
posted with All Consuming at 2008. 6. 1
今回は一気に読まされた。
やっぱ琴吹さんが出ると違うねぇ。寿ってことなんだろうと思ってます。
名前からキャラクター像を想像するのも楽しいものです。
「白い結婚」「友情」と個人的に最近気になるポイントが出てきたのも楽しめた要因かな。
個人的にシリーズ読んでて、心葉と遠子の距離感をどんどん離していってる気がしてます。その分、徐々に琴吹さんに気持ちが傾いていってるのがわかる。だけどおいしいところを持っていくのはいつも文学少女で・・・。ちょっとアンバランスに感じるんですが、そうすることで心葉の中の無意識の部分を抉り出していくのが最終巻なんだろうと思います。小説をなぜ書くのか、なぜ書かないのか。そこを浮かび上がらせるためにはどっちつかずな危うさが必要だったのかと。まあ、これは過去の美羽との話が遠子に置き換わっただけだとも思いますが。なぜ小説を書いたのか?そこに回帰するのかなぁ、と。
正直、今回は本当にどんでん返しだったと思う。
自分としては心葉は作られた陽だまりを切り捨てて琴吹さんのところへ行けよというか、そういう読み方になっちゃう。卒業がある種のテーマになってると思うんだけど、一体誰がどこから卒業するのかってのが重要なんだろうなぁ。卒業というと長い間生活に溶け込んだ空間から抜け出ることだと個人的に思ってるので、琴吹さんが幸せになるような展開を期待していいよね?と思います。
なんで琴吹さんに拘るかと言えば、文学少女との対比にある。
琴吹さんは恋愛感情として、相手から自分の気持ちにこたえて欲しいと思ってる。
対して文学少女は心葉をどうしたいのか?読んでる分には心葉の居心地の良さしか伝わってこないし、文学少女が心葉に求めているものが具体的に見えてこない。「無垢」というものに抵抗がある自分としては、そこに座りの良さを読んでて全く感じないんだよなぁ。だからお互いが通じ合えているカタチが見えてくる琴吹さんを求めてしまうというかね。
今回読んで文学少女に幻滅せざるえないのは、結局文学少女が想像した井上心葉しか必要としてなかったということがわかってしまうから。お母さんみたいな小説を書いてくれるかもしれないという想像。生きていくために必要なのか、色々と伏線はあるけど今のところ身勝手な部分が浮かび上がっただけで結構痛い。そこにオタクと通じるものを見てまた痛々しくなる。作家はオタクをどう救うんだ?とか変な見方をしてみるのもいいかも。こう考えると最終巻が楽しみになる。どうでもいいけど。
まあ、こういうこと書くのは下巻を読んでからにしろよと言われそうだけど。
せめて最後は気持ちよく読めればな、と思います。
どうでもいい話をついでに書くと、このシリーズの「文学少女の想像が事件を解決する」っていうのは涼宮ハルヒが世界を創造している、ということに似てるなぁ、と思いました。文学少女が想像することで事実が浮き彫りになっていくってのは、彼女が想像したことによって創造されたものと言えないことも無い部分もあるんじゃないのかなぁ、と思ったもので。具体的な言及はできないんでこれも想像ですが。
どうでもいいけど、ライトノベルは色々な要素を詰め込めるハイブリットなジャンルだと思ってるんですが、自分が気になるジャンルは学園ものから抜け出ないなぁ、とその辺をちょっと気にしていたりします。
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