東京勤務、田舎暮らし Can you imagine 2-hr commute for one way ?

生まれ育った田舎に暮らし、毎日2時間かけて東京の下町へ。
オタク第1世代の会社員 「たぬきねいり」 のささやかな日常。

パブリックスペース

2011年04月10日 | テツ話

たまに見る「仕事の流儀」、先日の放送で半年の休止期間に入るそうです。 残念。
スガシカオのテーマ曲が好きでした。

キャッチのやり方とか、NHKが効果的にインパクトを与えてお手本を見せているのに
民放各社は何故パロディ以外では真似しないんでしょうね。


休止前、最後の放送では
JR九州を中心に活躍している鉄道デザイナーの水戸岡鋭治氏が登場しました。

40歳頃まで仕事を選ぶだけのネームバリューがなく、希望するもののデザインができなかった氏は
それでもくさることなく様々な仕事を請け負い、それを糧にしていきます。

そして鉄道という仕事で希望するパブリックスペースの設計を手掛け、才能を開花させます。


鉄道デザインという仕事は多くの制約があります。
サイズや強度、材料の難燃性からはじまって予算や日程に至るまで。

恐らく、振り返れば傍から見て不遇と思われる仕事をしていた頃に
氏はその制約に対する処し方を身につけていったのでしょうね。

技術的なことはもちろん、人間関係、頑張りどころの見極め、譲れないこと、妥協すべきこと、等々。


今回の放送の中でもクライアントが出す異論を無視することなくひとつひとつ検証して
解決策を模索して反証していく態度が非常に勉強になりました。

それこそ「仕事の流儀」なのでしょう。


そんな氏のコメント、どれも素晴らしくて勉強になりました。  心に響いた言葉をいくつか。

『私達はいつも、大変だけど、不可能だけど、やっぱり何かを次の幸せのために、
豊かな生活をするために何かを産み出さなくちゃと思う。
いつまでも一所懸命追い求めなくちゃいけないと思いますけどね。』

『自分の好みでやっている訳じゃないんで  私たちは公共のためのデザイナーですから
多くの人が喜ぶことをそんなに簡単に諦めちゃいけない。』

『いきなりボン、と宝くじが当たるように人生が変わったりはしない。』


パブリックスペースについてもひと言。

『公共空間ですから知らない人が同じ空間を共有する訳ですから
知らない人の生活を知るとか、知らない人を認めるとか
そういったまさに最も大切なコミュニケーション、対話をする為の空間ですね。

公共空間をどれだけコミュニケーションの生まれる空間にするかということが
その国の意識の高さなんですね。』


私もいろいろと海外にも行きましたが本当にそう思います。
(空間デザインに対しても、人そのもののマナーやエチケットに対しても。)

番組の結句は  「いつか、きっと。」  努力家の氏にふさわしい素敵な言葉です。


私は今月後半はタイ経由で南アジア某国に出張です。
パブリックスペースについて他所の国の感性を感じてこようと思います。

人気ブログランキングへ  日記@BlogRanking