
ただ、そうなんじゃないかって。
ルヴィの表情が流麗で思わず目を引くシーンでしたね。
いつも周りにいるちょっと弱気なキャラクターがフィーチャーされる回でしたが、
それ以上にチームメイトとしてではなく姉妹としての一面を見せてくれる回で、
普段以上に踏み込んだ回のように感じられたな。
なんだろう、今までのアイドルとしての形態は一種の仲間意識、
友情であったと思うのですが、そうではない何か、
というのが目新しく映る回でもあったのかな、と。


ルヴィもそうだから。
姉と一緒にアイドルをやっていきたい、でもダイヤは今年で、
というルヴィの感情を引きの絵で見せていくのが印象的だったな。
表情を見せ合わない会話、
ちょっとした縦PANの作る込みあがる感情の臨場感を作ってくれているようでまたいいなと。


ルヴィのクローズショットがまた綺麗でグッとくるんですよね。
コートを羽織った姿で嘆く姿も普通にかっこよくキマッていますし、
リップを強調したディテールアップした表情も程よくエロく切ない。
特別なシーンを見ているという合図的な意味でも染みてくるシーンだったなと。



ダイヤのアップ、引きの絵、そしてダイヤの表情へ。
ダイヤ自身の感情を引き出すスカートを握りしめる手が繊細で、
なおかつ程よく扇情的で魅力的ですよね。
握りしめた手とは裏腹に、
表情はどこまでも遠くを見るように凛とした佇まいがあって、
姉としての矜持を見せられている気がしたな。
手から全体像、
そして表情へという流れがそういうダイヤの思いを反映されてる印象だったなと。
そんな風にルヴィに語り掛けるのも美しいと思える。
生徒会長としてのダイヤ、3年生仲間のダイヤ、
「ダイヤちゃん」と呼ばれたいダイヤ、
色々な側面を描いてきた中で出てくる「姉としてのダイヤ」にグッときたなと。



姉の言葉に思わず抱き着き、それでも語り聞かせる姉、
でももっと一緒にやりたいという妹。
音楽と合わせ、2人の思いの交錯がキマッていてまたグッとくる。



ルヴィをおいていかないで。
ルヴィの涙からダイヤの瞳くるりんへ。
瞳のハイライトをくるっと回すのはもう当たり前の演出という感。
ルヴィの言葉に揺れるダイヤという。

ここで2人が見つめ合うのが凄くドラマチックでまたグッときますね。
それまで顔を合わせないやりとりの応酬だったので、
この一瞬の見つめ合いがまた一段と美しく感じられたな。
ルヴィとダイヤの表情も影の落とし方が対比的で読ませられるところですよね。
ルヴィの寂しいという言葉は幼さの裏返しなんだけれども、
そんなルヴィを見てダイヤは大きくなったという。
その理由は後でまた語られますが、それを一旦置いて、
ルヴィを次のステップへと導いていくダイヤの気遣いが染みるところでもありますね。

未来のことはわからないという2人。
その中でいうダイヤのただ、ただ、と語り掛ける情景が詩的な雰囲気があるのかなぁと。
空へのPANアップがそうさせるのかな。
ルヴィのただ、という語りとも掛かるところがミソですかね。

間を挟んでPANダウンで再びこの2人へ。


ただ、あなたが私にスクールアイドルになりたいと言った時、凄く嬉しかったのです。
ルヴィの成長をかみしめるように遠くを見つめるダイヤ。
妹の寂しいとは違う、姉の寂しさも感じさせるような、
でも妹の成長の喜びをしっかり伝える姿が眩しく映りますね。

姉の言葉から信号が青に変わり歩き始めるルヴィ。
ルヴィの歩みを強調する演出ですが、ここもまた引きの絵での縦PANで、
ルヴィの新たなる歩みを印象付けているのが目を引きますね。


お互いにPANで見せながら、
画面内での歩きは一方は前進、一方は後退という対比。
お互いが同じ画面にいないが近づきつつある、
またはルヴィの歩く速度より相手側は早く歩いているが一定の距離を保っている、
みたいな描き方なのかなとも思えたんですが、どうなんだろう。
ただ引きで同じように歩いている絵が入るので、
お互いの意識の向きや距離感を測るようなPANだったのかな。

美しいツリー。
お互いにライバルだけども、お互い姉とアイドルを続けられない。
そんな中でのルヴィの提案が確かな輝きを持つように描かれていて良い終わり方だったかなと。
絵コンテ:渡邉哲哉
演出:粟井重紀
そういえば『シュヴァルツェスマーケン』の感想を書こうと思ってもう何年も経ってしまったな。
ホライゾンやってた方が散り散りになって、
色んな作品を手掛けているのは嬉しいやら悲しいやらという感じ。
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