感動としあわせの家づくり物語

岡山県倉敷市の工務店「林建設」の大工職人「林俊文」が仕事で感じた「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていきます。

家づくりの現場に過度な掃除や整理整頓を強要しない

2014-02-01 23:50:32 | 家づくり職人物語
週末の土曜日でありながらも月初めの複雑な一日。

そんな土曜日の朝は会社でデスクワークと今日の作業に使う木材の加工をして準備を整え出発して、先ずは「しんちゃん」が工事を行なう岡山市北区の外構工事現場へ立ち寄ります。

昨日の状態で工期に間に合いそうにないと今日は「小野くん」もこちらの現場に来てもらい二馬力での工事進行ですが・・・

現場の状態は今日で上げるには厳しい状態に私も少しの時間ですが現場で外構工事を手伝う事に。

ブロック100本程と8m程のフェンスの取付程度の作業でなので工事自体は十分に終わりそうですがは在りますが、何が一番時間がかかるかと言えば・・・

最後の片付け・清掃。

特に左官道具は使用したモルタルなどが道具に付着しているので洗い物に時間を要します。

中にはモルタル仕事を片手間で行なう大工さんなどはこの洗い物の作業をせずに道具をボロボロにしている人を見かけますが、此れは悪い例。

一度きりの使い捨ての道具なら兎も角、何度も使用する道具は綺麗にしておくことは大工道具と変わりない筈。

現場でお客さんに見られて恥ずかしくないように常に道具は綺麗に手入れしておくことは職人としての最低限の心得であり、道具を大切にしない職人さんに腕の良い職人さんは居ないと言われる程に道具の手入れは大切な事。

「現場が綺麗な職人が良い職人」と大手ハウスメーカーやパワービルダーに出入する建築職人が多いだけに、其処で「現場の整理整頓」を教育される現在の建築事情なだけに、一概に現場の整理整頓の具合だけでは職人さんの技量は測れないのが現状。

本来、「現場の整理整頓や掃除」などを強要させなくても腕の良い職人さんの現場は放っておいても綺麗なもの。

強要されて「綺麗な現場」と効率を考えて材料や道具を配置した上で「綺麗な現場」とは似ている様で全くの別物。

先は少し作業をすれば直ぐに乱雑になってしまう事が多く、後者は幾ら作業をしても綺麗なままの現場を維持する事ができるのです。

私も十数年前に某大手リフォーム企業の下請けで仕事をした事があるのですが、その頃もお客さんや近隣へのご機嫌取りの為の「整理整頓」を随分と言われたもの・・・

当時、内心、「この会社、大丈夫なの?」と思っていましたが、結局はその会社から仕事も3~4年ほどで卒業。

現在では何年か前にメーカーの名称が統一されたようですが、当時から続けている電気設備屋さんから話を聞くと・・・

ますます、ご機嫌取りの「整理整頓」に拍車がかかり、かなりのルールが設定され仕事どころではない様子。

そのルールの中でも驚いたのは「ひと作業すめばひと片付け」や「タバコは現場から100m以上離れて吸う」などの過剰なルール。

賃金も変わらず、工期も伸びないなかで、そんな事をしていたら時間もお金もかかります。

職人さんも人間、家族があり家族を養う為に働くのですから、自らや家族への時間やお金を割いてまでルールを守る人はいる筈もなく・・・

つまり、「整理整頓」で使った時間とお金を取り戻す為には作業の方で取り返す事になるという事は、仕事の方で解らないように手を抜いていてもおかしくはないのです。

と、色々書きましたが、要は元請業者側の都合だけで強要した「整理整頓」には余り対した意味はないという事。

職人さん自身が作業の効率を考え、良い仕事を行えば自ずと綺麗な現場になるのが道理。

写真は「まっちゃん」が工事をしていた総社市総社での増改築現場。彼には一切、「整理整頓」を強要してはいないのですが、とても綺麗な現場になっています。

材料も使う順馬が後のモノが下に置かれ、早く使う材料が上になる様に重ねて置いています。こうして置くことで重ねた材料がバラバラとせずに足場がない程に現場が散らかる事はありません。

材料の配置する場所も仕事を知らない人は壁際などに配置してしまいがちですが、実は部屋の真ん中辺りに材料を置いておく方が効率的。

壁面の造作をする時にいちいち、配置してある材料を交わしていては時間の無駄ですからね。

腕の良い大工さんなら材木なども如何にロスが出ないように使うかを考える為に端材などが少なくて済むので廃材も少ないのです。

是れらを自主的に行える職人さんはいる様で余り多くないのが現状。

特に言えば直ぐに現場が狭いだからと言い訳する職人さんも大抵が仕事が雑、本来は少し仕事を解っていれば狭いスペースを有効に利用できるのですから・・・

余りにも乱雑な現場は致し方在りませんが、あまり過度な「職人教育」や「現場教育」を強要する会社は結局の所、仕事の受注するのもお客さんに対して強要していることに成っているようです。

私たちはそんな数字を追った「家づくり」に手を出さない様にしなければ・・・

一本の木から始まる感動としあわせの家づくり物語 林建設 林俊文

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