流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

響け!ユーフォニアム 13話(最終回) を語る

2015-07-26 00:00:27 | <響け!ユーフォニアム>


スカート丈は長く。
夏服に衣替えになった時、
コンクールでも夏服だったら幻滅だなと思っていたので冬服で嬉しかったな。
久美子がポニテにまたしてるけど、この辺は山田さんの狙い通りな感じなのかな。

山田さんは1話で提示したものを最終回付近で触れてくれるんですが、
今作はハッキリとした意味合いとしては描いてくれないのがややもどかしい。
オーボエの子や地獄のオルフェと滝先生、久美子と姉の関係や久美子のポニテについてなど。
まあポニテについては気合を入れる時にって感じなのでしょうけども。
山田さんはけいおん!のEDなどを見てて未来を描く方っていう認識があったので、
触れられなかった部分っていうのは山田さんなりの未来の予感の描き方だったのかなぁとか思ったり。
将来像を描けないからキャラクター周辺の、物語の未来を予感させるにとどまらせているみたいな。
ただそれがシリーズとして考えるとやや不満な感じ。
明確な分割2期ならまだしも、続編が無い場合は空虚になる部分だと思うところでもあるので。
その辺はどう考えてるのかなぁ。



また煙突か、など。ちょっと笑ってしまう。
考えてみたら朝の電車通学を描くのは珍しい。
いつも帰ってくるときは一緒に乗るシーンが何回かあったけども。
これも麗奈の悔しさを理解した、同じ方向に行きたいと願った久美子だからこそのシーンかなとか。
今度の煙突は高低差で麗奈と久美子を対比してるのかなとか。
こういう意味合いの変化の見せ方は武本さんっぽいかな。



ここにきてこの視線の強調の仕方は何なのかなと。
確かに葉月秀一久美子の三角関係はあったけどそこは収束したんじゃ、というか。
こういうぶり返しが突然くるとちょっと混乱するというか戸惑っちゃう感じ。
最終回だから今までの関係にそれぞれ触れていこうとしてるんでしょうけど、
やや野暮ったい印象も受ける。



久美子と緑。
緑は久美子へのカウンターっていう印象が強いキャラだったなぁと。
音楽が好きなだけではダメなんだっていう意識が1話の久美子にはあったんじゃないかと思うんですが、
好きだからこそやり抜く強さがあって、誰も言及しないけど緑もまた特別なキャラですよね。
私立の強豪校でレギュラーで、一人しかいないコンバスで。
吹部で唯一のコントラバス奏者だというのが既に緑が特別であることの暗喩でもあるよう。
恋もしたい楽器も弾きたい。
久美子が反対方向へ向かおうとしてるのに対し、緑は最初から一直線。
帰りの際の電車が反対方向とか狙いすぎぃ!って感じですし。
なんだかんだで色々背負っていたキャラだったなぁと。
リボンがいつもの色と違って制服に合わせてるの、いいですね。

まあどうでもいい話かもですが、
この成り立ちを考えた時に、なんでメインが久美子、葉月、緑輝、麗奈なのかなと思ってて。
最初のPVなんか見ると絶対久美子こんなことしないだろうってキャラに感じて、
けいおん!の初期の版権絵に続いてのミスリードなのかな、
この4人も別に仲がいいわけではなく日常系という型を作るために嵌めこまれただけなのかな、
とちょっと不安になっていたんですが、
それぞれが久美子に違うものを見せていく役回りだったのかなと思ったり。
ED的なものも2期、3期があれば4人が集まるシーンも描かれるのかなと、
そういう期待感も出てきたかなぁとか。



麗奈ポニテ。
この一連だけで4人のポニテGIRLが。
久美子を中心にした人間関係が火を吹いてる感じで楽しかったな。
女の子の髪いじるのを見るの好きなんでそういうのでもグッとくる。
梓が一人でいることの対比でもあるのかな。
有名校のライバルとしての立ち位置で、
上手くなりたい、上を目指したいっていう意志を久美子と違った形で共有してるキャラだと思ったので、
ただの当て付け的な対比に留まってしまったのが凄く残念だったな。
そういう意味で5話ではきちんと立華の凄さを描いて欲しかった。
個人的な心残りになりそう。



秀一と久美子。
前回の上手くなりたい!を通じてのやり取りなのかな。
考えてみたら秀一は結構突然隣に現れるキャラだよなぁと。
人混みの中で2人を強調する描写は誰かの視点を強く意識させる感じで引っかかる。
ただ浅い被写界深度のレイアウトなんかは、
こういう風に使うために今までやっていたのかというとまた疑問であったり。
1話の飲みかけのコップなんかもそうだけど、今まで描いてきたものを跳躍しすぎてる気がする。



空の景色と光の描写が印象的。
こういう思いの積み重ねを意識した空と、
ちょっとした輝きが演奏にかかってる感じにグッと来るかなと。



演奏シーンの華はどうしても動きの激しいパーカッションに行くよなぁと。
滝先生の指揮にカメラをふらざるをえないのもわかるというか。
1話なんかでもそうですが、
動きの少ない管楽器より動きのあるパーカッションに目がいっちゃうんですよね。
勿論それぞれの演奏シーンもカッコイイしトランペットやトロンボーンが並ぶのもカッコイイし、
ファゴットやフルートなんかも雰囲気出ててグッと来るんですが、
やっぱそれ以上に注目してしまうんですよね。



金だ!
最後まで言わせないところにちょっと色々考えてしまったな。
個人的には読み上げられてこそ、実感してこそ喜びがあると思ったので。
吹部の喜びがこういった老人の口から作られるというのを嫌ってるのかなぁ、と。
けいおん!1期では男性のやり方を追うキャラクター(1話の似非クラウザー様とか)がいて、
2期ではそういうのがあらゆる場面で排除されてたけど、それ以上のものを感じたかなぁと。
ユーフォ原作2巻の内容を考えれば、
コンクールの評価について耳を塞ぎたくなるのもわからなくもないけど、まだ1巻の内容だし。
自分としては北宇治の面々と素直にやったーと喜びを共有したかったので、
そこを飛ばされたのが嫌だったなぁと。
まあそれだけの話しなんですけども。



最終回のEDでOPの2番がかかったりとか、
映画みたいにスクロールするクレジット表記だったらいいなと思ってたらそれに近い感じで嬉しかった。
2期を楽しみに待ちたいところです。

脚本:花田十輝
絵コンテ:山田尚子
演出:河浪栄作
作画監督:引山佳代 秋竹斉一 瀬崎利恵
作画監督補佐:門脇未来 植野千世子 丸木宣明 岡村公平
楽器作監:高橋博行

山田さんのコンテ回だけど演出は河浪さんでアニDo色強し。
しかし最終回なのに演出作監クラスの方の投入率が低いのがやや気になる。
それでなおこの出来かと驚かされる。作監は多いけど、世代交代進んでるなぁ、と。

シリーズ終わってみて思うのはわかりにくい作品だったかなぁ、という点かなと。
滝先生が入って吹奏楽部が変わったのはわかったけど、
どれくらい上手いのかっていう対比できる存在を描けなかったのがやや残念だった。
この流れだとみんな頑張れば金賞も取れるし、上位大会にも行けるよって感じで、
部としての焦燥感に欠けていたような気がしたなと。
麗奈のソロで先輩の表情を追ってしまうのもあんまりヨロシク感じなかった。
吹けませんと言ったのは、全国により近いのは麗奈の演奏だったからで。
だからこそ先輩は辞退という道を選んだわけで。
そういう自分たちの選んできた道をもっと誇るような描写が欲しかったなと。
全国に行くにしては外より内側を見つめすぎてる感というか。
まあ葉月の件も含め、確かに終わった話として片付けるのはよく無いかもしれないけど、
果たしてそれが的確であったかと言えばやや疑問だなと。


久美子が葵がやめたことに心を痛めつつも麗奈の価値観に共感したり、
相反する心情を描いていたので、
最終回の葉月や先輩の描写、または梓の描写はそれに近い、
相反する心情が描かれてる風にも思えるけど、
自分的にはうーんという感じに。

一つ一つの描写を追っていくとこれが描かれていていいなと思うけども、
流れで見ていった時にノイズになる描写が存在している感じというか。
譜面隠し渡したりお守り渡したり、それって必要な描写なんだろうかとも感じてしまう。
この歪み方が京アニクオリティって感じで、
山田さんもやっぱ京アニの人だなっていうのを強く意識してしまうところかな。

吹奏楽部ものってことで原作も凄く良くて楽しみだったし毎回面白い。
楽器の描写の仕方も凄いアニメだったし、
涼宮ハルヒからまた違った青春モノということでその変異が興味深くもあったけど、
ちょっと消化不良という感じだったかな。
まあこの感じが青春の苦味だっていうものアリかもだけど、
ちょっと戯言すぎてそうは思えないかなという感じ。
2期があるならぜひ見たいし、凄く楽しみだけども、終わるときはスッキリ見終わらせて欲しいかな。

とりあえず他の京アニ作品の感想書きつつ、
見直しながらもう少しユーフォについては考えていきたいところです。


コメントを投稿