仔羊の回帰線

詩と散文のプロムナード :Promenade

* ホフマン より

2023年01月07日 09時25分29秒 | ギャラリー:世界の文学 Ⅱ

    或る書によれば、想像力に恵まれている人は 海の潮のように高まったり引いたりする情感を持ち合わせている。 次第に高くなる上げ潮の時は 夜が始まるとき。そして 目を覚まし一杯の珈琲を飲んでいる朝の時間は 引き潮の時にあたる。  それ故、この時間帯はいちばん頭の冴え、最も重要な要件に利用するがいいというのである。                         *- *-  (((    *

        Hoffmann: Prinzessin Brambilla : ホフマン                            メルヒェン 「ブランビラ姫」第五章 より
 これは17Jh.世紀のローの謝肉祭を背景にした仮面喜劇。

 おお イタリア!.. 太陽の国 !                                
  カーニヴァルの季節ともなれば 羽目外し                    仮装が華やかに跳ね回り  これぞ妖精の世界: 

   そこでは自我より 非自我が産まれ   存在の苦悩が歓喜に変容する:  

この国の  この自我に 明るく澄みわたる空も加わり              一組の若き男女が契れば 真理は彼らを照らす 

    夢の世界 生への覚醒だ!..  そして                    聴くは 巨匠の神秘なる音:   万象も その音に聞き惚れ 沈黙する   すると 天も輝くや 森も泉も ざわめきだす 

 おお 歓びに満てる国よ 

  憧れが おのが姿を 愛の泉に映しだすと                   新しき憧憬が手にいり 水も沸き立てば                     やがて 歓喜も極まり 炎となり戯れるのだ

  おお 汝 歓びに満てる國よ !...


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