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ひのっき

あったかくてぐっすりでごはんがおいしくてよかったねうれしいねなんて小さなしあわせ探し雑記

真保裕一 黄金の島

2005年05月19日 | どくしょ。
真保裕一先生の黄金の島を読みました。
なんていうか、自分の居場所ってのを納得できないってのは大変なことだなあなんて思いました。
そこそこ十分なシアワセをつかんでいながら、それに気づかず隣の青い芝生を夢見すぎちゃった人々が、命がけすぎる賭けに出て、ある意味結局全滅してしまうという、なんだか「健康のためなら命もいらない」的な、どうにも切ないまでに何かを見失っちゃった物語です。
ともあれ新保節がびんびんに張り巡らされており、ドキハラ度はかなりのもので、ベトナム好きかつはーどぼいるどーな刺激を求めている方にはお薦めかもな作品です。

稲垣理一郎 村田雄介 アイシールド21

2005年05月07日 | どくしょ。
稲垣理一郎/村田雄介先生の「アイシールド21」を読みました。
いやー、めちゃ面白かったです。ちょいハマったです。
なんていうか、こういう自分の才能を信じられない弱弱しーい主人公が紆余曲折しながら成長していくスポ根モノって、おいら的になんだかツボなんですよ。おお振りの三橋とか、BASARAの浅葱とか・・・。
かねてからアメフトのルールを理解したいなーなんて思っていた方にはもちろん、普通に血を燃え燃えに滾らせたい方にもお奨めの作品です。

荒川弘 鋼の錬金術師

2005年04月29日 | どくしょ。
荒川弘先生の鋼の錬金術師を読みました。
面白かったです。テンポ良く、キャラも立ち、ストーリーも構成もしっかり固まっており、全体的に非常に完成度の高い感じ。こういう特殊なパラレルワールドの中で、ハードな重いストーリーを軽快にコメディを織り交ぜながら進めていけるのは、漫画というメディアならではなのかなーなんて。実写だと死ぬ程暗くなりそう・・・。
ともあれ、GW中の読み物を探索中の方にはもちろん、ただただ面白い漫画が好きな方にもお奨めの作品です。

奥田英朗 邪魔

2005年03月30日 | どくしょ。
奥田英朗先生の邪魔を読みました。
なんていうか、負け方を間違えるってのは大変なことだなあと思いました。
勝ち負けに無縁の幸せな生活を営んでいた人々が、たまたま巡ってきた負け戦において、負け慣れていないが故に防衛線の引きどころを見失い、無謀なライン死守のために無茶な消耗戦を繰り返した挙句、何もそこまでってレベルで不必要かつ積極的に壊滅してしまう、なんだかやるせなく迂闊な破滅物語です。

あさのあつこ バッテリー

2005年03月27日 | どくしょ。
あさのあつこ先生のバッテリーを読みました。
バランスよく育つってのは大変なことなんだろうなあと思いました。
天才的な才能ゆえに小学校時代ちやほやされすぎたエースが、中学校に入って色々ありつつも、結局その才能ゆえにちやほやされ続ける、ドラえもん的にファンタジーな児童書です。

村上春樹 海辺のカフカ

2005年03月24日 | どくしょ。
村上春樹先生の「海辺のカフカ」を読みました。
なんだか、有難くないものを有難がらなきゃいけないってのは大変だろうなあなんて思いました。
自虐的に自意識過剰な人々が、自己消費的に空虚な言葉遊びを繰り返しながら、自傷的に自分勝手に完結していく、自慰的になにやら残るもののない物語です。

ひぐちアサ おおきく振りかぶって

2005年03月11日 | どくしょ。
Numberで野球漫画史上最へタレのエースが登場する作品との紹介を見て、同族意識を刺激されたおいらは「おおきく振りかぶって」(ひぐちアサ先生)を探しに漫画喫茶へ。なーい。アフタヌーン系って、なぜだかイマイチ漫喫での扱いが弱いような気がするなあ。で、裏表紙の面白さ絶対保証のあおりにつられ、酔った勢いで3巻まとめ買いしました。
うーむ。噂に違わぬすごいへタレぶりです。主人公のエースが25%以上のコマで泣いています。しかも熱い男泣き系ではなく、自信のない自虐的なおろおろ系の涙。
でも、分かる、分かるよ三橋(←主人公)。どんなに頑張ったって結果が出たって、やっぱり誰かに認めてもらえなきゃ自信なんて持てないよな・・・。自信がないと、どう振る舞えばその場にいるのが許されるのか分からなくて、どうにもできなくてただただ固まっちゃうよな・・・なんて。
何言ってもあきれられそうで、怖くて何もしゃべれないって気持ちも、身につまされ級に胸を突き刺します。うう・・なんだかもう他人とは思えないよ・・。
内容もおそらく漫画史上最も理論的にチームとしての野球を掘り下げつつ、新設野球部が徐々にまとまり強くなっていくというスポコンの王道をがっちり捉えており、かなり燃え燃えです。

へタレと聞くと自分のこと?なんて振り向いてしまう感じのなぜだか自分の色々なところになにやら自信が持てない方はもちろん、普通に面白い漫画が好きな方にもお薦めの作品です。


*昔からわりと自信がありありだった方には、ミハシが何をおろおろしているのかさっぱり理解できなくてちょっと???かもです。(←さっちゃんがそう)

おおきく振りかぶって (1)

講談社

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桐野夏生「柔らかな頬」

2005年01月22日 | どくしょ。
桐野夏生先生の「柔らかな頬」を読みました。
結局、人は人を理解することもできないし、自分を理解することもできないんだなあと思いました。
「おもい」って、例えそれが死活のものであっても、言葉にしてしまうときっと平凡で陳腐な表現にしかならなくて、でも人は言葉でしか考えることができなくて、だから心と思考って必ずギャップがあって・・・。
「色々名前がついてるけど、いわゆる精神病の原因って、突き詰めればひとつしかないんだよ。何だと思う?」
昔聞いた、心療内科でのインターンを終えたばかりの友人の言葉を思い出しました。
「”孤独” だよ。」

毀れゆく心たちの標本図鑑です。

柔らかな頬 (上)

文芸春秋

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桐野夏生「グロテスク」

2005年01月05日 | どくしょ。
桐野夏生先生の「グロテスク」を読みました。
色々と考えすぎちゃう人たちは大変だなあと思いました。
なにやら異様に自意識の強い女の人たちが、なぜだか色々なことにこだわりを持ちすぎたゆえに、それぞれ自作自演でいやな感じに自滅していくという、なんだかとってもうっかりした物語です。


グロテスク

文藝春秋

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山田昌弘 「希望格差社会」

2005年01月04日 | どくしょ。
山田昌弘先生の「希望格差社会」を読みました。山田先生はパラサイト・シングルなんて言葉を生み出したことでも知られる、ちょいと有名な社会学者です。
雇用形態や価値観の多様化が素晴らしいなんてのはまやかしで、現実的な目で世の中を見て努力しないと大変なことになるよとこれでもかと力説してくれます。(実は本論では教育を軸に社会の二層化を問題提起し、努力の報われる社会にしない大変だと社会全体のあり方を考える論旨になっています。が、とは言っても社会を変えることも生まれを選ぶこともできない個人レベルでは、なるほどー、ともあれ自分は与えられた環境の中努力してラインから漏れないようにしなきゃだなーと捉えるのが吉だと思っています。)教育システムを人材振り分けの合理的なパイプラインとする捉え方、統計やアンケートの読み取り方や論理の展開が面白く、興味深く読めました。
物の考え方に、古いとか新しいってのはないんだなあなんて改めて感じさせられたです。
マスメディアが礼賛する「多様化」を胡散臭く感じている方に押さえの一冊です。

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

筑摩書房

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