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活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

令和2年第1回目滝乃川学園児童入所施設部2寮でのケース会開催~組織単位で安定して療育を提供できるシステムを~

2020-07-27 | 滝乃川学園
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


半年以上、2回の会議をコロナで休止し、7月からようやく開催できました。

今年は通年より1回減らし、会議は3回+プランナー育成実地指導1回という形です。


今回は、1つの寮では新しい利用児童をケース会に取り入れ、代わりに1名をプランナー(滝乃川では2つの児童入所ではそれぞれ2名プランナー(ABA担当者)がいます。すごいでしょ?)に任せ、質疑応答のみ対応していく形になりました。
施設全体としての成長ですね。

もう1つの寮は、プランナーが総交代で、利用児童は継続という形です。滝乃川でも、別の部署から来た人の多くはABAを知りません。そういう場合には、なぜ療育を行わなければいけないのか、その先に何があるのか、を知ってもらうために、そのようなお話もします。


それぞれの寮にして、年度第1回目の会議は緊張感がありますが、それでも寮の伝統として続いていっているものなので、そこが素晴らしいですね。

一人の熱心な職員よりも、システムとして組織単位で動いている方が、地域密着事業としては大切です。

そう考えると、組織単位で療育に関心をもって、システム化していくことで、療育はさらに普及されていくのでしょう。


一方で、高度な専門性を抵抗することができる少人数、もしくは一人で行動している専門家・専門家集団もいますよね。てんとうむしの個別もしかり、私が代表をしている「ひまわりの会」も一応その枠組みですよね。
それも大切だと思います。専門機関での療育というのは、本当に理想のプログラムを、一人の利用者とその親のためだけに提供する特殊な時間を設定するというものも、それはやはり素晴らしいものです。


その両方が大切ですね。


その両方が融合するために、あくせくしている毎日につかれました(笑)。しかし、その話は置いといて(笑)。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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令和2年滝乃川学園ケース会議開始

2020-07-06 | 滝乃川学園
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


7月1日に移転をし、今は移転した場所でフル回転しています。
細かい文房具や事務用品・調理器具等は、毎日早朝に旧事業所(川崎市多摩区稲田堤)のほうに行って、こまめに運んでいます。
そして、引っ越しの書類整理等、日々そのような業務にも追われています。

しかし、6月30日まで旧事業所で日中活動を行っていましたが、7月1日からいきなり移転、保護者の方の助けもあり、子どもたちが誰一人パニックにならなかったこと。これがすごいですね!
喜んでいる子、何食わぬ顔している子、あたりを見回している子、それぞれでしたが、何の問題もなく、移転した後も皆楽しく通ってくれているので嬉しい限りです。
保護者の助けもそうですし、職員と子どもの関係性がしっかりできていたようで、代表の私としても鼻が高いです。全員に感謝というところですね。


話が引っ越しの話になってしまいそうなので本題に(笑)。滝乃川学園のケース会が今週から再開されます。

最後にお伺いしたのが去年の12月で、本当は3月にお伺いするはずだったので、実に7カ月空いてしまいました。
子どもたちの様子も当然気になりますが、親しい職員が数名配置転換によって、私がお伺いしている児童入所施設にいなくなってしまったので、少し悲しい気持ちもありますが、今年もお呼びいただいたということで、全力で会議をしてきます。

今回は1年の振り返りと、今年の目標づくりと、次回までの子どもの指導プログラム作成ですね。


しかし、時の流れは速く、もう平成25年から通っていますね滝乃川学園には。外部の講師として継続している中では最長なんだとか。

平成25年の冬に講演会に呼ばれ、26年の1月に2回目の講演会を行い(2連続の企画の講演会でした)、その年の5月からケース会が行われています。

当時からいらっしゃった職員は、もう寮全体で4名いるかな?という感じです。

しかし、それはすごいことですね。システムとして受け継がれているということですから。人によって若干左右されますが、良質で、かつ、永続的に続いていくシステムを構築するということが何時よりも大切で、長期的には保護者の願いにもなると考えています。

なので、それをお招きいただいている施設はもちろん、何よりもてんとうむしをそのようにしていくことが願いです。


話は脱線しかけましたが(笑)、滝乃川学園・児童入所施設でのケース会、今週からバリバリやってきます!!!




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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滝乃川プランナー育成実地指導~現場経験者向け~

2019-12-05 | 滝乃川学園
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


ブログの更新が遅くなってすみません。かなり公私ともに立て込んでいて、ブログを本日まで更新できずにおりました。


さて、先日、滝乃川学園の児童入所施設にて、2寮同時のプランナー育成実地指導を行って参りました。

これは、ケース会議と共に毎年1回行っているのですが、ようは学園の職員が子どもへ指導しているところを直接視察して、指導の助言やプログラムの更新を行うものです。

通常のケース会では、子どもへの指導を、ビデオ視察&職員への問診&話し合いにて、子どもの評価と指導方法の確認、次のステップを作っていくのですが、プランナー育成は直接見ることができるということが強みです。何故直接見ることが強みとなるのか、それを今回は記載しようと思います。




1・子どもの評価と指導の修正を同時進行で行えること

子どもに合った課題と言うのは、(1)子どもが少し頑張ればできること、または、(2)教えていけばできるようになると予測できること、のどちらかを対象としてプログラムバッテリーとして加えていきます。
(1)はともかく、(2)の判断は、実際に指導しながらではないとできないのです。

なぜなら、1回の指導の中で、何回か課題を実践するのですが、そこでの達成(1回目はフルプロンプトだが、最後の方でプロンプトを控えてもできそうな手ごたえがあった等)に応じて、今課題をやるべきなのか、もう少し先に行った方が良いのかを判断することが求められるからです。

すなわち、〇〇ができたら次の課題は〇〇等、課題のステップは、発達領域ごとにある程度決まっているのですが、あらたな発達領域の課題を実施する場合は、(2)が肝心になります。

故に、実際に子どもの指導を行う中で、その経過に応じて、課題を更新、修正することができるので、子どもにより一層合わせたプログラムにすることができます。


2・細かいニュアンスを説明すること

文章の限界があるということです。実践を何年も積み重ねていかないとわからない話ではあると思いますが、指導の「テク」は、文面では伝えられないことが多いのです。「モデリング」で無いと伝えられないことがあるということです。それは、おそらくどの分野でも(医療でも陶芸等美術でも)、それが高度な専門性によって成り立つ場合は、必ず「ニュアンスの世界」と言うものが存在します。
それを伝えるためにも、実地指導は大切なのです。


3・子どもが盛り上がること

これは以外のもう方も少ないくないかもしれません。しかし、まぎれもない真実なのです。
これは、社会性を軸に置いたマンツーマンの指導をしている結果であるとも言えることで、療育をしっかりやっていく素晴らしさでもあるとも言えます。

基本的な個別は1対1ですが、本当は2対1が理想とされているのです。物理的に不可能ですが、例えば「ひまわりの会」や「てんとうむし」では、必ず保護者の方を助手代わりにして、2対1の態勢を作ります。

しかし、プランナー時は3対1で、全員が拍手等して褒めます。もちろん過敏の有無によって調節は必要ですが、これで子どもは大盛り上がりのドヤ顔(笑)。でも、これってとても幸せなことですよね。




と、大まかにはこんな感じです。


何事も簡略化せずに、丁寧にやりたいところは、その信念を曲げずに継続していくことが、専門分野では大切なことです。

それは、私がお世話になっている法律の専門家の方々を見ていても感じることです。一見能率が悪くても、定期的な面談を欠かさないとか、電話で済むこともあって話を聞きに来てくださるとか、それによってお金になるわけではないのに、「追及」というものが、専門的分野において、最も他楽しく、最もクライアントを満足させるものだということ、そこに分野の違いは関係ないのだと、感じている今日この頃です(笑)。



今週と来週は滝乃川でケース会です。実地指導の後なので、また楽しみです。




ということで、今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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滝乃川ケース会~ケース会の意味・事例を活かすということ・素晴らしい人材とは~

2019-09-30 | 滝乃川学園
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、9月に滝乃川でケース会を行いました。今年度2回目ですね。児童入所の2つの寮を担当しています。26年からやっています。


ケース会は、特定のお子さんをピックアップして、年度はじめに、そのお子さんの指導上の目標・介入の方針を決定し、その経過を見ていきます。

そこで、「学習課題」と「問題行動の介入」のステップの提示や軌道修正を行っていきます。

そして、年度終わりに振り返りを行い、「どこまで目標に近づいたか」、「反省はどうか」、「改善点はどうか」等について話しあいます。


これを繰り返していくのがケース会ですが、ケース会の隠れた意義があります。それは、これまで行ってきたことをしっかり自分のものにしたうえで、「これまで行ってきたことを他児童に活かす」および「同児童の同様のケースに対応する」こと。これが特にABAにおけるケース会議には欠かせないものであると考えています。

すなわち、ケース会とは、ただ話し合って方針を決定するという単一的なものではなく、ケース会に参加する職員の方々が「知識・技術を学習」する機会になることが望ましいのです。

そして、そこで培ったスキルを「応用」しようとする姿勢が、「技術力が向上」していく職員でもあるのです。


そして、先日のケース会ではそれを見せつけられました。


それは、私が知らない間に子どもが問題行動を起こし、それが日常化しそうになったとき、ある職員の方が、以前ケース会で行い、効果が出た介入方法をそのお子さんに試し、そして解決し、適切な行動を維持させていたのです。


手前味噌ですが、これが素晴らしい。
いつでも私がいるわけではないですからね。皆で話し合って、そして実践する、しかし素人考えではなく、知識と技術に裏打ちされた介入であるということが素晴らしいですね。

私がいる意義を最大限に活用していますね。


これができる指導者は「情熱」と「冒険心」があるということです。「情熱」と「冒険心」と「ユーモア」これがセラピストとして欠かせないスピリットです。
そして、指導を、「個人」ではなく、「施設の単位」で行うには「協調性」と「気配り」が必要ですね。


決められたことをしっかりこなす、1を聞いて10を理解する。それは素晴らしいこと。それは専門家。しかし、協調性と気配りができなければ組織では困難が出てきます。


どちらも求められますね。簡単なようで難しいですね。


1つ1つ、「自分で目標をもって」、「どんな自分になりたいか、しっかり決めること」が大切ですね。そして、「なりたい自分になるために必要な要素は何か分析」し、「行動する」。しっかり紙に書いて行う。一人で無理なら上司と行う。そうすればきっと素晴らしい先生に慣れることでしょう。


…え、私?私に一番足りないのは協調性と気配りですね…理事長として終わっとる(泣)。いや、そこは側近にカバーしてもらっています。助け合いも大切ですね(私が言えることではありませんが笑)。




ということで、今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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令和最初の滝乃川学園ケース会議~ケース会議とは~

2019-07-01 | 滝乃川学園
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


今回の記事は、学問的な内容が多分に含まれていますので、読まれる際にはそれをご了承いただいてご覧くださいね。


早速ですが、3週、4週と、2週連続で、滝乃川学園児童入所施設部でのケース会議を行ってきました。

令和に年号が切り替わって初のケース会でしたね。年号が変わっても、やることは同じですがね。


毎年やることは


1・寮全体の目標設定・確認
2・プランナーとしての目標設定・確認
3・子ども一人一人の目標設定・確認(ニーズ)
4・子ども一人一人のビデオ(主に指導の様子)の確認(私も職員皆様も)
5・職員皆様への確認(ビデオ以外での様子や、細かい指導のやり方等)
6・課題設定(課題の手引きの作成)
7・質疑応答


1:ケース会は、特定のお子さんをピックアップして、そのお子さん一人一人の目標と指導を明確化して、指導が効果的に進んでいるかを確認していくというものです。
しかし、「特定のお子さん」だけでなく、また、ケース会の場だけでなく、その知見が広く職員一人一人の子どもとのかかわりのエッセンスになっていかなければなりません。
すなわち、ケース会の意味は上に挙げたとおりですが、なぜそれを施設・寮で取り組むのかを明確化する必要があります。
それにより、長期的にみると職員一人一人の自覚が変わりますからね。


2:プランナーというのは、子どもへの指導のプログラムを作成する人間ということになります。私もそうですが、別名セラピストですかね。
2、3人に絞ってプランナー育成をしていきます。
「今年は何を学んでいければ良いな」とか、そういうのを決めるということです。
余談ですが、目標が細かくなっていけばいくほど実は自分の力が分かっているということ。自分の力が分かっているということは、本当の目指すべき場所や目標が見えているということ。これはすごいことなんです。
いうなれば、そういったスキルを向上させていく一環としても、やはり自身の目標設定は大切です。


3:「できるだけ色々なことができるようになってほしい」それは当然ですが、まず何をやっていく必要があるのか、それを決めるためには、職員の方が、何ができるようになって欲しいか、意見を出し合っていくということが大切です。
そして、「それはまだ早い」とか、「そのためには〇〇からできるように」とか、そういう形で私が口をはさみ、最終的に目標の詳細が決まっていきます。
私が目標を決めるのではありません。いや、「最終的な目標」や、「子どもが「重い」も「軽い」も関係なしに、どうなるべきか」も、もちろんわかっています。
しかし、その過程でも「できるようになってほしい」と思うことはたくさんありますよね。今年何をできるようになってほしいとか、そういう細かなところは「ニーズ」です。私が決めるのは簡単ですが、実際に指導する職員の方が意見を出し合って、目標を共有していくことは大切なのです。
指導者が全てを決めてしまうのはおこがましいということ。


4:ビデオは主に指導のビデオです。一人一人の学習プログラムを作成し、マンツーマンでの指導を行います(すごいでしょ?入所施設なのに。職員一人一人がすごいということ)。
その様子を皆で見て、「私の時はうまくできていないな」とか「指導の細かい方法が違うな」とか、「なるほどこうやるとうまくいきやすいのか」とか、指導の細かいところを確認しあいます。
私は指導手続きが間違っていないか、とか、課題の達成率を確認したりとか、ビデオとスコア表を確認しながら、次の課題のステップのたたき台を作成したりします。

5:ビデオの様子は本当に普段の様子なのか、また、ビデオを見て皆様はどういう感想を持たれたのか、とか、細かい話を聞いていきます。
それにより、より子どもの様子がイメージ化されます。
そして、課題を完成させます。

6:完成した課題を、皆様へお伝えします。お伝えする内容は1つ1つの課題の手順表として、後にプランナーが作成し、後日それを私に送っていただきます。それを確認して、必要に応じて修正したりします。

7:課題の事での質問や、その他日常生活援助の中での質問・疑問にお答えします。

「7」が終わると、また別のお子さんのことをやるので、「3」に戻ります。


上が年度の初めにやることです。2回目以降は「3」から始まって、年度の目標へ到達してきているか、順調に指導が進んでいるのか、修正する必要があるところがあるのか、等をチェックしていきます。

また、年度の最後に「1」と「2」と「3」の目標達成度がどうであったかを確認しあう、という作業が入ります。

これがケース会です。


この分野だけでなく、指導や支援が関係する分野でのケース会というものは、おおむねこういう内容になるのだと思います。




中々疲れますよね(笑)。何より施設の職員の方が。しかし、その苦労は子どもの成長を通して報われます。そうじゃないとだめでしょ。




ということで、今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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