野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

野沢菜は野沢温泉の湯でアク抜きする

2007-10-17 06:41:44 | Weblog
 あるテレビ番組から「野沢菜は野沢温泉の湯でアクを抜くが、何故か?」という質問が参りました。
 正直降参です。
①野沢菜のアク成分について全く不明。世界的な野菜であるホウレンソウすらアクについて解明されておりません(参照:日本調理科学会誌、2006年12月号)。野沢菜のようなローカル野菜についてアク成分の同定がなされているとは到底思えません。
②温泉の湯でゆでてアクを抜くとすれば、泉質が重要なのか、湯量が重要なのかという議論になります。鍋でわかした湯に、ホウレンソウなどをいれて茹でるとき、湯の量に対してホウレンソウの量が多すぎると、ホウレンソウをいれたとたんに湯の温度が下がるため、うまく茹でられません。温泉のようにたっぷりの湯があれば、均質に熱が通ってうまく茹でられるものと推測できます。泉質の面からは、野沢温泉の湯はアルカリ性の硫黄泉だそうです。酸性ではクロロフィルが不安定なので、アルカリ側で茹でるとクロロフィルの緑が保持される(細かくいえば、クロロフィリンになる)と予想されます。
 温泉の湯で茹でたときと、水道の水で茹でたときと、アク成分量がこれだけ違いますよというデータをお示ししたいところですが、野沢菜という野菜を生でかじったことのない者には、何をもってアクというのか想像もつかず、全く対処できません。


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