平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

ダライ・ラマと村上和雄先生の対談(『致知』2005年6月号より)

2005年05月11日 | 最近読んだ本や雑誌から
今年4月にダライ・ラマが来日しました。10回目の訪日だそうです。そのときに、遺伝子研究の村上和雄先生と対談をなさいました。

村上先生がダライ・ラマと会うのは3回目だそうです。最初は2003年に東京で開かれた仏教者と科学者の対話でした。この時は、ノーベル物理学賞の小柴先生も出席しました。2回目は昨年10月のダラムサラだそうです。村上先生は仏教者と対話する8人の科学者の中の一人だったそうです。3回目の今回は熊本市のホテルでの対談となりました。

最初に村上先生が、ヨハネ・パウロ二世の逝去についてダライ・ラマの感想を聞きました。ダライ・ラマはこう答えています。

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ローマ法王が亡くなったと知った時、大きな喪失感に襲われました。法王と私は生きてきた環境がとても似ているのですね。ローマ法王は全体主義政権下の祖国ポーランドで抑圧を受けながらお過ごしになりましたし、私もまたチベット本国が中国の侵攻を受けて、1951年から59年までの間、その厳しい抑圧下にいたという経験を持っています。このように歴史的に共通の背景を持っていることで、最初から親近感を持っていました。
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ダライ・ラマは次にヨハネ・パウロ二世の功績を3点あげています。

(1)平和への貢献
(2)精神的な面の強調
(3)他宗教との対話と協力

しかし、ダライ・ラマは、ヨハネ・パウロ二世とは考え方が必ずしも一致しない点もあった、と率直に語っています。(以下続く)