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肥宝館 -貧すれば丼する-

【千葉 勝浦】 江ざわ「チャーシュー担々麺(1100円)」

勝タン発祥の「江ざわ」は、辛さ一辺倒にあらず

スッキリした醤油スープにラー油を張った外房・勝浦のご当地麺「勝浦タンタンメン」。その発祥と言われるのが、昭和29年創業の「江ざわ」である。当初は大衆食堂で、店主が担々麺を作ろうとするも芝麻醤を入手出来ず、試行錯誤の末、このスタイルに行き着いたという。以来、海女・漁師の体を温めるメニューとして勝浦で広まった。

現在、勝浦では中華料理店のみならず、喫茶店や海鮮料理店までもが提供し、店先に幟を掲げている。煎餅やポテトチップスなどの派生メニューも誕生した。さらに2011年には市内の店舗などで「熱血!!勝浦タンタンメン船団」を結成しB-1グランプリにも出場。2015年の十和田での全国大会ではゴールドグランプリにも輝いた。

町おこしに一役買っている勝浦タンタンメンだが、特に発祥の店「江ざわ」は、休日ともなるとスゴイ行列だ。店に着くとまずリストに名前と電話番号を記入。この日は3時間待ちとのこと。駐車場は10台ほどで、車を停めて待つことは出来ない。「駐車場が空いたら電話するので、どこかで遊んで待っていて下さい」と店員さん。

なお店舗は勝浦駅から大多喜街道を車で10分ほど。市街地からは外れた、国際武道大学の野球グラウンドそばにある。「江ざわ」は屋号としては老舗だが、一度は鴨川に移転し、2013年に勝浦に凱旋したため外観は新しい。店内はカウンターのほか、テーブル席と小上がりで合わせて30席ほど。子ども連れやグループでも楽しめる。

担々麺は1杯800円から。プラス50円で中辛、100円で大辛、300円でチャーシュー入りにグレードアップが可能だ。また、挽肉が増量された「上担々麺」や、冷やし担々麺、冬季限定の「もつ担々」なども用意されている。ほか、辛くないラーメン、カレー、焼豚丼なども。今回は「チャーシュー担々麺」を普通の辛さでオーダー。

スープは豚骨や鶏ガラがベースの醤油味。タマネギの甘みもあるからか暴力的な辛さではない。旨味と辛さ、香りが三位一体となったスープだ。ラー油が分離しないよう、丼全体をよく混ぜ、馴染ませていく。麺はしなやかな中細ストレート。店の五箇条に「麺はすするべからず」とある通り、咽ないスピードで食べ進める。

白髪ネギを麺に絡めて口に運び、後を追うようにレンゲにスープとタマネギ、挽肉を取って啜る。合間合間に、厚切りで歯ごたえのあるバラロールチャーシューを噛みちぎり頬張る。至福の時間だ。スープを飲み干すと、丼の底には「まいど」の文字が。勝浦タンタンメン発祥の店は、辛さ一辺倒にあらず。納得の一杯だった。

<店舗データ>

【店名】 江ざわ
【住所】 千葉県勝浦市白井久保字原296-8
【最寄】 JR外房線「勝浦駅」より車で10分

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