平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

経済学、経営学は基本的に間違っている(月刊『Hado』2005年5月号より)

2005年05月04日 | 最近読んだ本や雑誌から
筑波大学名誉教授・小林弥六先生の言葉

 アダム・スミス以来の経済学の根本思想は、水も空気も無機質で生命や心がなく、かつ、無償で無限だというのが前提です。
 本来、経済学のなかには、環境問題と資源問題はありません。環境問題も80年代、90年代以降、多少は取り上げられるようになってきました。
 環境経済学というものがありますが、どうも全体としてのイメージに穴がありますね。これは市場の売買や、市場につく値段を軸として動くことで、最適な経済運営ができるという信仰です。これは政・経・社会のリーダーたる面々の、耳目を疑わんばかりのモラルの低下と結びついています。
 つまり、西欧の「私悪=公益」、エゴイズムが公共の益になるという理論は、経済学の至上命題です。・・・
 つまりエゴイズムが満足すれば、全体としてバランスがとれる、公益になるというのがアダム・スミス以来の近現代の経済学の根本前提ですね。
 ところが、アダム・スミスや、現代ではフリードマンらが唱えるように、私悪が公益になるなんてことは絶対にあり得ないんですね。このことは学術的に証明できます。
 個々の人々や企業が、欲求のために悪を犯し、ほかを潰しても奪いたいという欲望や貪りをして、全体が良くなることは絶対にあり得ないのです。
 この考え方が、地球の破壊の根本原因であり、人類社会の破壊の原因になったわけなのです。(28ページ)