肥宝館 -貧すれば丼する-

★閉店★ 【埼玉 西川口】 火焔山「ウイグルラグメン(1280円)」

ラーメンのルーツ?奥深きシルクロードの「ラグメン」

かつては「NK流」と呼ばれる違法風俗店が犇き合っていたが、近年はすっかりチャイナタウンとして有名になった西川口へ。横浜の中華街には広東の人が多いそうだが、西川口では中国東北部の出身者がコミュニティを形成。そのため、ウイグル、蘭州といった地方の料理を楽しむことが出来るのだ。

今回はJR西川口駅の西側にあるウイグル料理店「火焔山」で羊料理を頂くことに。現在は中国西北部の「新疆ウイグル自治区」が知られているが、ウイグル族は元々、古代から中央アジアに暮らすテュルク系の遊牧民だ。トルコの影響を強く受け、イスラム教を信仰。シルクロードの民として暮らしてきた。

そのため、食文化は中国だけでなくトルコの影響も強く受けていて、ナンや麺、中華まんといった小麦料理や、ポロと呼ばれるピラフのような米料理、そして羊を中心に鶏や牛を使った肉料理が振舞われる。そして、イスラム教徒が主であるため、基本的には「清真料理=ハラルフード」になっている。

ご主人の馬堅さんは、奥さんの親戚を頼って2007年にウルムチから来日。弁当工場勤務を経て、故郷の味を再現しようと西川口に「火焔山」を創業。その後、池袋北口エリアに分店となる「蘭州拉麺店 火焔山」をオープン。どちらも評判はよい。ちなみに火焔山とは、西遊記にも登場するウイグル自治区にある赤土の丘陵である。

メニューで圧倒的に多いのは、やはり羊肉料理だ。串焼き、スペアリブ、炒め物の他、ラムの内臓スープや煮込み料理、和え物など多岐にわたる。基本的には2~3人で囲んで食べる大皿料理が多いようだ。まずは「新疆風ラム肉の串焼き(1本150円)」「新疆風ラムハツの串焼き(1本120円)」で、青島ビールを流し込む。

香辛料、とりわけ唐辛子が強く酒が進む。そして更に羊肉を。続いては数量限定の「新疆風ラム肉の山椒かけマーラー風味(1880円)」。脂のよく乗った骨付肉を、香ばしい麻辣油に付けて頂く逸品だ。嫌な臭みもなく、これは「火焔山」を訪れたら、是非とも注文したい料理である。

そしていよいよシメへ。ポロや焼きナン、ラム肉水餃子なども良いが、ここは世界最古の麺料理と言われている「ラグメン」を頂きたい。手延べで不揃いな小麦麺に、トマトやタマネギ、キクラゲ、ピーマンなどの野菜と羊肉を炒めたスープをかけた料理で、ウイグルではポピュラーな家庭料理だそうだ。

ベースは鶏ガラだろうか。トマトの酸味も加わりサッパリと啜ることが出来る。麺も想像以上にコシがあり旨い。このラグメンが西に伝わりパスタになって、東に伝わりラーメンになったという説もある。麺好きは、話の種にぜひ一度啜ってみてはいかがだろうか。都心から電車で30分のシルクロード。プチ海外旅行のようで面白い。

<店舗データ>

【店名】 火焔山
【住所】 埼玉県川口市西川口2-9-5
【最寄】 JR京浜東北線「西川口駅」徒歩6分

★いつの間にか閉店…
★池袋の姉妹店「火焔山 新疆・味道」は営業中
★2023年1月18日、西川口に関連店「鑫 無敵や」を創業

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