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肥宝館 -貧すれば丼する-

【福島 喜多方】 食堂はせ川「醤油らーめん 紅花たまご(1000円)」

伝統の味わいとは一線を画す、革新の「はせ川」

JR磐越西線・喜多方駅から北へ3キロ。中心市街から外れた住宅街の一角で行列を作る「食堂はせ川」へ。元々は昭和57年に祖母が創業した定食屋を、2000年代初頭に当時20歳だった孫の長谷川大輔氏が2代目として跡を継いだ。ラーメン一本に絞り、先代の味を受け継ぐのではなく独学で味を完成。今では県下屈指の人気店だ。

大輔氏は他店とのコラボやイベント、インスタント商品開発などにも積極的で、喜多方に新しい風を吹かせている。なお店舗は2020年10月8日にリニューアル。昼11時過ぎで約20人待ち。名前を書いてからストーブのある待合室へ。スタッフからは「店内は4人席が3卓しかないので、1人ずつの方が早く入れる可能性が高い」との説明が。

孤高のお一人様である私、何人飛ばしかで早めの入店。店内はカウンターは4席で、2人掛けと4人掛けのテーブルが大半。厨房横には常連用の小部屋もある。麺メニューは醤油、しお、みそ、コク旨辛みその4種を用意。デフォルトで大判の肉が乗るので、チャーシューメンは無し。代わりに別皿のチャーシュー盛り(700円)がある。

また追加トッピングには、米沢市の山田鶏卵直送の紅花たまごを使った味玉、台湾メンマ、バター、ネギ、辛子ペーストをラインナップしている。麺量は並で170g、大盛(200円)で倍の340gとなっていて、家族連れ用に「お子様らーめん(400円)」も提供。今回は1番人気の「醤油らーめん 紅花たまご(1000円)」をオーダーすることに。

並びはじめから20分、大判のチャーシューが乗った一杯が到着した。スープは鶏と青口煮干、昆布、香味野菜を炊いた清湯に、円みのある醤油のカエシを重ねている。煮干しの香りと旨味が先行し、鶏ガラが全体を下支え。喜多方の伝統的なラーメンとは一線を画す味わいだが非常に旨い。なお敷地内の井戸水を使っているそうだ。

合わせる麺は東京製麺と共同開発したという多加水で平打ちの中太縮れ麺。北海道産のうどん粉をブレンドしているそうだ。チュルリとした麺肌でコシもあり、スープとの相性も抜群だ。長さがあり丼に横たわっている2枚のチャーシューは、トロトロのバラ肉。醤油ダレでしっかり味付けされており、箸でほぐれて麺に絡みつく。うむ、至高。

紅花たまごはオレンジ色の黄身がネットリと甘く絶品。ほか、歯ごたえのあるメンマ、ネギがトッピングされる。厚みのあるスープと旨い麺、手抜かりない具材の数々。伝統に縛られず新たな味を追求した一杯、ぜひ喜多方に訪れたら啜ってほしい。なお駐車場は25台分あるが、何杯か連食する方は駅から歩いてみるのも一興だろう。

<店舗データ>

【店名】 食堂 はせ川
【住所】 福島県喜多方市大荒井6
【最寄】 JR磐越西線「喜多方駅」徒歩40分(3km)

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