難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

日本の著作権法の障害者対応は国際的にも遅れている

2007年08月02日 20時36分22秒 | 権利
070611_2150~001.jpg070729_1105~002.jpg2007年5月16日に開かれた文化審議会著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第3回)で、障害者放送協議会著作権委員会委員長井上芳郎氏が意見を述べた際の資料が公開されている。

「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」意見発表資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07051627/004.htm


冒頭、井上委員長は日本の著作権法における障害者への配慮が国際的にも遅れていることを指摘している。
それは、視聴覚障害者以外の障害者のことに一つも触れていないことからも分かる。

デジタル化で、著作権者の保護が強化される一方、障害者のアクセスが困難になっている。本来なら、技術の発展で障害者のアクセスが利便にならなければならない。
著作権法の目的は、文化の共有であり発展であるはずだ。


ラビット 記



「より良い聞こえ」を求める難聴者と医療の保障

2007年08月02日 12時08分46秒 | 人工内耳
070730_1014~001.jpg070731_0843~001.jpg難聴者は、「より良い聞こえ」を求めて、治療を受けたり、補聴器具を利用する。

大学病院の診療を受けるには、他の医師の紹介状が必要である。なくても受けられるが、5000円だかの負担がかかる。
またセカンドオピニオンで診療を受ける場合は保険がきかない。全額自費になる。

難聴の患者が治療に来れば医耳鼻科医師は「良く聞こえる」ように治療をするだろう。

難聴者の「良く聞こえる」というイメージは、聴力はもちろん、今の生活におけるコミュニケーション状況により異なるし、家族構成や生活スタイルにも影響がある。
医師の「良く聞こえる」と意味が異なることは有り得る。


問題は、そうしたことに親身に相談にのってくれる耳鼻科医がどれだけいるのか、多忙な診療の中で時間を割けるのだろうか。

これは医療ソーシャルワーカーMSWの役割だろうか。医療カウンセラーとか医療ケースワーカーとかの仕事かも知れない。


人工内耳を装用するにあたって、大阪大学医学部耳鼻咽喉科言語聴覚士の井脇貴子先生が的確な考えを示している。
http://www.bionicear.jp/user/vol4_01.html


難聴者は、難聴者の立場に立って考えるすぐれた言語聴覚士、オージオロジスト、補聴器販売店、耳鼻科医の助言、指導を得ることが重要だが、現在は「巡り合う」に任されている。

「巡り合い」ではなく、きちんとした医療、診察を受けられるような「制度」でなくてはならない。
健康で文化的な生活は権利なのだから。

ラビット 記