難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者の関係性の障害について(3)

2011年07月05日 20時32分33秒 | 要約筆記事業
多くの難聴者が要約筆記者に親しみを感じるのはなぜか。話の内容を書いて伝えてくれるからか、筆談に応じてくれるからか、聞こえないことを差別しないからか。
それは、難聴者が家庭や地域、職場の中で失っていた人とのつながりを求めているからだろう。

要約筆記者に話しかけちゃうのは要約筆記者をサービスを権利として使うまで意識が高まっていないからということではさらさらなく、障害の受容や自立性とかは別のもので、自分の気持ちをくみ取ってくれそうな人、人とのつながりを持てそうな人を直感的に嗅ぎ取っているのかもしれない。

要約筆記がコミュニケーション支援事業として提供されるなら、難聴者の関係性の改善に要約筆記者は話し相手になるような直接関わらない。難聴者が話している相手とのコミュニケーションを成立させることで貢献する。

ろう者は地域社会に手話で話せる人を無数に増やす(公費で「養成」されている)ことで、地域との関係性を持ちやすくしている。行政では「社会参加促進」と言っているがろう者側から見れば手話で近所つき合い出来る人のことだ

難聴者は要約筆記者を増やすことになるのか。
手話の場合は手話で話せる人と手話通訳出来る人を分けて養成している。要約筆記で通訳できなくても筆談できる人を増やすことになるのか。
要約筆記者養成事業が始まるいまそのあり方を難聴者のエンパワメント、セルフアドボカシーの力の養成、関係性の強化と言った視点でも考えねばなるまい。

ラビット 記

難聴者の関係性の障害について(2)

2011年07月05日 19時55分16秒 | エンパワメント
人と関わりにくい障害を持っている難聴者にどのような支援が考えられるか、考えてみた。

まずは、1対1でもグループの中でもきちんとコミュニケーションの出来るようにすることが第一だろう。
正面から向き合う、静かな場所で話す、筆談や手話で伝える。要約筆記や手話通訳を利用する。
相手にあった方法を状況に応じてその都度選択する。
少しづつでも確実なコミュニケーションを積み重ねることが大切だ。
コミュニケーションが出来たこと(成就体験)の積み重ねが自分に対する自信になるからだ。

その次には、難聴者に接する態度が重要だ。聞こえないことに引け目を感じさせないよう、相手をそのまま受容する態度を示さなければならない。それは笑顔だ。障害を持つ相手と接するには対人援助技術が必要になる。

難聴者対象の手話講習会も青年部の茶話会も協会の例会は関係性を改善するのに良い機会となる。同じ難聴の人と接することは親しみが持てるからだ。自分の殻に閉じこもっていた難聴者が他人と話を始める。社会の中で失われていた人とのつながりを持ち始めたということだ。
同じ仲間との関係が深まればそれは次第に家族や友人、同僚、地域の人と広がる可能性がある。

講師や助手、リーダーは、難聴者の自立の観点からその集まりの目的と効果を理解していればより豊かな支援が出来る。

ラビット 記

難聴者の関係性の障害について(1)

2011年07月05日 18時56分37秒 | 福祉サービス

昨日の講演の中で、聞こえない・聞こえにくいという障害の特徴を話した。
音情報入手と人とのコミュニケーションが困難という他に人との関わりが難しいことだ。

関わりが難しいということはこれまでも「引っ込み思案になる」とか「人付き合いが消極的になる」というように語られていた。
しかしこれでは個人の性格の問題になってしまい、「障害」とは受け止めにくい。明確に「関係性の障害」と示すことで支援の必要性、支援方策などの課題が出てくるのだ。

関係性の障害であれば、人とのきずなや社会との関わりが持ちにくい精神障害者や発達障害者、高齢者との共通の支援方法があるはずだ。
足腰が弱って外出がおっくうになる、新しいことを覚えにくく人との関わりを避ける(関係性の障害)高齢者にはデイサービスやコミュニティセンターまでの送迎バスのサービスまであり、生活支援員やPSWの相談員もいるのに比べ、難聴者にはそうした支援は皆無だ。

ラビット 記

JDF報告会「被災障害者支援活動の現状と復興の課題」

2011年07月05日 12時12分08秒 | 東北地方太平洋沖地震
7月13日(水)13時~16時に政府、政党も参加して、JDFの「被災障害者支援活動の現状と復興の課題」と題して報告会が行われる。(全難聴事務局より)
インターネット中継をして欲しい。
ラビット 記
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関係各位
被災障害者支援活動の現状と復興の課題
― インクルーシブな社会への新生に向けて ―

2011年3月11日の東日本大震災後、4か月を経た今も、被災地の障害者は困難な状況に置かれ続けています。JDF被災障害者総合支援本部の活動を中心に、被災地の障害者支援活動の現状を報告するとともに、今後の復興計画を見据えながら、復興に向けた課題を探ります。

■日時:2011年7月13日(水)13時~16時
■場所:衆議院第1議員会館多目的ホール 
(東京都千代田区永田町二丁目2-1)
■主催:日本障害フォーラム(JDF)
※手話通訳、要約筆記、点字資料あり
■プログラム(敬称略・順不同)
 黙祷
1.主催者挨拶 小川 榮一(日本障害フォーラム代表/JDF被災障害者総合支援本部長)
2.政府挨拶
3.各政党挨拶
4.JDFの障害者支援活動の報告
・JDF総合支援本部の活動について
藤井 克徳(JDF幹事会議長/被災障害者総合支援本部事務総長)

・みやぎ支援センターから  
 阿部 一彦(JDFみやぎ支援センター 代表/
被災障害者を支援するみやぎの会 代表)
 小野 浩 (JDFみやぎ支援センター 事務局長)

・支援センターふくしまから 
 白石 清春(JDF被災地障がい者支援センターふくしま 代表)
 和田 庄司(JDF被災地障がい者支援センターふくしま 事務局長)

5.障がい者制度改革推進会議での検討状況 
東 俊裕(内閣府障がい者制度改革推進会議担当室長)

6.JDF構成団体・関係団体の支援活動から(指定発言)
・JDF構成団体より
・協同、連携団体より

7.今後の復興に向けた要望  
 森 祐司(JDF政策委員長)
※プログラムは変更する場合があります。
参加申し込み・問い合わせ
JDF事務局 FAX:03-5292-7630 
電話:03-5292-7628 
E-mail: jdf_info@dinf.ne.jp
※お申し込みは、下記にお名前、所属のほか、備考欄に、情報保障(手話・要約筆記・点字など)ご希望の有無等必要事項を添えてお送りください。

ご所属               お名前               

備考等