夕方5時。
『ズバ王』の原稿を駅の改札前で担当さんに渡す。
「こんなに早く仕上げていただいて、ありがとうございます」
と担当さんは恐縮していたが、
別に、こっちの都合で早く上げただけなので気にすることはないって言ってるのに、
なかなか分かってくれないので、こっちの方が恐縮してしまう。
僕がやっている携帯コミックの締め切りは毎月23日前後だ。
『ズバ王』の2Pマンガの締め切りも、23日前後になる事がとても多い。
締め切り前に、わずか2Pとはいえ、
やらなければならない原稿があると、
まるでそれは、ゴール前に障害物があるのと等しく、
とてつもなく邪魔な存在なのだ。
だから、1日でも早く片付けてしまいたという気持ちから、
僕は、原案をもらったその日その瞬間からネームに取り掛かり、
そのままネームのOKを待たずに作画に突入して仕上げてしまうようにしている。
なにも担当さんのために、早く上げている訳ではないので、
そんなにありがたがらないで欲しいといつも思う。
話はかわるが、
最近、ランニングをさぼっていたので、
駅までの道を、僕は自転車に乗らずに原稿を持って走って行った。
ランニングシューズをはかず、両腕をちゃんと振らずに物を持って走ると、
そうとう疲れるということが分かった。
原稿を渡した後も、
古本屋を二つほどはしごしたのだが、
その行程もすべて走った。
やはり疲れた。
間違いない。
走るときは、きちんと正しいフォームで走らなければ、
非常に疲れるのだ。
古本屋では、思うところあって、
5冊の外国文学を買ってきた。
いや、「文学」って言うのかな…。
映画の原作本って言った方がいいのかな。
『ブリジット・ジョーンズの日記』とか
『メラニーが行く!』とか
『ノッティングヒルの恋人』とかです。
締め切りまで、今日を入れてあと4日!
果たして間に合うのだろうか…。
いや、間に合わせるのだ!

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