ビタミンおっちゃんの歴史さくらブログ

STU48 音楽、歴史 などいろいろ

◎「脳科学は人格を変えられるか?」(エレーヌ・フォックス)を読んで(2)

2016-02-13 23:39:57 | 脳科学
「脳科学は人格を変えられるか?」(エレーヌ・フォックス)を読んで(2)

○快楽の追及において中心的な役割を果たすのは、大脳皮質の下にある「側坐核」と呼ばれる組織である
 「側坐核」は「快楽中枢」である

○脳を上中下の3つの部分に分けると、いちばん下の部分は、呼吸や血圧や体温を適正に保つなど、生命維持にかかわる仕事を行う
 中の部分は、感情や記憶をつかさどる部分で、偏桃体、側坐核、海馬などの組織がある
 上の部分は、大脳皮質である
 人間の大脳皮質に複雑なしわがあるのは、進化の過程で大きく成長し、頭蓋のなかにおさまるために細かく折りたたまれるしかなかったからである

○脳の各領域は、ネットワークで結ばれている
 メッセージを送ったり、受け取ったりするのが、ニューロンという神経細胞である
 人間の脳内には、個数は諸説あるが、1千億を超えるニューロンがあり、それぞれのニューロンは1万におよぶ他のニューロンとコミュニケーションできる

○ニューロン間の「会話」、情報伝達には化学物質が関わっている
 ニューロンの軸索の末端にはシナプス小胞と呼ばれる小さな袋がついており、その中にドーパミンなどの神経伝達物質が入っている

○「側坐核」を構成する細胞には、ドーパミンオピオイド(モルヒネのような働きをする)のどちらかの神経伝達物質が含まれている

○快感によって刺激を受けると、側坐核はドーパミンとオピオイドを分泌する

ドーパミンが担うのは、何かを「欲する」ことであり、「気持ちよく感じる」ことにはかならずしも関係しない
 「気持ちよく感じる」のはオピオイドの働きで、ドーパミンは、「欲して」反復させる作用をもつ


●「快楽中枢」側坐核は人間を快楽へとかりたて、大脳皮質にある「制御中枢」前頭前野はそうした衝動を抑えるブレーキの働きをする


9.11のあと、ニューヨーク市民は以前より親切になり、人とのつながりを大事にするようになった
 今、ニューヨークの街には、より人間的で親切な空気が漂っている
 人々は、街角で他人とおしゃべりをするようになった

人間の脳は、未来に常に希望を抱くように配線されている

 楽観は人間が生き延びるためのメカニズムであり、どん底の暗いときにいても、未来に対して前向きなポジティブな見方をすることができる
 これを「オプティミズム・バイアス(楽観的偏向)」と呼ぶ
 人間の脳は、楽観的な方向にかたむいている

・すべての人が平均より高い収入を得ることはありえないのに、ほとんどすべての人は「自分の収入は平均より高い」と思い込んでいる


現実とは、「ポジティブな思考をすれば、よい出来事が勝手に起こりはじめる(ポジティブ・シンキング)」というものではない

 楽観的に考えるだけで解決するなどという魔法のようなことはない

 「ポジティブな思考」というよりも「ポジティブな行動」が幸福につながる

○明るい楽観主義的な自叙伝を書いていた修道女たちは、暗い自叙伝を書いていた修道女と比べ、平均10年も長生きした、という調査がある
 楽観的であればあるほど、健康度が高い


●ポジティブな感情は、思考の幅を広げ、創造性が向上する


●「成功とは、失敗に次ぐ失敗を重ねてもけっして熱意を失わない能力のことだ」(チャーチル)

●エジソンの災いに出会っても折れない心と前に進み続ける力

試作が1万回を超えたとき、「失敗したのではない。うまくいかない方法を1万通り見つけただけのことだ」(エジソン)
「1つの素材がだめだったということは、その素材に可能性がないことが分かったのであって、別の可能性に行き当たるチャンスが増えたということだ」(エジソン)
 失敗は、ゴールに1歩近づくことである


●アマゾン・ドットコムの創設者ジェフ・ベゾス

・ジェフ・ベゾスは「オンライン上で本屋を開けば、ぜったいに当たる」というアイデアを得た
 ふつうの本屋や倉庫は収容できる数に物理的制限があるが、オンライン上の本屋にはその制限がない。本の写真と抜粋情報を掲載するだけで、オンライン上で何百万冊もの本が即座に購入可能になる
 こうして1995年7月16日、アマゾン・ドットコムは正式サービスを開始した


・私も、今は普通の書店で本を見ることはあるが、本を買うのは、ほぼすべてアマゾン・ドットコムを利用している
 メリット
1 いつでも、どんな遅い時間でも早い時間でも買える(たいていは送料無料で)
2 本屋へ行く時間も、交通費もかからない
3 書店ではほしい本が置いていないことがあるが、アマゾンでは、ほしい本はたいてい検索、入手可能
4 新刊でなくても古本でも検索、入手可能
5 新刊の場合など、在庫がある場合は、ほとんど当日、1、2日で届く

 メリットが圧倒的に大きいですが、デメリットとしては
 基本的に検索することによって本をさがすので、検索しない、自分が気になっていない本は、目につかないか、ひっかかりにくいこと
 普通の本屋のメリットは、自分が気付かなかった、思いかけず興味を引く本を発見することがある点である
 そんなときでも、私はその本屋では買わず、覚えておいて、アマゾンで買います

 アマゾンも検索の方法のほかに、現実の本屋の中を見て回るように、本を見て回れる、日々更新されるバーチャル書店のシステムをつくってくれないでしょうか