広小路歯科 院長の雑記帳  (豊橋の歯科医院)

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誰よりもスキーを愛した男

2020-02-26 11:05:30 | Weblog
その男、M君との出会いは40年近く前。
お互いがボーイスカウトの時代だ。
確かな記憶はお互いが高校生になった頃のシニアスカウトの時代。
そこからカウントしても35年ぐらいの年月が経過している。
僕の人生で一番長く付き合いが有るのはおそらくM君だ。

学年だとM君は一つ下。
昔のボーイスカウトは体育会系のノリだから先輩の僕を慕っていつも一歩引いていてくれていた。
当時の僕は写真部。
M君も高校は違うけど写真部。
ボーイスカウト活動なのに高価で繊細な一眼レフを僕もM君も持参して撮影していた。
僕もニコン。
M君もニコン。

お互いそれぞれ大学時代は豊橋を離れそれぞれの地で過ごした。
社会人になってしばらくの間もそれぞれの地で過ごした。

その後、僕もM君も豊橋に戻って古巣のボーイスカウト活動にリーダーとして復帰した。
当時、LEDの懐中電灯が世に出たばかりで、M君が買って使っていたのが良さそうだったので僕も同じLED懐中電灯を買った。
今でもしっかり使える。

M君は当時すでに結婚していて、僕は独身だった。
週末になるとM君は僕をスキーに誘ってくれた。
M君のプジョー306の助手席に乗って、下道をひた走りゲレンデに向かった。
M君は運転も大好きで、車も大好き。
道中は僕と車の話で盛り上がった。

M君のスキーの腕前は一流だった。
どんな荒れたゲレンデのコブも難なく滑降していく。
僕も必死についていく。
M君はまるでモーグル選手の様にコブのうねりを膝で上手に吸収する。
とにかく滑る。
リフト乗り場に着いたら即乗ってまた滑る。
何本も何本も滑る。

こんな冬の週末が僕が結婚するまでの数シーズン繰り返された。
僕が結婚してM君とスキーに行かなくなったけどM君は毎シーズン、毎週末、一人でもスキーに行っていた。

いろいろ野外活動で使えるので僕は大人になってからアマチュア無線を開局した。
M君はすでに昔に開局していた。
ボーイスカウト活動のキャンプでお互いハンディー無線機を持ってきて交信した時期も有った。

数年前、M君は大型バイクの免許を取った。
いきなりBMWの中古バイクに乗って現れた。
僕のバイク歴は30年以上、昔ながらの中免のまま。
M君はあっさり僕を越えてきた。
バイク談義に花が咲いた。
M君の無雪期の週末にバイク生活が加わった。

ここ数年、真夏の一大イベント、陸上自衛隊の総合火力演習にも一緒に行った。
M君は道中、いろいろな地域のグルメの話をしてくれた。
M君の独身時代に過ごした街の案内もしてくれた。

M君は口腔内もこだわりが有った。
金属は使わなかった。
セラミック系の治療がお約束のパターンだった。
いろいろな物事に最高を求めこだわり抜くM君が僕の歯科治療を頼りにしてくれていた。

そんな誰よりもスキーを愛した男、M君が亡くなった。

スキーの事故で…

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