先週(5月31日)、「トマトで煮込むとお肉が柔らかくなるのは、トマトに含まれるクエン酸の影響であろう」と考察しました。これに対して、岡山大学のHPをご紹介いただきました。マリネード処理すると肉が膨潤し、軟らかくなるそうです。マリネードは酸性であり、酸性条件では、プラスイオンの反発作用により肉の線維の間が押し広げられ、保水する能力が高まると説明されています。先週は、他の野菜と比べてトマトに多く含まれる成分からクエン酸の影響だろうと考えましたが、実は、トマトは野菜の中でも酸味の強い野菜です。pHは4.5以下でしょうか。煮込んで濃縮すればpHはさらに低下するはずです。なるほど、トマト煮込みはマリネードと同じ効果(酸の影響)により肉を軟らかくすると考えれば、話は通りそうです。
タンパク質とpHの関係で、学生時代の実験を思い出しました。当時タンパク質化学の研究室に所属し、タンパク質を溶かしている水のpHを変化させれば、タンパク質を構成するアスパラギン酸やグルタミン酸などの解離基でプロトンがついたり離れたりし、そのことによって、解離基周辺の環境が変わるということを実験しておりました。当時は酵素と基質の結合として解析してましたが、確かにタンパク質の分子間あるいは分子内でも起こるはずです。改めて、調理学のベースには、化学、生物学があることを感じた次第です。
タンパク質とpHの関係で、学生時代の実験を思い出しました。当時タンパク質化学の研究室に所属し、タンパク質を溶かしている水のpHを変化させれば、タンパク質を構成するアスパラギン酸やグルタミン酸などの解離基でプロトンがついたり離れたりし、そのことによって、解離基周辺の環境が変わるということを実験しておりました。当時は酵素と基質の結合として解析してましたが、確かにタンパク質の分子間あるいは分子内でも起こるはずです。改めて、調理学のベースには、化学、生物学があることを感じた次第です。