日記

日記

2008年02月09日 | 徒然日記・日々の記録
※ 2/9の降雪のため2/10の入山には注意が必要です。

今日は一日となり、誠に寒かったですね。

終日寺院勤務

寺務・春季彼岸施餓鬼法要卒塔婆書き・雪かきなどして過ごす。

春季彼岸施餓鬼法要、例年される方への案内往復ハガキは本日に発送させて頂きました。またご供養を希望される方は返信の程、宜しくお願い申し上げます。

いよいよ本格的に卒塔婆・法名書きが始まりました。まだまだ未熟な文字で申し訳ない限りですが、できうる限り頑張って書いて参りたいと思います。とにかくまずは慣れることであります。

春季彼岸施餓鬼法要・ご案内
平成20年3月17日~3月23日
http://oujyouin.com/segaki.htm

岩瀧山

雪景色

境内




雪だるま


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施本「仏教 ~ 一枚の紙から考える ~」




一、はじめに
二、一枚の紙から・仏教の基本法理の理解・上
二、一枚の紙から・仏教の基本法理の理解・中
二、一枚の紙から・仏教の基本法理の理解・下
三、一枚の紙から・①而二不二《ににふに》
四、唯識論について・上
四、唯識論について・中・1
四、唯識論について・中・2
四、唯識論について・下・1
四、唯識論について・下・2
五、一枚の紙から・②而二不二《ににふに》・上
五、一枚の紙から・②而二不二《ににふに》・下
六、一枚の半紙から・補足余談
七、悩み・苦しみを超えて
八、最後に

六、一枚の半紙から・補足余談

 さて、少し話を身近なところに戻してみたいと思います。私は現在、書道を習いに教室に通っていますが、習い始めた頃、普通に文房具店で市販されている一枚一~二円ほどの半紙で練習していた時に、先生から、「その紙では裏のザラザラの部分で書きなさい」と指導を受けて、当初はかなりそのことに抵抗がありました。

 なぜなら、これまで、半紙はツルツルの部分が表で、そこに書くことを当たり前と考えていたからであります。つまり、半紙に書くのは、ツルツルの部分が表で、ザラザラの部分は裏ということが、当然に正しいと思い込んでいたからであります。

 しかし、先生は、その半紙では、確かにツルツルの表で書くことで、綺麗に見せることができるが、筆が滑りやすいことと、その書かれた文字を見るだけでは、正確な筆遣いの技量をなかなか推し量ることができないということで、練習、正確な指導のためにも、その半紙では裏のザラザラの部分で書きなさいという趣旨で、そう言われたのでありました。

 そうこうしているうちに、しばらくして、練習・清書用共に、一枚五円ほどする半紙を常用することになりましたが、その時にようやく先の半紙でザラザラの裏で書いていたことについての抵抗が無くなったのであります。その半紙の表はまさに先の半紙の裏と同じような感じでの書き具合となり、また、作品として条幅などに書く半切などの紙も同様の書き具合だったからであります。なるほど、先生の指導は理にかなったことだったのかと改めて気づいたのであります。

 さて、この話題で何が言いたいのかといいますと、やはり「正しい」という思い込みであります。表と裏も単に思い込みで、こちらが表で正しい、こちらが裏で正しいとしてしまって固執していたために、裏で書きなさいと言われたことで、抵抗が生じてしまったわけであります。また、もしも先生の言うことを聞いていなかったら、上達が遅れていたかもしれないということであります。

 このように、普段私たちが「正しい」としていることには、施本「佛の道」の中でも何度も出て参りましたフレーズ「主観・偏見・独り善がり・自己都合・自己満足などの恣意的要素」、つまり「我」が大きく関係してしまっているということであります。

 仏教的に説明しますと、「諸法無我」において、諸行無常なる中、固定した実体としての「我」はどこにも無いのに、我に囚われてしまって「我執」してしまえば、主観・偏見・独り善がり・自己都合・自己満足などの恣意的要素が顔を出して、表・裏も勝手に世間の常識、自分の主観・偏見・都合でこちらが表で正しい、こちらが裏で正しいとして執着し、妄執して迷い苦しんでしまうことがあるのであります。本当はたった一枚の紙について、表も裏も私たちが勝手に恣意的に判断しているだけということでもあります。そういった虚妄分別、妄想はしっかりと捨てなければならないというわけであります。

 こういう何気ない日常のことでも、気を付けていると「諸法無我」の理解が及んでいくのであります。

 皆さんも普段の生活の中での「気づき」を常に大切にして、真理に一つ一つ目覚めていけるようにして参りましょう。

・・第七章に続く・・

〔本文、不許複製・禁無断転載〕

著作権は川口英俊に帰属しています。
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とにかく粛々とであります。。