ご主人は東京の名店出身。優しい味の一杯が魅力
JR仙台駅の東口から歩いて2分ほど。駅前から名掛丁塩釜神社へ続く参道=初恋通り沿いで2006年から営業する人気店「仙臺 くろく」へ。ご主人の青田玄氏は東京・高田馬場「渡なべ」での修行を経て、渡なべ初の独立店として創業した。現在は仙台市内に「仙臺くろく定禅寺」「らーめんくろく識-SHIKI-」も展開中だ。


落ち着いた間接照明でバーのような店内は、 L字カウンターに10席と、囲炉裏のようなロの字型のテーブルに12席の計22席。麺メニューは、鶏と貝出汁にイエローソルトを合わせた「しお」、鶏ベースのアッサリ系「醤油」、しょっぱ旨い「黒醤油」、濃厚魚介の「つけめん」、ジャンキーな「アブラそば」の5系統をラインナップ。
また、この日は限定麺「なつかし煮干ラーメン」や、冬季限定の「濃厚どろ味噌」と「超生姜醤油らーめん」も用意していた。さらに、つきたてごはん、豚辛ごはん、ちゃマヨごはん、キーマカレーといった飯モノも提供。ビールはハートランドとギネス。また日本酒、焼酎、梅酒、本格ボトルコーヒーまで楽しむことが出来る。


今回は人気No.1という「くろくのしお」を全部のせ(1130円)でオーダーした。着丼までは待つこと5分。透明感のあるスープは、鶏と貝の出汁に希少なヒマラヤのイエローソルトを合わせており、全くトゲがない円みある飲み口に仕上げている。そして香味油だろうか。海老の香りも鼻に抜ける。非常に優しい味の清湯である。
そのスープに、店内の石臼で製粉した小麦を使った中細縮れ麺が泳ぐ。石臼は摩擦による熱が発生しないため、小麦本来の香りを活かした製粉が出来るそう。柔らか目の茹で上がりだが非常に旨い麺だ。チャーシューは3種で、ホロホロのバラ肉1枚、吊るし焼きのような豚肩ロース2枚、ジューシーなモモ肉1枚が乗る。


いずれも繊細なスープの味を濁さぬように味付けは控えめ。味玉は甘みある黄身がネットリした食感に仕上がっており美味。ほか、味の染みた極太メンマ、色紙切りのネギ、小口ネギ、海苔、糸唐辛子がトッピングされる。優しい味わいで、あっという間に完食してしまった。次回は醤油や黒醤油も啜ってみたいところだ。
<店舗データ>
【店名】 仙臺 くろく
【住所】 宮城県仙台市宮城野区榴岡2-2-12
【最寄】 JR東北本線「仙台駅」東口徒歩2分