流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

響け!ユーフォニアム2 第三回 を語る

2016-10-20 21:14:44 | <響け!ユーフォニアム2>




人物ワイプ。
久美子の前を歩く人物はあすか先輩ではないけれど、
先輩の去っていく姿を追う久美子の視線と合わせて、
その目の前の人物は約束をした時のあすか先輩ではなかったか、
みたいな妙な繋がりを感じるカット割りで気になりますね。
今回は普段と一風変わった割り方が目立っていたように感じたかな。









今のところ、2人で吹いてください。
1期12話から続く話をここに持ってくるかーというか。
久美子の喜びの表情のアップや各キャラの祝福の表情から、
久美子の喜びを噛みしめるカットへ、
とここで流れが一旦切れるかと思いきやそのカットは麗奈の視点だったとなる驚き。
麗奈は単純に上達したという事実の祝福ではなく、
その上達したという喜ぶ姿を見ているところが面白いですね。
キャラクターを垣間見ているのは視聴者だけではないという意外性が強く、
また麗奈が何を見ているのかっていうのが明確でグッときますね。
久美子の後ろ姿を見ているのは恐らく秀一あたりになるんでしょうが、
1期12話で上手くなりたいと叫んだ久美子の背中を見る姿とも掛けたショットなのかもな、
とも思えたり。まあそれはどうでもいい話でしょうか。
響け!ユーフォニアム 12話 を語る



ロボットが吹いてるみたいなんだよ。
麗奈の視線の後に誰の視点でもない、
鎧塚みぞれが見ているはずがないショットを入れてくる冒険心というか。
オーボエという楽器の美しさを描きつつ、そのうつむいた時にしか見ることのない視点が、
その場での鎧塚みぞれの心情を描いているのかな、と。
機械でもいいという観点からオーボエの出す音色への言及でもあるのかな。
オーボエの音でしかないというか。
このシーンの一連は誰かの視点であろうとするショットが多い気がしたかな。





お風呂。
久美子が服脱ぐ辺りはちょっとFree思い出す感。
パロディ感あるかも、みたいな。
みんなに久美子の肉体美を見せよう!で見せ切らない。
そして麗奈は久美子視点でアッサリ行くと。
こういうタメの作り方は嫌いじゃないですね。



麗奈の表情が浮かんでくるのも1期12話思い出すかもな、とか。
割りと三好回を意識した感じだったのかもしれないなーと思ったり。
あすかが話しかけた辺りでPANしたりとか、
奔放な見せ方が新鮮でしたね。
心ここにあらずが一瞬にして引き戻されるというのが1ショット内にある楽しさですかね。
天井の光で時間経過を見せたりとか、今までそういう見せ方してたかな、
という新鮮さもあって楽しいかなと。





狭い。
割りと攻めてる感じがするかなぁ、と。
二年生は二段ベッドなのね。



ここの武本さんっぽい感。
さまざまな背景を背負った感じとかでよく使ってますよね。



ちょっと舞台的な。
引きのアングルで室内を見せることで互いの心理的な面を描きたかったのかなとか。
みぞれの狭さとフルート先輩の小奇麗な感じが印象に残りますね。
部屋を見せるっていう観点では久美子や1期の部長の部屋とか、
ああいったシーンとは違った奥行きを潰した感じが印象に残る感じかなぁとか。



捨てにいったら?花火。
滝先生へ聞きに行ったらと促すところでこのセリフはいいなと思えたな。
直前で花火を捨てに行ってる他生徒を見せているので、
上手いこと映像での語りと合致した感があるかなと。
この辺は池田さんの作監かなっていうのがより強く感じるシーンだったかも。





背景を背負う。
なんですか、これ?という滝先生の登場のインパクトも今や昔と笑う生徒、
先生に好意を向ける生徒、そんな中でまたひとつ重い真実を受け取る久美子。
先生をめぐるドラマは数あれど、その反応のどれもを知っているからこそ響くものがあるわけで。
そういう久美子の背負ってしまったものっていうのを描き出している風だったな、と。
あとここは久美子の演奏を見る麗奈の視点っていうのを反転して久美子が見る麗奈、
っていうのもあるのかなと思えたりも。

あと今回はPAN多いけど、1カットで多くの内容を見せるのに使っているという感じで、
以前コメンタリーか何かでやたらFIXやカット割りに拘るのやめてPANで見せて、
みたいなコメントが有ったように記憶してるんですが、それの反映なのかもしれないと思えたり。
それでもカット数多いように思えるけど。



ちょっと泣きそうだったよ。
アニメの泣きってちょっと大げさで、涙ぐむ、涙を浮かべるがやや大げさになりがちで、
コーチのように何かを思い出したときに涙が浮かぶっていう具合はリアリティあるように思えたな。
使い所が難しく今回もその浮かべた涙の行方をはぐらかしているけれど、
非常に新鮮なシーンに思えたな。





洗面台の前。
鏡が前にあることは描かれていますが、壁に映り込んでいるようにも見える、
ちょっとした騙し絵のようにも感じるカット。
虚構感のある絵面が滝先生の真実を隠蔽したことを意識させられるような感じなっているのかなとか。
絵面が強烈なだけに惹きつけられますね。



オバケ。





優子の表情付けなんかは入っていきやすい感じがするかな。
久美子に対していけ好かない後輩に会ったと不快そうにアゴで合図出したと思ったら、
ちょっと距離感のある表情で生の感情を引き出そうとしてみたり。
そういうコミュニケーションを取るときの、
言葉を投げかけるときの表情が受け取りやすく感じたかなというか。
付いてこいと指示をだすのは強気に、聞きづらいことは相手を見ずやや距離を置いて防御、
みたいなところがあるせいでしょうかね。









印象的な絵を見せようみたいな感。
優子が座ったその位置は今のコンクールで勝ち得た席、
今の北宇治の立ち位置そのものなのでしょうが、
次のショットでその左側の椅子は印象が薄くなり、また優子の左側の席は開いている。
今回はPANで左右を意識させる絵が何度か登場しましたが、
ここはカット割りで意識させられる左右という感じだったかな。
結果が良かったから納得している、というのは結果を出せなかった時の消失にほかならないわけで。
そうやって結果が出せなかった時というのを切り捨てていくのがコンクール、
っていうのを優子の左側の席から感じてくる絵だったかな、と。



手前にくるほど豪華になる。
如何にして手前の席に座るか、っていうのがそのまま順位の話になっている、
っていうのをこうやって描くのかっていうのが面白かったです。
綺羅びやかに描かれることで、その内側にある繊細さが描き出されているようで好きですね。
またここでPANして見せてるのも引っかかるところかな。
望遠の絵でボカして見せて儚い感じを作りつつPANで作り物感のある絵であるのが強調される感じで。



1期で手前に障害のある絵っていうのが優子関連で目立っていた気がしたけど、
ここ一連はそれを踏襲した演出だったのかもしれないと思えたかな。
久美子が優子から見たら右手奥にいるのも障害としての後輩という心理的な配置からかもな、みたいな。
響け!ユーフォニアム 10話 を語る
響け!ユーフォニアム 11話 を語る

優子が久美子たちの考え方、上手いほうが吹くべきっていうのを肯定的に捉えていて、
1期の久美子と麗奈の悪になろうという態度が結果的に受け入れられてきているのが興味深いところで。
個人的には久美子たちを悪者のままにしたくないからっていうのがあるのかなとも思いますが、
全国という舞台を目指すために必要なこととして位置づけられることで、
部員たちとの繋がりをより強くしているようにきちんと描いているので好印象という感じ。
個人的には1期の尖ったところが好きですけどね。



夜明け。
障子ににじむ朝の光が印象的でしたね。
眠れずに過ごした夜が明けていく感じが好きなので。
やはり朝が特別な時間のように思えるのが好みですね。





この辺も木々の描写が美しくて好きですね。
新鮮な気分で見られる朝がやはり魅力的に見えます。



階段を上がって。
個人的に階段を上がってくるカットと言えば氷菓 12話のアバンが好きで(小川演出回)。
あのシーンは月光で光る地面が非常に印象に残ってるんですが、
ここは朝の差し込む光が印象的なので個人的に氷菓と対になるカットかもなと思えたりなど。
氷菓 12話 を語る
今読み返したら特別言及して無くてアレ?と思うなど。









丘の上で吹くっていうのは1期の山村回の麗奈を思い出しますね。
響け!ユーフォニアム 3話 を語る
黄金に輝く舞台での演奏が非常に印象的です。
あすかの姿を回り込んで見せるのも背景の見せ方もあって異化作用もあり、
またこれまでと違った見せ方をさせていて、
よりあすかの内面へと踏み込む軌跡になるようなシーンになっていたかなと。
前回の引きがあすかのユーフォだったのがここに繋がってきていて、
その引き方に偽りがなく、正しくあすかの回だったように思わされるのも面白いところで。
ある意味、久美子の背負う最後の対象としての姿でもある分、力の入った画面だったのかなと思います。



そして次の曲が始まるのです。
黄金色から青空へ。
次回がまたどんな回になるのか期待させられます。

脚本:花田十輝
絵コンテ・演出:山村卓也
作画監督:池田和美
楽器作監:高橋博行

山村回。
最近は劇場作品でも絵コンテ切ってたりと大活躍な方ですが、
またユーフォで色々やってくださってるなという感が。
あと最近は小川さんとかあまりローテで入られていないので、
小川さんのユーフォも見てみたいなと思えたり。
個人的に三好回でやるのかなと思っていたことがここで出たりしたので、
三好回は何をやるのかなとか色々な楽しみも生まれた回だったように思います。


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