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ひのっき

あったかくてぐっすりでごはんがおいしくてよかったねうれしいねなんて小さなしあわせ探し雑記

雫井脩介「火の粉」

2004年12月05日 | どくしょ。
雫井脩介先生の「火の粉」を読みました。
女性の描写がとにかく秀逸で、女の人として生きていくってのも色々大変そうだなあなんて、読み進めながら何やら切なさが胸を覆います。構成もテンポも軽妙で、貸してくれた妹が一晩で読めるョと言っていた、まさにそんな感じ。ミステリーとしてハラハラもでき、お奨めです。

ところで今回試しに色をつけてみました。ベタ塗りなら、影つけの斜線が無くなる分白黒より画像としては軽くなるのね。意外。

西原理恵子「上京物語」

2004年12月02日 | どくしょ。
西原理恵子先生の「上京物語」を読みました。ちょっとじんわり泣けます。
まあじゃんほうろうきやできるかなみたいなお笑い系も大好きですが、やっぱり西原先生はぼくんちとか、晴れた日は学校を休んでとか、こういったしみじみ読ませる系が、本当に秀逸ですね。
静かにお薦めです。

篠田節子「天窓のある家」

2004年10月12日 | どくしょ。
篠田節子先生の短編集「天窓のある家」を読みました。
面白かったです。重く暗く鬱々と、情念と嫉妬、裏返った優越感と行き違った憤りが、ぶつかり混ざり合い反発しつつ轟々と竜巻のようにぶん回っており、まさに篠田節全開といった感じです。
特に「友と豆腐とベーゼンドルファー」「パラサイト」「天窓のある家」の3作は、パラノイヤ的につめつめにつめた女の怨念が最後に俯瞰しながらひっくり返る節子うっちゃりがさくりと決まり、心の中を紫色の座布団が飛び交います。
他の作品は実験的な要素も強く、?って人もいるかも。
個人的には「友と豆腐とベーゼンドルファー」が、優秀で良心的だが甲斐性のない男と、処理能力が高く現実的な自立志向の女の組み合わせの末路という、篠田節子先生の定番十八番を忠実に踏襲しており、好きですね。