと頼まれて、数人ではしごを借りて
柿の実をとってあげて、沢山お土産を貰って帰りました
今はとてもそんなことは出来ません、リンゴ園、ナシ園
ブドー園のいたるところに監視カメラが見張っています
果樹泥棒の被害が・・毎年数千万円とか・・いつの間にか
この国も腹を空かした学生が一つ二つ拝借する時代から
トラックを乗り付けて大がかりな窃盗団の国になっていました
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ありがとうございます。 (hitareri)
2023-01-16 14:00:08
ワイコマさん
ありがとうございます。
長い間、長野県に行く度に、夫から聞かされた「りんご事件」。あんまり毎回のように?夫が私に喋るので「一度「探偵ナイトスクープ」の番組に応募してみて、りんご事件でお世話になった当日40代の、伊那谷の林檎農家の女性を捜して、お礼をしたらどう?」加えて「同時に大学時代の10人の巡検メンバーにも連絡して、同窓会をしたらどう?」と「本気でその林檎農家の女性を探せよ!!」と提案してみましたが・・本来から、目立つ事が嫌いな夫は、なかなか乗り気がなくて、「未だに、実現してません」
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