今日は晴れとなり、暖かい春の陽気になりましたね。
終日寺院勤務
寺務・法要・先住岩瀧立誡大和尚月命日忌御供養・楠木正行公月命日忌御供養・清掃などして過ごす。
暖かくなり、お参りも誠に多かったですね。
いよいよ花粉症も本格的に・・誠につらい時期が参りました・・
・・
「Amazonのお坊さん便」における「布施」と「手数料」の問題について
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/79ceabf661fa10b42dbb3520aff8fa1f
「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」について
販売中止のお願い文書提出のお知らせ(全日本仏教会)
http://www.jbf.ne.jp/news/newsrelease/1609.html
昨日(3/4)が正式な中止要請の通知になったようです。
先日(3/1)に、本件についての拙考を述べさせて頂きましたが、Facebookの方へと頂きました皆様からのご意見等も勘案致しますに、僧侶の資質等の問題も、もちろんございますし、お布施の問題については、布施と手数料を明確に分けることで、布施として寺院(そもそも布施の納入先は、宗教法人が基本であり、宗教法人としての会計処理が必要となる)へと納める分、手数料で支払う分とを利用者に対して明示することが、必要になるのではないかと思われます。
正確な金額は分かりませんが、あくまでも例として、例えば、手数料が2割ということであれば、35000円のうち、布施2万8千円、手数料7千円(その手数料からAmazonにも手数料が支払われることになると思われます)。
現状のまま継続されるにしても、利用者の方が、全額が布施ということにて認識して納められている可能性もあり、手数料が含まれているということについては、おおよそ分かってはいても、その内容・金額までは知らない場合もあるため、あくまでも「商品」として継続されるとすれば、「仲介チケット」としての「チケット代」・「手数料」ということにて、「宗教行為」に係る「布施」とを明確に分けた上で、利用者に提示することが、税法上も必要になるのではないかと思われます。
補足として・・
布施が非課税であるのは、あくまでも宗教行為という公益性の性質があるからであり、それを担保するのは、宗教法人上においての宗教行為であるからということになります。ですので、布施入金の経理処理は、宗教法人が必ず行わなければならないことになります。
もしも、僧侶個人が布施を直接に所得した場合には、やはり、給与所得と共に申告する義務があり、色々な税法上の問題にも掛かることになるのではないかと存じます。
また、所得税、住民税、公的保険・年金は、当然に僧侶でも所得に応じての個人負担であるのは、一般と変わりありません。
あるいは、宗教法人でも、収益(営利)事業には、当然に消費税・地方消費税・法人税・地方法人税が課税されます。
「宗教法人の税務」国税庁
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/h27_shukyo.pdf
・・
また、全日本仏教会さんのAmazon「お坊さん便」中止要請文を、私なりの考え方での独断と偏見にて少しA4一枚に収まるようにも書いてみました。
以下は、あくまでも川口英俊による私案の文章です。ご注意くださいませ。
アマゾン ジャパン株式会社
代表取締役社長 ジャスパー・チャン 殿
僧侶手配サービス「お坊さん便」について(販売中止のご検討のお願い)
(・・団体説明は省く・・)
貴社は、昨年の12月8日から「僧侶手配サービス」の販売を開始致しました。これは「株式会社 みんれび」が2013年から展開している「お坊さん便」というサービスであり、法要・法事に「定額のお布施」で僧侶を手配し、あるいは「戒名」・「法名」も付与するといったものにもなっております。
しかし、そのサービスにて、利用者様へと提示されておられる「布施」(功徳のための慈悲喜捨行為)というものは、本来、「仏法」における、悟り・涅槃という境地へと至るための六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)という仏道修行における徳目の一つとしてある「功徳」であり、その「功徳」というものは、貨幣価値において定額に表されるという性質にはそぐわない「敬虔なる宗教的行為」となるものでございます。
つきましては、上記のことをご配慮賜りまして、「布施」における「敬虔なる宗教的行為」としての本来性について、この度、真摯に尊重して頂きまして、「定額のお布施」という販売提示のあり方について、改めて見直しを図って頂きたいと存じますと共に、できましたら、販売を中止して頂けるご検討も賜れましたら、有り難くに存じます。
また、このままサービスの提供を続けられることとなりましても、もしも、仏法を扱うことにより、あずかり頂く「布施」の中から、仲介手数料・サービス料等などの利益を得られるとするのであれば、その利益の幾分かは、必ず、「仏法」の趣旨に適うことの功徳(仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業[あらゆる全ての迷い苦しみにある者たちが救われるようにとして行われる功徳]へと繋がること)の行いのために、お使いして頂けますように、宜しくお願い申し上げます。
今後とも、○○○○○、参加所属団体、並びに、各寺院、各僧侶におきましては、皆様からのご叱正、ご批正も真摯に受け止め、反省すべきは反省し、正すべきは正しつつ、仏法の護持、仏法の発展・興隆、衆生済度の聖業にこれからも努めて参りたいと存じております。
上記のこと、どうかご賢察を賜りたくに存じます。
貴社のますますのご発展と共に、ジャスパー・チャン氏様、並びに社員の皆様のお幸せを、心から祈念申し上げます。
・・以上。
引き続き色々と考えて参りたいと存じます。
・・
Amazon【お坊さん便】のカスタマーレビューに拙考投稿
http://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R18YYHTHX7EE1J/ref=cm_cr_arp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B018HVTRXO
(但し、個人名やAmazon以外のURLは、NGのため抜いています。)
・・
「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」について
販売中止のお願い文書提出のお知らせ
本会(全日本仏教会)は「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」についての販売中止のお願いについてを3月4日付けで報道各社にプレスリリースを致しました。
「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」について
販売中止のお願い文書提出のお知らせ
本会は2016年3月4日(金)、「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」についての販売中止のお願い文書をアマゾン本社ならびにアマゾン日本法人に提出いたしました。
本文書は、1月26日に開催した第十三回理事会において、本会に寄せられた伝統仏教界へのご批判等の意見を各理事に開示した上で協議し、提出をしたものであります。また、同理事会では伝統仏教界が広く社会の期待に応えていく態勢を作るため「法務執行相談に関する協議会(仮称)」を設置することになりました。
本会は創立以来仏陀の「和の精神」を基にして仏教文化を宣揚し、もって世界平和の進展に寄与してまいりましたが、これからも伝統仏教が持っている繋がりや絆を社会に発信してまいります。
以下、通知文・
2016(平成28)年3月4日
アマゾン ジャパン株式会社
代表取締役社長 ジャスパー・チャン 殿
公益財団法人 全日本仏教会
理事長 齋藤 明聖
「Amazon のお坊さん便 僧侶手配サービス」について
(販売中止のお願い)
私ども公益財団法人 全日本仏教会は、日本の伝統ある宗教団体の中でも有力な59宗派・36都道府県仏教会・10各種団体からなる、およそ全国75,000カ寺を擁する唯一の連合体であります。組織率は全国寺院の9割と言われています。
去る12月8日、貴社は僧侶手配サービスを販売開始しました。これは「株式会社 みんれび」が2013年から展開している「お坊さん便」というサービスで、全国どこにでも「定額のお布施」で僧侶を手配し、「戒名」「法名」も付与するというものであります。
私どもは、先ずもって、このように僧侶の宗教行為を定額の商品として販売することに大いなる疑問を感じるものであります。およそ世界の宗教事情に鑑みても、宗教行為を商品として販売することを許している国はないのではないでしょうか。
そもそも、私どもは「お布施」を定額表示することに一貫して反対してきました。それは、「お布施」は僧侶の宗教行為に対する対価ではないからであり、定額にすることによって「お布施」本来の宗教性を損なうからであります。同じように「戒名」「法名」も商品ではないのです。
日本の伝統ある仏教界は、お一人おひとりからのご懇念をもって進納された「お布施(懇志金)」によって寺院を維持し、教えを広め、仏法を相続してきました。これが宗教の本来性であり、教団の歴史と伝統であります。
しかしながら、その布施の精神をないがしろにするような法外な「お布施」を請求するなどの事実があり、慚愧の念に堪えないところであります。また、悩み苦しんでいる方々に本当に寄り添えているのか、僧侶としてのあり方を足下から見つめ直し、信頼と安心を回復していかなければなりません。
つきましては、貴社におかれましては上記のことをご配慮いただき「Amazon のお坊さん便 僧侶手配サービス」の販売を中止されるよう、お願いするものであります。
日本の伝統ある仏教文化を守り発展させていくためにも、今後とも、ご支援、ご鞭撻の程をお願い申し
上げます。
追伸 同文(英訳)をシアトル本社にも送付していることを申し添えます。
・・
『「Amazonお坊さん便」の抱える問題について考える』
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d339cd6c14be7db57860f241caf4984d
(平成28年3月・彼岸施餓鬼法要配布資料)
はじめに・・
昨今、世間で物議をかもしております「Amazonお坊さん便」(株式会社「みんれび」さんによる法事法要手配チケット)の抱えている問題から、現代日本仏教の課題について、少し考えて参りたいと存じます。(まだ、ご存知でない方は、ネットで「Amazon お坊さん便」で検索下さいませ。Amazonさんは、ネット通販大手の会社。)
hasunoha・問い「Amazonのお坊さん便について」・・
拙生が、回答僧侶として参加させて頂いております「ネットでお坊さんがこたえるQ&Aサービス・hasunoha」(http://hasunoha.jp/)におきまして、問い「Amazonのお坊さん便について」(http://hasunoha.jp/questions/2684)というご質問が、2015年12月29日にございまして、その回答にて、簡単に拙生の意見を述べさせて頂いております。
その内容をまず以下に挙げさせて頂きます。
問い「Amazonのお坊さん便について」
【ご質問内容】
最近Amazonでお坊さんを手配するお坊さん便が始まったそうですが、お坊さんに知り合いがいない人やお寺が身近にない人達にとってはお坊さん便は便利なサービスかも知れません。
ですが、「仏教をビジネスと考えてるからけしからん!」といったお坊さん便に対する反対意見もあることは確かです。
ちなみに私はお寺に縁のない若い世代の人達の為にもお坊さん便はあってもいいのではないかと思います。
そこでハスノハのお坊様方に質問なのですが、Amazonのお坊さん便に関して賛成ですか?それとも反対ですか?
詳しい意見の方よろしくお願いいたします。
【私の回答】
色々と物議を醸しているAmazonの「お坊さん便」、拙生は、賛成、反対のどちらでもないのですが、仏教・仏法の本来的な目的・実践は、「衆生済度の聖業」(一切の衆生、輪廻に迷い苦しむものたちを救うための聖なる行い)であり、色々な方便は、方便としても、仏教・仏法の本来的な目的・実践に適うものとなっているのかどうかが、最終的に重要になるのではないかと存じております。
Amazonの「お坊さん便」においても、その問われるべき問題は、そこに単なる気休めではない、真なる救いや安心がありうるのかどうか、ということになるのではないかと存じます。
仏教とビジネス、仏教と営利、仏教と経営・・色々と相いれないと思われることももちろんあるでしょうが、その時代や環境の変化に応じて、寛容・柔軟になるべきことと、絶対に妥協・譲歩してはいけないことと、そのバランスを取りながらにも、「衆生済度の聖業」という本来的な目的・実践をしっかりと推し進めていく役割を担っていかなければならないのが、僧侶、寺院のあり方として最も大切になるのではないかと考えております。
確かなる「衆生済度の聖業」の実践へと向けて、犀の角の如くに中道を歩むことができていけますように、この浅学菲才の未熟者におきましては、しっかりと省察しつつ、これからも仏法の修習に努めて参りたいと存じております。
川口英俊 合掌
・・以上のようにお答えさせて頂いておりますが、現在進行形の議論の状況も鑑みながら、この度は、更にもう少し考えてみたいと存じます。
議論の行方・・
これまでにも僧侶派遣業を行う業者は、色々とございましたが、今回、大手ネット通販のAmazonさんが、僧侶派遣の仲介を行うことになったため、その市場規模・影響力の大きさから、昨年の12/8の販売と同時に、マスコミでも大きく取り上げられ、更に、「全日本仏教会」さん(公益財団法人)が、反対の表明と中止の要請を行ったことにより、世間と仏教界を巻き込んだ賛否両論が飛び交う議論へと展開しました。
全日本仏教会さんの反対の要旨としては、「宗教行為のビジネス化」ということについての危惧と共に、宗教行為に対して納められる「布施」(功徳のための喜捨行為)、六波羅蜜の修行の徳目の一つに係るものを「商品」として扱うことへの反対といったものとなっております。
一方で、これまでの「布施」についての不明瞭なことの多さ(金額の多寡、その内容の問題や法事・供養の形骸化、僧侶・寺院のモラル低下等)による、「仏教・寺院・僧侶への不信感の増大」、あるいは、核家族化・少子高齢化、家継承者の断絶などによる「仏教・寺院離れ」もあり、僧侶派遣仲介業者の提示する布施の金額の明瞭さや、身近に手軽に、法事・供養で僧侶を呼ぶことができる、僧侶・寺院と必要以外の付き合いをしなくて済むなど、利用される側の好意的な声もあって、「みんれび」さん・「Amazon」さんとしても、市場のニーズ、サービスへの需要がある限り、それに応えていくという姿勢のまま、双方の対立の溝は、ほとんど埋まっていないというのが現状でございます。
真なる布施による功徳のあり方とは・・
昔に、「イオン(株)」さんが、葬儀や戒名に係る布施価格を公に提示した問題もございましたが、市場のニーズやサービスへの需要がある限り、例え宗教行為であっても商業利用してサービスを提供しようとする業者は、今後も無くならないのではないかと存じます。
しかし、元々の本来の「布施」の意味と、その扱いのあり方については、しっかりとここで議論し直す必要があるのではないかと考えています。
そもそも、「布施」というものは、全日本仏教会さんも述べられていますように、「宗教行為に対して納められる「布施」(功徳のための喜捨行為)は、六波羅蜜の修行徳目の一つ」でございます。
法事・供養をお勤めされて、主に布施される施主の方を「功徳主」とも申しますように、本来の布施は、「功徳」のための喜捨行為というものとなります。それは、仏教の目的とする悟り・涅槃という最高の境地へと向けて、迷い苦しみの原因となっている、無明(根本的な無知)や煩悩、執着などを少なくする、無くしていくための「善い行い」「徳の行い」を積むために行う行為となるべきであり、その積みたる功徳を、葬儀や法事においてご供養する方のみならず、己自身も含めて、「全ての迷い苦しみにある者たち(一切衆生)が、やがて、皆、悟り・涅槃へと至れるように」、として行われなければならないものとなります。
仏教の目指すべきは、己自身も含めての、全てのものたちの救済であり、そのために扱われるのが「仏法」となります。その「仏法」を扱うことにより、納められた布施、財施というものも、やはり、「仏法」の趣旨に適うもので使われなければなりません。
それは、その布施・財施を得たる者も、仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業(一切の衆生、輪廻に迷い苦しむものたちを救うための聖なる行い)へと、その布施・財施を役立てることが、求められるものということにもなります。
つまり、布施を頂いた寺院・僧侶も、その布施を、仏法の護持や仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業へと役立てることで、迷い苦しむ衆生たちの癒しや救いとなることによっての「功徳」を、布施された方への「功徳」にもなるように、本来、回向していかなければならないということであります。
問題は、布施を渡す方も、その布施を受け取る側も、双方に上記のことを理解した上での「布施」行為であるという意識を、もっと高く持たなければいけないということでございます。
簡単には、私たち僧侶や寺院の布施をお預かりする側においては、「仏法により預かり頂いた布施は、仏法の趣旨に適うことで使わなければならない」ということとなり、お布施をお預けする側も、「この僧侶・寺院ならば、しっかりと、真に功徳となる行いに、そのお布施を使って頂ける」ということにて、お渡しするという意識が必要になるのではないだろうかと考えます。
この機会に、本来の布施というものは、個人や己自身、あるいは、ご先祖様や亡くなられた特定の故人へと向けた供養ということだけでの布施、という意味合いではなく、「迷い苦しむ衆生たち全てへの癒しや救いとなるべき功徳へと向けての布施」ということを、しっかりと考えていかなければならないのではないだろうかと存じます。
更には、仏法による布施をめぐる、渡す側、受け取る側、仲介・サービスにより対価を得る側も、それぞれの皆が、仏法の尊さ、有り難さを尊重して、真摯に向き合い、仏法に対しての「敬虔なる思い」、「畏敬なる思い」も持って、真なる「功徳」の行いに励めるようにしていくことも、大切になると考えております。
例えば、仏法を扱うことにおける仲介・サービスにより対価を得る側、今回では、「Amazon」さんや「みんれび」さんのような業者も、少しそのあたりのこともお考え頂いて、何か、仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業へと繋がることに、その利益の全部とまではいかなくても、一部だけでも使って頂くことにより、真なる「功徳」を積んで頂けましたら、少しなりにも仏教界からの理解も得られるのではないだろうかと、個人的に思うところでございます。
最後に・・
以上は、「ただの理想論だ」、「綺麗事に過ぎない」、「やれるものならやってみろ」、「あほか」という批判も当然にあるかとは存じますし、自分自身、このように偉そうに述べてみたものの、まだまだ、そのようにできていないことも、もちろん多々ございます。この浅学菲才の未熟なる身を恥じ、大いに自省すると共に、真なる「功徳」の行いへと向けて、仏法の修習に精進努力し、確かなる智慧と福徳の資糧を積んでいかなければならないと存じております。
川口英俊 合掌 平成28年3月1日
余談・・
余談ながら、正直、「Amazonお坊さん便」をめぐる問題については、恐らく、「Amazon」さんや「みんれび」さんも、サービスを取り下げたり、辞めたりはされないでしょうから、「全日本仏教会」さんも、Amazonさんやみんれびさんに対して、もう少し現実的に諭していく必要もあるのではないだろうかと、僭越ながらにも思うところがございます。
例えば・・
「仏法を扱うことにより、あずかり頂く布施から、仲介手数料・サービス料等などの利益を、もしも得られているのであれば、その利益の幾分かは、必ず、仏法の趣旨に適うことの功徳(仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業へと繋がること)の行いのためにお使い下さいますように、どうか宜しくお願い申し上げます。」
とか、あるいは、Amazonさんやみんれびさんの担当者の皆さまへと、慈悲の思いをしっかりと向けて、心からご心配を申し上げて・・
「仏法という尊い、有り難いものを扱っていることを再認識して頂くと共に、その仏法を扱うことにより、あずかり頂く布施から、仲介手数料・サービス料等などの利益を、もしも得られているとして、その利益によるものを、貪りなどの煩悩による享楽、強欲なことなどに使ってしまうとなれば、場合によっては、普段のことよりも、より悪業のカルマを積むこととなってしまい、大変なる悪趣の輪廻(迷い苦しみ)へと赴くことを危惧しなければなりません。どうか、その利益の一部だけでも構いませんので、仏法の趣旨に適うことの功徳(仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業へと繋がること)の行いのためにお使い下さいますように、何卒にも宜しくお願い申し上げます。」
ぐらいにて、できる限り善き行いに努めて頂けるように促させて頂いていくのが、良いのではないだろうかと思うところでございます。もちろん、自省の意も大いに込めて・・
岩瀧山往生院六萬寺
http://oujyouin.com/
・・
ネットでお坊さんがこたえるQ&Aサービス・hasunoha
http://hasunoha.jp/
「ついにテレビ全国版で紹介へ hasunoha」
http://taka.hasunoha-blog.info/201602_tv/
hasunoha・拙回答まとめ集
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi
hasunoha・拙生紹介ページ
http://hasunoha.jp/users/16
hasunoha・拙寺紹介ページ
http://hasunoha.jp/temples/6
回答者として四年目に入っております。すっかりとペースが落ちてしまっておりますが、少しずつでも皆様のお役に立つことができる回答を目指して日々、省察、精進致して参りたいと存じます。また、ご叱正、ご批正の程を賜れますように、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
東日本大震災を機縁として立ち上がりました「hasunoha」に参画できましたこと、誠に感謝致しております。微力ながらにも一つ一つ少しずつでもお役に立てれる善行・功徳となりましたら、亡くなられました皆様への追善供養として回向申し上げたくに存じております。合掌
・・
「メルカリ」出品
https://www.mercari.com/jp/u/622117801/
・・
2/15 未来の住職塾・一日体験教室の感想・本科受講へ向けて
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/4f9267986115d91075cc187a9e144223
・・
「note」フェイスブックの「いいね!」を押して「幸せ」に!!
https://note.mu/sunya/n/n64a134c553f3
・・
大法輪寺・田口学法師との邂逅(2016.1.22)
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/391f54ea53adc12524890f77e4b1bf46
誠に田口学法師との善き妙縁、尊く有り難しでございます。
・・
ダライ・ラマ法王猊下様・2016年・御来日法話「入菩薩行論・文殊菩薩の許可灌頂」
チケット販売について
http://www.tibethouse.jp/event/2016/teaching165010_ticket_160223.html
ダライ・ラマ法王猊下様御加持成就の「金剛杵と金剛鈴」
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52211094.html
2015.4.17「ダライ・ラマ法王猊下様のこと・・」
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52189915.html
2015.4.13「ダライ・ラマ法王14世来日法話 般若心経・菩提心の解説・観音菩薩の許可灌頂」ご報告
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/3ac42f140aef2fb85956f1fcd45e1b13
2014.4.14 ダライ・ラマ法王猊下様によるチベット密教・胎蔵曼荼羅灌頂・ご報告
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/bc5c08f69d78bdda5c6cca62d17d87df
2013.11.19「空と縁起」に関する拙質問に対してのダライ・ラマ法王猊下様の御回答内容について
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/710b99c74854aebc871a6f75e28dde12
「偉大なる第十四世の長寿を祈願する如意自在王〔経〕」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/8f49efb18934ec00993d52e91c603327
ダライ・ラマ14世法王猊下様・公式サイト日本語版
http://www.dalailamajapanese.com/
ダライ・ラマ14世法王猊下様・Facebook日本版公式ページ
https://www.facebook.com/dalailamajapanese
・・
勝義方便メモNo.11
http://togetter.com/li/827044
超宗派系一覧
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/ad8366ba25bc4f15de68c375bc313e0b
「拙理解仏教図式No.7」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/f11483ea1a2eb35ce5dcda72284b2bfa
・・
「仏教と戦争 ~ 戦後70年と仏教 ~」平成27年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/c479dc1d59328df2708ba23499b4d92b
「仏教の基本的な理解のために」平成27年3月・春彼岸施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/55ced9a1512c6ef6e095caa4fbe9eb8c
「死後について」平成26年9月・秋彼岸墓前回向 配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/46df9bb57071ef4f2b56161423dba66f
「お葬式について」平成26年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/0816eb5e788bf5ecfc8eed8e901b1a76
・・
追悼「塩川正十郎先生との想い出・・」(2015.9.24)
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/9414bc58e96d41a9090542e076524486
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川口英俊の自動配信・デイリー自動情報収集ネット新聞
http://paper.li/hide1125/1307742529
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暖かくなり、お参りも誠に多かったですね。
いよいよ花粉症も本格的に・・誠につらい時期が参りました・・
・・
「Amazonのお坊さん便」における「布施」と「手数料」の問題について
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/79ceabf661fa10b42dbb3520aff8fa1f
「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」について
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http://www.jbf.ne.jp/news/newsrelease/1609.html
昨日(3/4)が正式な中止要請の通知になったようです。
先日(3/1)に、本件についての拙考を述べさせて頂きましたが、Facebookの方へと頂きました皆様からのご意見等も勘案致しますに、僧侶の資質等の問題も、もちろんございますし、お布施の問題については、布施と手数料を明確に分けることで、布施として寺院(そもそも布施の納入先は、宗教法人が基本であり、宗教法人としての会計処理が必要となる)へと納める分、手数料で支払う分とを利用者に対して明示することが、必要になるのではないかと思われます。
正確な金額は分かりませんが、あくまでも例として、例えば、手数料が2割ということであれば、35000円のうち、布施2万8千円、手数料7千円(その手数料からAmazonにも手数料が支払われることになると思われます)。
現状のまま継続されるにしても、利用者の方が、全額が布施ということにて認識して納められている可能性もあり、手数料が含まれているということについては、おおよそ分かってはいても、その内容・金額までは知らない場合もあるため、あくまでも「商品」として継続されるとすれば、「仲介チケット」としての「チケット代」・「手数料」ということにて、「宗教行為」に係る「布施」とを明確に分けた上で、利用者に提示することが、税法上も必要になるのではないかと思われます。
補足として・・
布施が非課税であるのは、あくまでも宗教行為という公益性の性質があるからであり、それを担保するのは、宗教法人上においての宗教行為であるからということになります。ですので、布施入金の経理処理は、宗教法人が必ず行わなければならないことになります。
もしも、僧侶個人が布施を直接に所得した場合には、やはり、給与所得と共に申告する義務があり、色々な税法上の問題にも掛かることになるのではないかと存じます。
また、所得税、住民税、公的保険・年金は、当然に僧侶でも所得に応じての個人負担であるのは、一般と変わりありません。
あるいは、宗教法人でも、収益(営利)事業には、当然に消費税・地方消費税・法人税・地方法人税が課税されます。
「宗教法人の税務」国税庁
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/h27_shukyo.pdf
・・
また、全日本仏教会さんのAmazon「お坊さん便」中止要請文を、私なりの考え方での独断と偏見にて少しA4一枚に収まるようにも書いてみました。
以下は、あくまでも川口英俊による私案の文章です。ご注意くださいませ。
アマゾン ジャパン株式会社
代表取締役社長 ジャスパー・チャン 殿
僧侶手配サービス「お坊さん便」について(販売中止のご検討のお願い)
(・・団体説明は省く・・)
貴社は、昨年の12月8日から「僧侶手配サービス」の販売を開始致しました。これは「株式会社 みんれび」が2013年から展開している「お坊さん便」というサービスであり、法要・法事に「定額のお布施」で僧侶を手配し、あるいは「戒名」・「法名」も付与するといったものにもなっております。
しかし、そのサービスにて、利用者様へと提示されておられる「布施」(功徳のための慈悲喜捨行為)というものは、本来、「仏法」における、悟り・涅槃という境地へと至るための六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)という仏道修行における徳目の一つとしてある「功徳」であり、その「功徳」というものは、貨幣価値において定額に表されるという性質にはそぐわない「敬虔なる宗教的行為」となるものでございます。
つきましては、上記のことをご配慮賜りまして、「布施」における「敬虔なる宗教的行為」としての本来性について、この度、真摯に尊重して頂きまして、「定額のお布施」という販売提示のあり方について、改めて見直しを図って頂きたいと存じますと共に、できましたら、販売を中止して頂けるご検討も賜れましたら、有り難くに存じます。
また、このままサービスの提供を続けられることとなりましても、もしも、仏法を扱うことにより、あずかり頂く「布施」の中から、仲介手数料・サービス料等などの利益を得られるとするのであれば、その利益の幾分かは、必ず、「仏法」の趣旨に適うことの功徳(仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業[あらゆる全ての迷い苦しみにある者たちが救われるようにとして行われる功徳]へと繋がること)の行いのために、お使いして頂けますように、宜しくお願い申し上げます。
今後とも、○○○○○、参加所属団体、並びに、各寺院、各僧侶におきましては、皆様からのご叱正、ご批正も真摯に受け止め、反省すべきは反省し、正すべきは正しつつ、仏法の護持、仏法の発展・興隆、衆生済度の聖業にこれからも努めて参りたいと存じております。
上記のこと、どうかご賢察を賜りたくに存じます。
貴社のますますのご発展と共に、ジャスパー・チャン氏様、並びに社員の皆様のお幸せを、心から祈念申し上げます。
・・以上。
引き続き色々と考えて参りたいと存じます。
・・
Amazon【お坊さん便】のカスタマーレビューに拙考投稿
http://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R18YYHTHX7EE1J/ref=cm_cr_arp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B018HVTRXO
(但し、個人名やAmazon以外のURLは、NGのため抜いています。)
・・
「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」について
販売中止のお願い文書提出のお知らせ
本会(全日本仏教会)は「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」についての販売中止のお願いについてを3月4日付けで報道各社にプレスリリースを致しました。
「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」について
販売中止のお願い文書提出のお知らせ
本会は2016年3月4日(金)、「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」についての販売中止のお願い文書をアマゾン本社ならびにアマゾン日本法人に提出いたしました。
本文書は、1月26日に開催した第十三回理事会において、本会に寄せられた伝統仏教界へのご批判等の意見を各理事に開示した上で協議し、提出をしたものであります。また、同理事会では伝統仏教界が広く社会の期待に応えていく態勢を作るため「法務執行相談に関する協議会(仮称)」を設置することになりました。
本会は創立以来仏陀の「和の精神」を基にして仏教文化を宣揚し、もって世界平和の進展に寄与してまいりましたが、これからも伝統仏教が持っている繋がりや絆を社会に発信してまいります。
以下、通知文・
2016(平成28)年3月4日
アマゾン ジャパン株式会社
代表取締役社長 ジャスパー・チャン 殿
公益財団法人 全日本仏教会
理事長 齋藤 明聖
「Amazon のお坊さん便 僧侶手配サービス」について
(販売中止のお願い)
私ども公益財団法人 全日本仏教会は、日本の伝統ある宗教団体の中でも有力な59宗派・36都道府県仏教会・10各種団体からなる、およそ全国75,000カ寺を擁する唯一の連合体であります。組織率は全国寺院の9割と言われています。
去る12月8日、貴社は僧侶手配サービスを販売開始しました。これは「株式会社 みんれび」が2013年から展開している「お坊さん便」というサービスで、全国どこにでも「定額のお布施」で僧侶を手配し、「戒名」「法名」も付与するというものであります。
私どもは、先ずもって、このように僧侶の宗教行為を定額の商品として販売することに大いなる疑問を感じるものであります。およそ世界の宗教事情に鑑みても、宗教行為を商品として販売することを許している国はないのではないでしょうか。
そもそも、私どもは「お布施」を定額表示することに一貫して反対してきました。それは、「お布施」は僧侶の宗教行為に対する対価ではないからであり、定額にすることによって「お布施」本来の宗教性を損なうからであります。同じように「戒名」「法名」も商品ではないのです。
日本の伝統ある仏教界は、お一人おひとりからのご懇念をもって進納された「お布施(懇志金)」によって寺院を維持し、教えを広め、仏法を相続してきました。これが宗教の本来性であり、教団の歴史と伝統であります。
しかしながら、その布施の精神をないがしろにするような法外な「お布施」を請求するなどの事実があり、慚愧の念に堪えないところであります。また、悩み苦しんでいる方々に本当に寄り添えているのか、僧侶としてのあり方を足下から見つめ直し、信頼と安心を回復していかなければなりません。
つきましては、貴社におかれましては上記のことをご配慮いただき「Amazon のお坊さん便 僧侶手配サービス」の販売を中止されるよう、お願いするものであります。
日本の伝統ある仏教文化を守り発展させていくためにも、今後とも、ご支援、ご鞭撻の程をお願い申し
上げます。
追伸 同文(英訳)をシアトル本社にも送付していることを申し添えます。
・・
『「Amazonお坊さん便」の抱える問題について考える』
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d339cd6c14be7db57860f241caf4984d
(平成28年3月・彼岸施餓鬼法要配布資料)
はじめに・・
昨今、世間で物議をかもしております「Amazonお坊さん便」(株式会社「みんれび」さんによる法事法要手配チケット)の抱えている問題から、現代日本仏教の課題について、少し考えて参りたいと存じます。(まだ、ご存知でない方は、ネットで「Amazon お坊さん便」で検索下さいませ。Amazonさんは、ネット通販大手の会社。)
hasunoha・問い「Amazonのお坊さん便について」・・
拙生が、回答僧侶として参加させて頂いております「ネットでお坊さんがこたえるQ&Aサービス・hasunoha」(http://hasunoha.jp/)におきまして、問い「Amazonのお坊さん便について」(http://hasunoha.jp/questions/2684)というご質問が、2015年12月29日にございまして、その回答にて、簡単に拙生の意見を述べさせて頂いております。
その内容をまず以下に挙げさせて頂きます。
問い「Amazonのお坊さん便について」
【ご質問内容】
最近Amazonでお坊さんを手配するお坊さん便が始まったそうですが、お坊さんに知り合いがいない人やお寺が身近にない人達にとってはお坊さん便は便利なサービスかも知れません。
ですが、「仏教をビジネスと考えてるからけしからん!」といったお坊さん便に対する反対意見もあることは確かです。
ちなみに私はお寺に縁のない若い世代の人達の為にもお坊さん便はあってもいいのではないかと思います。
そこでハスノハのお坊様方に質問なのですが、Amazonのお坊さん便に関して賛成ですか?それとも反対ですか?
詳しい意見の方よろしくお願いいたします。
【私の回答】
色々と物議を醸しているAmazonの「お坊さん便」、拙生は、賛成、反対のどちらでもないのですが、仏教・仏法の本来的な目的・実践は、「衆生済度の聖業」(一切の衆生、輪廻に迷い苦しむものたちを救うための聖なる行い)であり、色々な方便は、方便としても、仏教・仏法の本来的な目的・実践に適うものとなっているのかどうかが、最終的に重要になるのではないかと存じております。
Amazonの「お坊さん便」においても、その問われるべき問題は、そこに単なる気休めではない、真なる救いや安心がありうるのかどうか、ということになるのではないかと存じます。
仏教とビジネス、仏教と営利、仏教と経営・・色々と相いれないと思われることももちろんあるでしょうが、その時代や環境の変化に応じて、寛容・柔軟になるべきことと、絶対に妥協・譲歩してはいけないことと、そのバランスを取りながらにも、「衆生済度の聖業」という本来的な目的・実践をしっかりと推し進めていく役割を担っていかなければならないのが、僧侶、寺院のあり方として最も大切になるのではないかと考えております。
確かなる「衆生済度の聖業」の実践へと向けて、犀の角の如くに中道を歩むことができていけますように、この浅学菲才の未熟者におきましては、しっかりと省察しつつ、これからも仏法の修習に努めて参りたいと存じております。
川口英俊 合掌
・・以上のようにお答えさせて頂いておりますが、現在進行形の議論の状況も鑑みながら、この度は、更にもう少し考えてみたいと存じます。
議論の行方・・
これまでにも僧侶派遣業を行う業者は、色々とございましたが、今回、大手ネット通販のAmazonさんが、僧侶派遣の仲介を行うことになったため、その市場規模・影響力の大きさから、昨年の12/8の販売と同時に、マスコミでも大きく取り上げられ、更に、「全日本仏教会」さん(公益財団法人)が、反対の表明と中止の要請を行ったことにより、世間と仏教界を巻き込んだ賛否両論が飛び交う議論へと展開しました。
全日本仏教会さんの反対の要旨としては、「宗教行為のビジネス化」ということについての危惧と共に、宗教行為に対して納められる「布施」(功徳のための喜捨行為)、六波羅蜜の修行の徳目の一つに係るものを「商品」として扱うことへの反対といったものとなっております。
一方で、これまでの「布施」についての不明瞭なことの多さ(金額の多寡、その内容の問題や法事・供養の形骸化、僧侶・寺院のモラル低下等)による、「仏教・寺院・僧侶への不信感の増大」、あるいは、核家族化・少子高齢化、家継承者の断絶などによる「仏教・寺院離れ」もあり、僧侶派遣仲介業者の提示する布施の金額の明瞭さや、身近に手軽に、法事・供養で僧侶を呼ぶことができる、僧侶・寺院と必要以外の付き合いをしなくて済むなど、利用される側の好意的な声もあって、「みんれび」さん・「Amazon」さんとしても、市場のニーズ、サービスへの需要がある限り、それに応えていくという姿勢のまま、双方の対立の溝は、ほとんど埋まっていないというのが現状でございます。
真なる布施による功徳のあり方とは・・
昔に、「イオン(株)」さんが、葬儀や戒名に係る布施価格を公に提示した問題もございましたが、市場のニーズやサービスへの需要がある限り、例え宗教行為であっても商業利用してサービスを提供しようとする業者は、今後も無くならないのではないかと存じます。
しかし、元々の本来の「布施」の意味と、その扱いのあり方については、しっかりとここで議論し直す必要があるのではないかと考えています。
そもそも、「布施」というものは、全日本仏教会さんも述べられていますように、「宗教行為に対して納められる「布施」(功徳のための喜捨行為)は、六波羅蜜の修行徳目の一つ」でございます。
法事・供養をお勤めされて、主に布施される施主の方を「功徳主」とも申しますように、本来の布施は、「功徳」のための喜捨行為というものとなります。それは、仏教の目的とする悟り・涅槃という最高の境地へと向けて、迷い苦しみの原因となっている、無明(根本的な無知)や煩悩、執着などを少なくする、無くしていくための「善い行い」「徳の行い」を積むために行う行為となるべきであり、その積みたる功徳を、葬儀や法事においてご供養する方のみならず、己自身も含めて、「全ての迷い苦しみにある者たち(一切衆生)が、やがて、皆、悟り・涅槃へと至れるように」、として行われなければならないものとなります。
仏教の目指すべきは、己自身も含めての、全てのものたちの救済であり、そのために扱われるのが「仏法」となります。その「仏法」を扱うことにより、納められた布施、財施というものも、やはり、「仏法」の趣旨に適うもので使われなければなりません。
それは、その布施・財施を得たる者も、仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業(一切の衆生、輪廻に迷い苦しむものたちを救うための聖なる行い)へと、その布施・財施を役立てることが、求められるものということにもなります。
つまり、布施を頂いた寺院・僧侶も、その布施を、仏法の護持や仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業へと役立てることで、迷い苦しむ衆生たちの癒しや救いとなることによっての「功徳」を、布施された方への「功徳」にもなるように、本来、回向していかなければならないということであります。
問題は、布施を渡す方も、その布施を受け取る側も、双方に上記のことを理解した上での「布施」行為であるという意識を、もっと高く持たなければいけないということでございます。
簡単には、私たち僧侶や寺院の布施をお預かりする側においては、「仏法により預かり頂いた布施は、仏法の趣旨に適うことで使わなければならない」ということとなり、お布施をお預けする側も、「この僧侶・寺院ならば、しっかりと、真に功徳となる行いに、そのお布施を使って頂ける」ということにて、お渡しするという意識が必要になるのではないだろうかと考えます。
この機会に、本来の布施というものは、個人や己自身、あるいは、ご先祖様や亡くなられた特定の故人へと向けた供養ということだけでの布施、という意味合いではなく、「迷い苦しむ衆生たち全てへの癒しや救いとなるべき功徳へと向けての布施」ということを、しっかりと考えていかなければならないのではないだろうかと存じます。
更には、仏法による布施をめぐる、渡す側、受け取る側、仲介・サービスにより対価を得る側も、それぞれの皆が、仏法の尊さ、有り難さを尊重して、真摯に向き合い、仏法に対しての「敬虔なる思い」、「畏敬なる思い」も持って、真なる「功徳」の行いに励めるようにしていくことも、大切になると考えております。
例えば、仏法を扱うことにおける仲介・サービスにより対価を得る側、今回では、「Amazon」さんや「みんれび」さんのような業者も、少しそのあたりのこともお考え頂いて、何か、仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業へと繋がることに、その利益の全部とまではいかなくても、一部だけでも使って頂くことにより、真なる「功徳」を積んで頂けましたら、少しなりにも仏教界からの理解も得られるのではないだろうかと、個人的に思うところでございます。
最後に・・
以上は、「ただの理想論だ」、「綺麗事に過ぎない」、「やれるものならやってみろ」、「あほか」という批判も当然にあるかとは存じますし、自分自身、このように偉そうに述べてみたものの、まだまだ、そのようにできていないことも、もちろん多々ございます。この浅学菲才の未熟なる身を恥じ、大いに自省すると共に、真なる「功徳」の行いへと向けて、仏法の修習に精進努力し、確かなる智慧と福徳の資糧を積んでいかなければならないと存じております。
川口英俊 合掌 平成28年3月1日
余談・・
余談ながら、正直、「Amazonお坊さん便」をめぐる問題については、恐らく、「Amazon」さんや「みんれび」さんも、サービスを取り下げたり、辞めたりはされないでしょうから、「全日本仏教会」さんも、Amazonさんやみんれびさんに対して、もう少し現実的に諭していく必要もあるのではないだろうかと、僭越ながらにも思うところがございます。
例えば・・
「仏法を扱うことにより、あずかり頂く布施から、仲介手数料・サービス料等などの利益を、もしも得られているのであれば、その利益の幾分かは、必ず、仏法の趣旨に適うことの功徳(仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業へと繋がること)の行いのためにお使い下さいますように、どうか宜しくお願い申し上げます。」
とか、あるいは、Amazonさんやみんれびさんの担当者の皆さまへと、慈悲の思いをしっかりと向けて、心からご心配を申し上げて・・
「仏法という尊い、有り難いものを扱っていることを再認識して頂くと共に、その仏法を扱うことにより、あずかり頂く布施から、仲介手数料・サービス料等などの利益を、もしも得られているとして、その利益によるものを、貪りなどの煩悩による享楽、強欲なことなどに使ってしまうとなれば、場合によっては、普段のことよりも、より悪業のカルマを積むこととなってしまい、大変なる悪趣の輪廻(迷い苦しみ)へと赴くことを危惧しなければなりません。どうか、その利益の一部だけでも構いませんので、仏法の趣旨に適うことの功徳(仏法の護持や、仏法の発展・興隆、あるいは、衆生済度の聖業へと繋がること)の行いのためにお使い下さいますように、何卒にも宜しくお願い申し上げます。」
ぐらいにて、できる限り善き行いに努めて頂けるように促させて頂いていくのが、良いのではないだろうかと思うところでございます。もちろん、自省の意も大いに込めて・・
岩瀧山往生院六萬寺
http://oujyouin.com/
・・
ネットでお坊さんがこたえるQ&Aサービス・hasunoha
http://hasunoha.jp/
「ついにテレビ全国版で紹介へ hasunoha」
http://taka.hasunoha-blog.info/201602_tv/
hasunoha・拙回答まとめ集
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi
hasunoha・拙生紹介ページ
http://hasunoha.jp/users/16
hasunoha・拙寺紹介ページ
http://hasunoha.jp/temples/6
回答者として四年目に入っております。すっかりとペースが落ちてしまっておりますが、少しずつでも皆様のお役に立つことができる回答を目指して日々、省察、精進致して参りたいと存じます。また、ご叱正、ご批正の程を賜れますように、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
東日本大震災を機縁として立ち上がりました「hasunoha」に参画できましたこと、誠に感謝致しております。微力ながらにも一つ一つ少しずつでもお役に立てれる善行・功徳となりましたら、亡くなられました皆様への追善供養として回向申し上げたくに存じております。合掌
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「メルカリ」出品
https://www.mercari.com/jp/u/622117801/
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2/15 未来の住職塾・一日体験教室の感想・本科受講へ向けて
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/4f9267986115d91075cc187a9e144223
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「note」フェイスブックの「いいね!」を押して「幸せ」に!!
https://note.mu/sunya/n/n64a134c553f3
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大法輪寺・田口学法師との邂逅(2016.1.22)
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/391f54ea53adc12524890f77e4b1bf46
誠に田口学法師との善き妙縁、尊く有り難しでございます。
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ダライ・ラマ法王猊下様・2016年・御来日法話「入菩薩行論・文殊菩薩の許可灌頂」
チケット販売について
http://www.tibethouse.jp/event/2016/teaching165010_ticket_160223.html
ダライ・ラマ法王猊下様御加持成就の「金剛杵と金剛鈴」
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52211094.html
2015.4.17「ダライ・ラマ法王猊下様のこと・・」
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52189915.html
2015.4.13「ダライ・ラマ法王14世来日法話 般若心経・菩提心の解説・観音菩薩の許可灌頂」ご報告
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/3ac42f140aef2fb85956f1fcd45e1b13
2014.4.14 ダライ・ラマ法王猊下様によるチベット密教・胎蔵曼荼羅灌頂・ご報告
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/bc5c08f69d78bdda5c6cca62d17d87df
2013.11.19「空と縁起」に関する拙質問に対してのダライ・ラマ法王猊下様の御回答内容について
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/710b99c74854aebc871a6f75e28dde12
「偉大なる第十四世の長寿を祈願する如意自在王〔経〕」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/8f49efb18934ec00993d52e91c603327
ダライ・ラマ14世法王猊下様・公式サイト日本語版
http://www.dalailamajapanese.com/
ダライ・ラマ14世法王猊下様・Facebook日本版公式ページ
https://www.facebook.com/dalailamajapanese
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勝義方便メモNo.11
http://togetter.com/li/827044
超宗派系一覧
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/ad8366ba25bc4f15de68c375bc313e0b
「拙理解仏教図式No.7」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/f11483ea1a2eb35ce5dcda72284b2bfa
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「仏教と戦争 ~ 戦後70年と仏教 ~」平成27年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/c479dc1d59328df2708ba23499b4d92b
「仏教の基本的な理解のために」平成27年3月・春彼岸施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/55ced9a1512c6ef6e095caa4fbe9eb8c
「死後について」平成26年9月・秋彼岸墓前回向 配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/46df9bb57071ef4f2b56161423dba66f
「お葬式について」平成26年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/0816eb5e788bf5ecfc8eed8e901b1a76
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追悼「塩川正十郎先生との想い出・・」(2015.9.24)
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/9414bc58e96d41a9090542e076524486
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川口英俊の自動配信・デイリー自動情報収集ネット新聞
http://paper.li/hide1125/1307742529