さいきんの流星光
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残業をしたのは何年ぶりだろう。

「あとどのくらいで終わりそうですか」

ときかれ

「このまま続けると、朝四時くらいまでかかりそうです」

と僕は答えた。

ひょっとすると、今日の作業は、これで終わって、残りは明日にしてください、と言われるかとも思っていたんだけど、

何とかこのまま頑張って、上げてもらいたい、と返事がきた。

僕は、翌日は、休みだったので、仕事が延びる事は問題なかった。
だけど、先方が、翌日までは延ばせないという事だったので、

「了解しました!」

と元気がいいふりをして、作業を続けた。


 元気のいい返事をしたのはいいけれども、実は元気はなくて、
僕は、体が、どんどんだるくなっていくのを感じていた。

 昔、二十二歳のころ、僕が最初にアシスタントをした漫画家の先生が言っていたのだけれども、徹夜をすると、体中に毒の魔法を受けたようになる、とは確かに当たっていると思った。

 しかし、その漫画家の先生は、僕がはじめてアシをした先生で、当時たしか三十二歳くらいだったと思う。
 現在の僕からみると、とんでもない若者である。
 若造と言ってもいい。

 そんな若造がのたまう「毒の魔法を受けたよう」とはいったどんな感じだったのか。



 徹夜というのは、よくわからない。

 長時間起きていたからと言って、きつくなるとは限らないのだ。

 朝六時までずっと仕事をして、三時間だけ寝て、翌日も、元気いっぱい活動できることもある。
 最近も、そういうことは、あった。

 だけど昨日は、朝四時まで起きて、終わってすぐに眠て、五時間ほど後に目を覚ますとものすごく体がだるくて、まだ六時間くらいは眠ることができる気がした。



             ◎             ◎



 朝食の準備をしようと、冷蔵庫を開けると、肉のパックを発見した。

 透明プラスチックで仕切られチルド室の中にあった。
 おとといスーパーで購入した、豚肉の小間切れのパックだった。
 ぎゅっと押し込められていた。

 昨日のお昼ごはん用に、買っておいたらしい。

 だけど、昨日は、急にモスバーガーが食べたくなった。
 その時は、チルド室の肉パックの事なんて、完全に記憶からなくなっていた。
 僕は無邪気に、なんの躊躇もなくモスバーガーへ自転車を走らせたのだった。

 昨日の僕は、まだ若かった。



 肉の消費期限は、今日。

 そういうワケで、朝から、肉野菜辛みそ炒め定食を食べることになった。

 食べながら、

「殺し屋を主人公に、短編小説を書いてみたまえ」

と無茶振りされた想像を、したりした。

 三題話のように、お題が、いくつかある、という設定だ。

 まず、主人公が、殺し屋であること。
 そして、場所が、BARであること。
 最期に…。


 いや、最期のお題は、思い出せない。
 お題は、二つしかなかったのかも知れない。

 食べながら、いろいろ考えを巡らせて、どんどん話はふくらんでいく。

 だけど、メモも何もできない。
 食事中だったから両手は、ふさがっている。

 そして、食べ終わったころ、ほとんどすべて、記憶から消えていた。



 僕の頭の中には、お立ち台がある。
 色は、赤。
 直径1メートルの円筒形をしていて、高さは70センチくらいだ。

 お立ち台の上に、思いついたことが、トンと飛び乗る。
 だけど、次の瞬間、別のことを思いつくと、そいつがトンと、お立ち台に飛び乗る。
 お立ち台の上には、二人が同時に立つことは出来ないので、最初に飛び乗った者が下りなければならない。

 そうやって、いろんな考えが、トンとお立ち台に乗っては押されて下りる。
 僕の頭の中では、そんな事が繰り返されている。

 そうして、食事が終わって歯をみがき、
洗い物をすませ、珈琲を淹れてPCの前にくるまでに、
トン、トン、トンと何度も何度も入れ替わり、
指先がキーボードに触れたときに、トンとお立ち台にいる者が、
記録してもらえるという仕組みだ。




そんな、休日。




今月から、草野球が始まるので、今日はぜひとも、走りたい。

走らなければ、いけないだろう。

 

 ごちそう様でした。







長文におつきあいくださいまして、
ありがとうございました!

流星光ツィッター

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