肥宝館 -貧すれば丼する-

【千葉 銚子】 中華ソバ 坂本「ワンタンメン(580円)」

銚子の栄枯盛衰を見つめた大衆中華ソバ店

銚子電鉄「観音駅」の駅名は、坂東三十三観音巡りの第27番札所・飯沼観音に由来する。かつては参詣客で賑わい、戦後は私娼が跋扈する特飲街として栄えたが、今は居酒屋やスナック、外国人パブが点在する程度である。今日は飯沼観音の門前に店を構える「中華ソバ 坂本」へ。銚子で知らない人はモグリという老舗だ。

戦前に創業し、戦後すぐにラーメンの提供を開始。1世紀近くも、銚子の歓楽街の栄枯盛衰を見つめてきた店は、現在は創業者の娘さんが受け継いでいる。麺メニューはラーメンを軸に、ワンタンメンやチャーシューメン、カケラーメンなども提供。また、黄色いルーのカレーライスも人気で、麺と組み合わせる人も多い。

残念ながら午後1時半の段階でカレーは売り切れ。ワンタンメンに餃子(300円)を1枚追加しオーダーすることに。ほどなくして薄濁りのスープが並々と注がれた大振りの丼が到着。スープは鶏ガラ、昆布、煮干しの出汁を合わせたもので、あっさりながら、旨味が幾重もの層になって押し寄せる。カエシには地元のヒゲタ醤油を使用。

麺は中細のストレート麺で、しなやかでコシもある。ワンタンは肉の旨味をしっかりと感じるもの。メンマは歯ごたえが若干残るギリギリまで柔らかく、そして甘く煮つけてあり旨い。豚ロースのチャーシューをめくると、下には7~8センチ角の昆布が鎮座。なかなか珍しいスタイル。まさに港町・銚子ならではの一杯だ。

餃子は、ネギとニラの香るオーソドックスなタイプで、これで300円というのは嬉しい。なお、ラーメン1杯420円という安価を14年間守り続けてきたが、2019年10月の消費増税を受け値上げを決断。麺類は30円、カレーは20円値上げするそうだ。ただし餃子は300円で据え置くという。永く営業を続けて欲しい銚子の宝である。

<店舗データ>

【店名】 中華ソバ 坂本
【住所】 千葉県銚子市陣屋町2-3
【最寄】 銚子電鉄「観音駅」徒歩3分

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