チャレンジ

楽しく、自然体で生活しながら、チャレンジし、感じ続ける記録です。

ふたりだけの時間

2007-05-22 06:45:27 | 何気ない時間
 私の名前を呼ぶどこかで聞き覚えのある声。顔を上げるとその人が私の前に立っていた。「やあ!」という声はでたものの、その次の言葉がでない。予期せぬ出来事がおき、その状況をそのまま受け入れる前に私の頭の中では「何がおきているんだろう」「何かあったんだろう」といろいろな考えをめぐらしている。今起きている状況を必死で分析しようとしている。
場所は私のオフィス、しかもここはドイツ、その人が来るのであれば私が知らないはずはないのに私は知らない。でもその人は私の前に立っている。私の頭は混乱して何がなんだかわけがわからない。

「何でここにいるの?」と聞くまでにずいぶん時間がかかったように思う。聞いてみればとても簡単なこと、私はその人が来る情報を知っていたはずなのに、それをよく理解できていなかっただけだった。

その人には以前もドイツであった。予定も何もなくただ偶然この同じビルの中で会った。そこでは挨拶をしてわかれたが、次にまたホテルのロビーでばったり会い、一緒にいた人たち6人くらいで夕食をとった。そして翌日はなぜか2人でドライブをした。

思い出してみると丁度1年前のこと。こんな偶然も珍しい。
今回は、一日の終わりに私がここにいることを思い出し、わざわざ私に会いに来てくれたこともとても嬉しい。

嬉しいと飲みに行きたくなる。

「今晩は何が食べたい?」こんな時に出る言葉は我ながらとても自然で、それでいて私がどうしたいかをしっかり伝えている。

自然な誘いには自然な答えが返ってくる。

その日予定していた筋トレのことを私はすでに忘れている。たとえ明日までに仕上げないといけない仕事があったとしてもそれも簡単に忘れてしまう。とにかく一緒に食事に行きたい、ただそれだけ。

ドイツらしい雰囲気があって、そして地元の若い人達が集まる、日本でいう居酒屋のような店にいった。ここの料理はドイツ料理でもとてもおいしい。ここで飲むビールはすぐとなりのお店で作られたアルトビールなのでもちろんまずいわけがない。

ビールが入ると話もはずむ、お店にきているお客はみんなそう。お互いの声がだんだん聞こえづらくなってきた。気がつくと店の中は立つスペースもないくらいたくさんのお客で埋め尽くされている。

大きな音でドイツ語が飛び交う中、我々だけが日本語の世界。ドイツ人に負けないくらい大きな声で話をする。話が聞かれても二人のことを知る人はきっと一人もいないし、そもそも日本語がわかるわけはないから、何を話しても心配はない。

自分達がどこにいるのかだんだんわからなくなってくる。前も横も後ろも、そこにいるのは全て日本人ではないし、その場所の雰囲気はまぎれもないドイツ。そしてここは正真正銘のドイツ。でも、どこであっても関係ない。二人はお互いが話したいことを日本語で大声で話している。

何も気にすることなく、誰を気にすることなく、二人だけの時間、今この時を楽しんだ。

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