難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

左右の補聴器の聴力検査の結果

2007年08月28日 23時09分44秒 | 人工内耳

070827_1553~001.jpg両耳に補聴器をして、聴力検査を受けた。
防音室でスピーカーから出てくる単音、単語、文章の三種類を聞くのだ。

両耳、右だけ、左だけと何回も集中して聞くのでとても疲れる。

両耳の単音聞き取り 25.7%
右の単音      30%
右のあとあ行の2音  42%
左の単音      25%
右の単語      68%
右の文章      88%

ドクターによれば、左の単音が思ったより聞こえていたとのことだが、曖昧に聞こえるのでこれかもというオンを書いたので、まぐれかも知れない。はっきり分かったというオンだけ書いたら、数%になっていただろう。
右の「ア」と「ア行の音」の2音の聞き取りはほとんど同じに聞こえたのでそのまま書いておいた。

文章は、最初のオンが分からなくても、次のオンや次の単語によって分かる場合がある。そのためには、判断できなかった言葉のオンを記憶している必要がある。

070827_1552~001.jpg左右に補聴器をしているとトンネルの中にいるように、音が反響して聞こえる。ドクターに左からこれだけ音が入ってくるのは初めての経験なので、頭の中で一緒に聞こえてくる左右の音が処理できないためかもしれないと話したら、実際に脳に時間差で届いているのかも知れないとのことだった。

左の補聴器は両耳の時はボリュウムが2だったが、左だけで単音検査をしようとしたら、ほとんど聞こえなかった。それで2.5まで挙げて検査をした。両耳の時の右の補聴器のボリュウムは3だったので、左は聴力があるのかないのかわからなくなった。

ドクターとの対話では、左耳が予想以上の結果だったが、左耳から補聴器で出来るだけ言葉を聞き取らせて、次回の検査ではどのくらいの効果があるか、人工内耳の選択はもう少し検査をしてみてからということだ。

「聞き取りの良い右耳に補聴器をして、左耳は補聴器か人工内耳をすることで、右耳の負担を減らす必要もある。」、「左は、人工内耳をするしないに関わらず、言葉の聞き取りをした方が良い」ということだ。「脳の言語野の関係で左に人工内耳をするという説もあるが、定説ではない。」、「これまでの経過から進行性の難聴なので、聴神経が機能低下しないうちに、時間に余裕がある今のうちに人工内耳をするという選択肢もある。」

ドクターとしては人工内耳の手術をしたいのかも知れないと思いつつ、当事者、言語聴覚士、補聴器調整技師、それに第三者を加えて、検討できる体制が欲しいと思った。

ラビット 記




人工内耳の適応の前の補聴器調整

2007年08月28日 22時57分01秒 | 人工内耳

070827_0553~001.jpg人工内耳適応の判断をするために、補聴器装用での聞き取りの効果を確認することになっていた。

昨日27日、大学病院に行き、補聴器販売店の人に今日の診察の目的と書いたメモを見せた。
補聴器の調整をどうするかみたいなことを言われたので、ドクターや言語聴覚士から治療方針の説明が行ってないのかと思って、待ち時間にあらかじめ書いておいたものだ。

「今日の診察の目的
1)補聴器検査の目的の確認
2)装用中の補聴器の確認
3)補聴器装用の目標の確認
①両耳装用
②言葉の聞き取り改善
③左右の聴力の相似性、相違の確認
④その他(スケジュールなど)」


070828_1342~001.jpg説明しようとしたら、ドクターが入って来て、人工内耳の装用を検討しているがその前に補聴器を使ったことのない左耳で効果を確認したいと考えているとか説明された。
そのうち言語聴覚士も入って来て、聴力検査をすることになったと、左だけにするか右もかという話から、今使っているカスタムと耳かけ型は中の処理用ICが同じなので変わらない、いや両方同じ耳かけ型で試してみようということになった。

ドクターがメインでSTが検査、販売店技師が補聴器調整と役割が分かれている。
もっと事前に連携が取れているのかと思ったが、ドクターも忙しく補聴器販売店技師も常駐ではなく、結果的に当日ドクターの指示となった。
(続く)

ラビット 記

最初の写真は、予約を取るために家を出た時の日の出
2枚目の写真は、勤務先のコスモス



大学病院の補聴器販売店ごとの対応は難聴者に不便

2007年08月28日 09時22分08秒 | 人工内耳
070828_0831~001.jpg昨日27日、大学病院に行き、補聴器販売店の人が来ると聞いていたが、1週間の診察スケジュールのプレートにも堂々と販売店の名前が入っている。

言語聴覚士が幾つものメーカーの補聴器の調整方法を習得するのは大変かも知れないが、患者から見るとメーカーの縦のラインナップから選択するしかない。重度難聴用補聴器はそのメーカーに何種類もあるわけではないので選択枝が限定されてしまうからだ。
出来れば幾つものメーカーの重度難聴用の補聴器を聞き比べたいが出来ない。
これが公的な補聴器センターの必要なゆえんだが一考を要するのではないか。

患者=難聴者の立場で、医療としての補聴器試聴が出来るシステムを求めたい。一案としては、日本耳鼻咽喉科学会なり、補聴器業界も参画した形で補聴器の統一的試聴、調整の出来るセンターを設け、そこから各病院に貸し出す形はどうだろうか。
医師の管理下で言語聴覚士や補聴器調整技師との連携で補聴器の試聴と効果を見ることが出来る。


最初に、「補聴器を外すと全く聞こえないので、筆談して下さい」と書いたノートを見せた。
筆談ボードも用意がなく、私のノートを見て戸惑ったふうで胸ポケット小さな紙を取り出した。

そんな小さな紙では筆談は出来ないだろう。これまで補聴器を必要とする難聴者とどうコミュニケーションしていたのかと心配してしまう。

070828_0837~001.jpg補聴器を装着して、「どうですか、聞こえますか」と聞いてきたのにも驚いた。
たった今付けたばかりだ。「今付けた補聴器はこういう特徴を持っています。毎日の生活はどうしていますか、テレビを見ますか」とか、会話を発しながら、聞き取ってもらう必要があるのではないか。
それから、聞えはいかがですかと聞けばどういうことを言えば良いか分かる。

また、聞こえを表す表現を利用者と調整者が共通語を持たないとコミュニケーション出来ない。
「キンキンする」、「声が割れている」、「シャシャリ音がする」、「反響している」、「トンネルの中にいるようだ」、「こもったように聞こえる」。共通語の表現例があるのか聞いたところないと言う。
まったりとした聞こえだと言われたら困ってしまうだろう。

補聴器と難聴者組織の関わり方もまだまだ弱い。

ラビット 記