サーフィンが繋いだ「はまんど」系の絶品麺
徳島県の南東部に位置する牟岐町。海も川も山ある自然豊かな町で、週末は釣り人やサーファー、キャンパーの姿も多い。徳島市からはJR牟岐線、車ともに2時間弱。牟岐線は徳島駅と阿波海南駅を結ぶが、途中の阿南駅止まりの列車が多く、その先の日和佐、牟岐、阿波海南まで行く列車は日中で2時間に1本程度なので少々難儀する。
さて今回は、徳島駅から1200型気動車に揺られること約2時間。降り立った牟岐駅から更に徒歩10分の人気店「牟岐55ラーメン」へ。いわゆる「徳島ラーメン」とは一線を画す、和風魚介出汁の旨い一杯を啜れる人気店だ。ご主人の吉野公雄氏は、香川県三豊市にあり讃岐ラーメンの雄と評される「はまんど」で修業し独立した。
吉野氏は昔から飲食業をやっていたのではなく、サーフィンを通じて「はまんど」店主の森敏彰氏と知り合い、その味わいに魅せられて弟子入りしたのだという。そして2013年7月、地元・牟岐にて創業。いまでは県下屈指の人気店となった。ちなみに「55」はGOGOの意味もあるだろうが、目の前を走る国道55号線に由来する。
店内はテーブル8席と小上がり12席の計20席。麺メニューは、あっさり系とこってり系の2軸。あっさりは魚介系出汁がメインで「牟岐らーめん」「中華そば」「つけ麺」を、一方のこってり系は地鶏・阿波尾鶏を使った「白湯そば」「濃厚魚介そば」「55つけめん」をそれぞれラインナップ。また期間限定の「うま辛ラーメン」なんてのも。
一方で白ご飯、玉子炒飯、鶏めしといった飯モノや、焼餃子、若鶏唐揚、水餃子、焼売、鶏天といった単品メニューも用意しており、ビールや酎ハイを引っかける事も出来る。実に目移りするメニューの数々だが、今回はPOPに「店主イチオシ」と書かれている看板メニュー「牟岐ラーメン(850円)」を注文することに。
スープは煮干、鯖、鯵、鰹などを炊いた清湯で、表面には背脂が浮かぶ。魚介の旨味がしっかりと出ており、サッパリした口当たりだが、背脂がコクを加えており旨味をブーストしてくれる。塩味もちょうどよく、レンゲが止まらない。そこに合わせるのは、オリジナルの多加水平打ち麺。モッチリしてコシがありスープとの相性は抜群だ。
チャーシューは薄切りのロース肉が2枚。しっとりした仕上がりで良い味だ。ほか、厚みある海苔、歯ごたえあるメンマ、刻みネギがトッピングされる。まるでウドンのようなアッサリした味わいで、あっという間に完食した。ホールを担当する女将さんの愛想が全くないのを差っ引いても、啜る価値のある一杯。県南に行かれる際は是非!
<店舗データ>
【店名】 牟岐55ラーメン
【住所】 徳島県海部郡牟岐町川長関33-1
【最寄】 JR牟岐線「牟岐駅」徒歩10分