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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.01.28-2023.01.29)

2023-01-27 20:23:03 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 初詣第二段にいって凄い写真がとれました。

 今週末は自衛隊関連行事は行われません、そういう週末には写真整理や資料整備などを進めたいところですが、その前に雪です。初詣第二段に素晴らしい写真を撮影出来たところなのですけれども、もう梅の開花の時期になるのにこの雪と梅という今ならではの不思議な写真を撮影できるのです、そして、雪と云えば護衛艦の情景、護衛艦の雪景色ですよね。

 日本列島の南西にある低気圧の影響で、明日には日本海側に再度大雪が見込まれると共に関東の低地でも積雪の恐れがあるとのことです。大雪と云いますと、一昨日の京都駅が、在来線の案内表示が全て“調整中”と表示される一種の非常事態のような状況になっていましたが、JR西日本のほぼすべての路線が運休、これも雪としては驚きの表示でした。

 舞鶴基地などは雪景色が非常に美しい基地なのですが、もちろん大湊基地とともに、この大寒波となりますと横須賀や呉基地、佐世保基地についても雪景色と艦艇という情景を撮影する事が出来るという状況です。物凄い異常気象なのですけれども、安全な交通手段さえ確保できるのでしたならば、これは撮影に歩み進めるという時機なのかもしれません。

 戦闘機部隊等は雪景色が、例えば千歳基地の外柵沿いや小松基地の小松空港からの撮影位置などでも戦闘機と雪景色を重ねて撮影する事は出来るのですが、これは平日の戦闘機部隊訓練が行われるときしか撮影出来ず、日曜日や土曜日には航空祭以外には緊急発進以外には戦闘機は飛行しません、こうした状況を求めて撮影というのはちょっとなあ、とも。

 護衛艦と雪景色ですが、今回のような十年に一度の寒波となりますと、前述しましたように先ず電車が動かない、高速道路も封鎖される、一般道についても三桁国道の移動はリスクがあり、主要道路についてさえ立ち往生などが発生していますので、事前の情報収集と交通関連の最新情報や万一の際の宿泊先の確保なども必要なのですが、確実な景色がある。

 クリスマス、昨年のクリスマスはこの冬最大の寒波が二度目の襲来となりまして、年内に舞鶴へどうしても行かなければならない所用がありましたので、この冬最大の寒波かあ、とわくわく、いや危機感と共に、しかし山陰線と云いますか京都駅は見事なぴーかんなのだよなあ、亀岡から一新して綾部あたりで凄い事になるのだろう、と覚悟を決めました。

 丹後半島の関係ということでしたが、早い話、舞鶴に雪はありませんでした。いや、午前中の早い時間帯は雪が在ったのですよ、とは舞鶴の方のお話しでして、ちょっと出遅れたというところなのかもしれませんが、護衛艦と雪景色、名古屋や岐阜のほうが積雪が凄かったと聞きましたものの、舞鶴はもうそんな感じ、みぞれと溶けかけた雪が日陰にのこる。

 最強寒波と云われましても、日本海側ではこういう空振りがあるのですね。もっとも、過去には雪景色の撮影に成功したものの、舞鶴若狭道や京都縦貫道が壊滅状態となった雪の中で立ち往生しかけ、高速道路ですが梯団除雪が行われるまで待ち、また危険なので真似しないでほしいのですが緊急避難的に高速道路上で立ち往生の車をみんなで押したことも。

 関東の平地でも積雪という予報ですので、京浜急行と横須賀線が無事運行されているならば、横須賀のヴェルニー公園からの雪景色と護衛艦という構図は良いのかもしれません、舞鶴も素敵なホテルがまだまだ頑張っていて、ビジネスホテルが西舞鶴含め増えていますので、雪を眺める観光に護衛艦と雪景色を重ねて散策するのも、風情あるかもしれません。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・行事予定:特になし 


■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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日印合同戦闘機演習ヴィーアガーディアン23演習完了-帰国へ,日印合同訓練の大きな意義

2023-01-27 07:00:24 | 国際・政治
■日印防衛協力の意義
 Su-30戦闘機の離陸は凄かったという話でして少し見に行きたかった気もしますが着陸を撮影出来ただけでも、ね。

 インド空軍は1月26日までに初の日本での日印戦闘機部隊合同訓練を完了し、予定では本日27日に百里基地より撤収を開始します。昨日1月26日はインド建国記念日となっていまして、敢えて訓練日程を調整し、建国記念日を日本において祝うという点でも今回のインド空軍戦闘機部隊の日本展開を如何にインド軍やインド政府が重視しているか、わかる。

 FOIP自由で開かれたインド太平洋原則、この安倍政権時代に提唱し世界の政治家や外交官へ二つの大洋という視座から物事を俯瞰する視座において、インドはアジアの人口大国という位置づけから世界最大の民主主義国家という役割を求められ、そして大国としての地位を世界に認識させたという点で、日本との防衛協力の深化を進めている現状があります。

 日本もF-15戦闘機とKC-767空中給油輸送機にC-2輸送機とともに今後はインドへの訓練展開を強化することとなるのでしょうが、重要なのは既にF-15戦闘機部隊の国外訓練はグアムやアラスカのみならず、フィリピンへ派遣する水準まで強化されており、これが一過性の防衛協力に留まらない、新しい時代の防衛協力実績を着々と積んでいる事でしょう。

 航空自衛隊とインド空軍の合同演習、可能ならば隔年で互いの国へ戦闘機部隊を展開させる体制が望ましい、これは海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦によるプレゼンスオペレーションとして、二十年前ならばそんな非現実的な規模、と思われる訓練を定期的に実施しています、護衛艦で定期的実施できる任務ですので戦闘機でも不可能とは言い切れない。

 Su-30戦闘機のインドから日本への展開は、タイとフィリピンを経由して実現しましたが、言い換えれば、定期的に日印が戦闘機合同訓練を実施するならば、中継地となるフィリピンやタイにおいても、親善訓練を実施できる余地を生みますし、特に東南アジア諸国では戦闘機保有数が50機以下という空軍が多く、訓練部隊い展開の意義は過小評価できません。

 FOIP自由で開かれたインド太平洋原則、これは軍事同盟なんていうものではなく、難しい事は考えずに民間も通商も軍隊も平和にみんなでやってゆこう、こうした理念ではあるのですが、相容れないのは地域閉塞主義や海洋閉塞主義というような軍事力や力による現状変更です、理念である為に組織の様に破壊できません、ただ維持する努力は必要なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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レオパルド2とM-1エイブラムスのウクライナ供与決定,レオパルドショック?ロシアは何故レオパルドを恐れるか

2023-01-26 20:08:24 | 先端軍事テクノロジー
■T-14アルマータ開発遅延
 レオパルドショック、となるのか。日本の視点としては90式戦車も10式戦車も凄いと強調したいのですが生産数が十倍も違う為に使いやすさの点は比較になりません。

 ロシアはウクライナへのドイツからのレオパルド2供与に対して、極めて大きな警戒感があるようです。それには、ロシアにはT-90戦車やT-80U戦車といったレオパルド2戦車と同世代の戦車は開発されているものの、これらの性能がレオパルド2に対抗できるかが非常に怪しく、なによりロシアが新型戦車開発に難航する現実がある点が特に重大です。

 M-1エイブラムスの供与もアメリカのバイデン大統領が決断しました、当面は31両を供与する方針ですが、アメリカにはデポに保管されているM-1A2戦車が相当数あり、実際問題総生産数ではレオパルド2の倍以上のM-1戦車が量産されています。装甲防御力もシステム改良でもレオパルド2よりも進んでおり、唯一問題は燃費が世界一悪い点でしょうか。

 レオパルド2のドイツ政府供与表明は数量にしたならばそれ程多数ではありませんが、レオパルド2A7が最新型である一方、友好国に供与したレオパルド2A4のウクライナ供与についてもドイツ政府は了承する方針です。ポーランドなどは2010年代の新世代戦車である韓国のK-2戦車を導入する為に、レオパルド2については供与する余裕がでてきています。

 ティーガー戦車とパンター戦車が第二次大戦の戦場に出現する様なもの、若しくはM-26パットンとセンチュリオン戦車が突如戦場に展開する様なもの、戦車は象徴的な装備であり核兵器などの戦略的な兵器とは異なるとの反論があるのかもしれませんが、戦車砲弾が命中しても側面後半部や後部以外は貫徹できないという戦車が突如相手側に現れるのです。

T-14アルマータ戦車、ロシアも新世代戦車を開発しようと努力していまして、巨大な戦車砲を備えたチョーヌルイオリヨール/ブラックイーグル戦車やT-95戦車などを試作はしたのですが、技術不足と予算不足が重なり結局T-72戦車をT-72B3へ近代化歌集するなど、御茶を濁す程度に留まりました、漸くシリア内戦の経験を反映させT-14を開発している。

 2014年には完成しているT-14なのですが、無人砲塔を採用し人員は車内の装甲カプセルに乗車という、この時点で日本の10式戦車は旧式と一部で揶揄された程の新型戦車ですが、無人砲塔で周辺の状況を把握できるのかなど、技術的な懸念があり、パレード以外登場しません。実際試験が難航している、現場にはT-72戦車しかない、それがロシアの現状です。

 T-72戦車、ロシア軍のT-90戦車はT-72戦車の改良型ですが、このT-72戦車というものが1991年の湾岸戦争において西側の戦車に一方的に破壊され、損耗は1000両を越え、対してアメリカの戦車は数両が撃破されただけ、という能力差を突き付けられた、その後、レオパルド2などは改良が重ねられるもT-72の改良は限定的である、そんな現実がある。

 T-72戦車は冷戦時代のソ連により開発され、東ドイツやポーランドやチェコスロバキアなどに大量供与されました、実は1991年湾岸戦争においてイラクへ輸出されていた戦車がスペックダウンされていた廉価版である事が後に判明していますが、東ドイツ軍の車両はソ連軍と同水準のもので、性能を徹底検証した結果、その水準の限界が判明しているのです。

 戦車だけで戦争の趨勢が決まるという様な甘い話ではないのですが、レオパルド2に戦車戦で対抗できるロシア軍の戦車は、いまのところ負けないと云えるのがT-14戦車、それも実戦での性能が未知数である為に負けると断言できない、という水準のものですので、仮に戦場にレオパルド2が大量投入された場合、前線にて恐慌状態が懸念されるのですね。

 T-14アルマータ戦車、この新型戦車が例えば実戦投入され、一部で評価されるような性能を発揮できれば別ですが、ロシアの計画ではそろそろ300両揃っていると2010年代の発表では示されているものの全く出てきません。ただ、レオパルド2戦車に対するロシア側の評価は、過去にロシア軍自身が欲しがったという一点において説明できるところでしょう。

 恐慌状態、もちろんレオパルド2とて神様ではありませんので適切に部隊として運用する事に意味があります、そして戦車は近接戦闘に用いる装備、この為に例えば砲兵火力の集中運用や航空打撃を有効に展開する事で撃破する事は不可能ではないのですが、前線部隊の士気には影響が考えられます、それは半年前、HIMARSが供与された際の様に、です。

 HIMARS,このGPSにより精密誘導されるGMLRSロケット弾による80kmの彼方からの精密攻撃はロシア軍に恐慌状態を引き起し、BM-21のようなロケット弾攻撃でさえHIMARSの攻撃と誤認し潰走する状況もありました。ロシア軍のT-72戦車やT-90戦車でも主砲発射ミサイルや900m以下の射撃で撃破の可能性はありますが、なにか九七式中戦車でM-4と戦った方々の苦労を視るようです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ロシア海軍フリゲイトアドミラルゴルシコフ-ツイルコン極超音速兵器試験実施,ウクライナ支援のNATOへ牽制か

2023-01-26 07:00:57 | 先端軍事テクノロジー
■臨時情報-ロシア軍動静
 ロシア軍艦が次に日本を親善訪問できるのは当面は無理であり相当先になるのでしょうね。

 ロシア海軍のフリゲイトアドミラルゴルシコフは大西洋上においてツイルコン極超音速兵器のシステムテストを実施した、ロシア国防省が発表しました。アドミラルゴルシコフといいますと、一般にはロシア海軍唯一の航空母艦を思い出される方も多いでしょうが、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦の後継として現在ロシアが量産を進めている艦型でもある。

 アドミラルゴルシコフのシステムテストは25日に発表されています、ただ今回はシステム試験であるとのことで、ツイルコンミサイル自体の発射試験についてはロシア国防省は言及していません。ミサイルの発射能力自体は2022年5月28日に同じアドミラルゴルシコフがバレンツ海において発射実験を実施し、1000km先の目標に命中したとされています。

 ドイツ政府がウクライナへのレオパルド2主力戦車の提供を決定した25日、同じくアメリカがドイツに先行してM-1エイブラムス主力戦車のウクライナ供与方針を示しており、純粋な第三世代戦車が初めてウクライナへ供与されるという状況に際して、敢えてロシア国防省がこうした実験の実施を発表した事は、ある種NATOへの牽制を含んだものでしょう。

 極超音速兵器ツイルコン、ロシアと中国は従来の弾道ミサイル防衛システムや戦域防空システムを突破する新しい装備として、超音速兵器以上の高い速度を持つ装備の開発を進めており、ツイルコンは射程900km程度、ただ、弾道ミサイルをおきかえうる極超音速滑空兵器のような次世代兵器ではなく、極超音速巡航能力を持つ巡航ミサイルとなっています。

 アドミラルゴルシコフ級フリゲイトは2018年より竣工が始まった最新型で、1991年のソ連崩壊以降の経済崩壊によりロシア海軍は長年新型艦の建造費を捻出できず、小型艦艇の整備に終始してきました。主力はいずれも1980年代のソブレメンヌイ級駆逐艦とウダロイ級駆逐艦、40年近く前の設計であり旧式化が否めない中での漸く実現した水上戦闘艦です。

 ソブレメンヌイ級の後継として射程200kmの3K96対空ミサイルを搭載、満載排水量は5400t、計画では8000t程度の水上戦闘艦を要望していましたがロシア経済力は天然ガス輸出により持ち直したものの限界があり、この中で現実的な誌上戦闘艦としてアドミラルゴルシコフ級は建造されました、現在8隻が建造されており最終的に15隻を建造するようです。

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【京都幕間旅情】下鴨神社(賀茂御祖神社),卯年絵馬願うは"平和"とともにわたし願うは疾病退散

2023-01-25 20:23:26 | 写真
■絵馬迎える神社の社殿
 寒い中での参拝ですが寒いという事は人口密度の低さの表れでもあるのだからぜいたくは言えないのでしょう。

 参拝に際して、なにか抱負を、願いを、こう祈りたいところですが、健康と繁盛、深く考えずに浮かぶのはこんなもので、しかし筆頭に疫病退散を簡単に願えないものは、これが簡単に退散するような疫病ではない、ということを熟知しているためかもしれない。

 下鴨神社、この社殿には拝殿い巨大な絵馬が奉納されていまして、楽しみといますと妙な表現となるのかもしれませんが、干支で卯年はうさぎさんが描かれているのは知っているのですけれども、どのように優美に描かれているかというものをみてみるのも愉しみです。

 平和、絵馬にはこう記されているのですが、もう本当にそうですよね。昨年の初詣では危機的な状況がウクライナ国境では進んでいましたが、まさか21世紀にここまで時代錯誤な戦争が始まり、その影響は世界を分断するほどの勢い、改めて平和を願いたいのです。

 疫病退散、COVID-19,難しいことです。政府は感染症五類へ変更させることをこの一月に画定しました、ただ、得られる利点はどんなものがあるのか、マスクをしているから感染するのではなく感染するのだからマスクをしているわけで、逆因果関係をみるべきです。

 五類に変更しますと指定医療機関以外で全て診療できるので、医療崩壊を回避できるという主張がありますが、発熱外来設置に義務はなく、変な話発熱者は診療しませんという、院内感染対策の上で受け入れを拒否されては、発熱外来、最初の診療さえ維持できない。

 応召義務、診察については医療機関に自ら患者が訪れた場合は医師法に応召義務が生じるとあります、いや、これが医療過誤訴訟の温床であり、専門外であっても力の限り診察し、これが専門外故の誤診であっても医療過誤訴訟、だから病院に入れないという趨勢となる。

 医療崩壊ひとつとって、こうした危惧があるのですがもう一つ、現行の入院そしてもう一つの施策として自宅療養、これは感染症法上の措置として、無症状でも呼気から感染させるCOVID-19の特性に合わせた措置となっているのですが、これも義務ではなくなります。

 無症状であれば出勤することでしょうがここで感染を広げた場合、もちろん全て無症状となるのであれあ問題はありません、しかし発症率も低くはなく、特に非正規労働者率の高い、高くなってしまった我が国ではここを自己責任といわれては雇用や収入に影響します。

 一億火の玉、ではないのですけれども無症状率がもっと高くなるような状況までは、たおれた感染のこととはきにせず生き残ったものだけで社会を回す、方式では今のに本社会は限界があるように思う、せめて療養者を雇用面で保護する法制度がなければ社会が崩れる。

 ロックダウンしろというわけではなく、感染を押さえるのではなく抑える程度の施策を維持する選択肢から、感染のことは考えない、という施策に切り替えるのは少々乱暴なように思えてならないのですね。いや、戦時中のように日本には命を尊重する余裕がないのか。

 疫病退散というのを願うよりも、もう少し数値というものをみて、同じ現実をみる努力ができる、いや知ることをおそれず時間を使うことを無駄と思わない、短絡主義から抜けられるような社会が来る、いや、戻ってくるように、どうしても願ってしまうのです。

 最悪期は抜けた、こういいきる事は勿論できるのですけれども、しかしこの一月と先月の亡くなった方の膨大さは、ある程度の感染対策はしていてマスクも着用してワクチンも一億総接種の勢いでも現状なのです、するとやはり、ここは祈ってしまうのも自然でしょう。

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【京都幕間旅情】下鴨神社(賀茂御祖神社),卯年の初詣は京都有数の歴史湛える社殿に向かう

2023-01-25 20:00:12 | 写真
■卯年の初詣は下鴨神社
 卯年故に飛躍というよりも跳躍の一年としたいが初詣の話題が跳躍よりも漸くというのはご容赦頂きたいのです。

 初詣は、と毎年のように考えさせられるところです、気をつけていないとなにしろ神社のおおいまちなみですから、普段のつもりでご挨拶へと参拝したところが事実上の初詣になってしまう。そこでいろいろ考えたのですが、やはり京都でももっとも古い社殿にしよう。

 賀茂御祖神社、下鴨神社の名で親しまれますここは京都市左京区下鴨泉川町、街並みの中にあります実はかなりの街中の神社ではあるのですが、不思議な静謐のたもたれた、そして京都でも有数の歴史を湛える神社です、なぜここを初詣とえらんだかは、ないしょです。

 糺の森を抜けて行きますが、ここは市バスで堂々と本殿の近くにいってしまえばそれほど距離がない場所なのですけれども、参道、とかかれている道とともに、それほど多くはなくとも並んでいる茶店といいますか飲食店と、鴨川の流れの気配とともに歩みますと長い。

 鴨川の流れ、その水面はここからは見えないのですけれども、徐々に参道が糺の森となってゆく、その分水嶺というのでしょうか、街中にあります森の心証が濃くなってゆく。このあたりは太古から人々の営みがあったという、実際発掘すると縄文時代の遺跡が出た。

 新春、いや春という文字を入れるにはまだまだ寒すぎる季節ですが、気づけば確かに位置が留出もあるにも関わらず小さな梅の花がつぼみの先端を白くもしくは朱色に色づかせていまして、あと一週間、いや二週間の先にはもしかすると開花しているのではないかなあ。

 拝殿のその向こうに本殿が、という下鴨神社の気風はいつみても冷涼であり、なにか引き締まるようで迎えてくれるような風情があります、その理由をいろいろと考えてみるのですが、もしかするとみたらし池の水源と流れる水のゆれる水面が奏でる音ではないか、と。

 静けさ、というものは大切な心の平穏のよりどころなのですけれども、しん、と静まりかえりすぎますと逆に耳の奥にないはずの共鳴音がきん、と静けさの中で脳が音を作り出してしまいますので、何か小さくとも音があるほうが逆に静けさを感じるのかもしれません。

 下鴨神社は、官幣大社で在った歴史と共にいまは神社本庁の別表神社、二十二社の上七社であり、東殿に玉依姫命を、西殿には賀茂建角身命を祀る神社です、創建された時代は不詳ですが、崇神天皇年間には当地にあったとも言いまして、ここ詣でた方は数えきれない。

 神社ですので、しかし、ここは庭園が無く、落ち着いて長時間に物事を考えるという風情は湛えていないのだなあ、こう、なにか物事を考える際に、祈祷という祈りよりも思索との出会いに自社仏閣を見いだしている身の上としては、下鴨神社は探訪するところなのだ。

 伏見稲荷を参拝しますと、千本鳥居、ここを全部一周すると凄いことになるのですけれども、ここがある種、回遊式庭園以上に哲学的な場所である事に気づかされるのですよね。そして梅宮大社は、庭園がありますし北野天満宮は御土井と梅苑が庭園となっている。

 糺の森が、やはりこうした落ち着かせる場所なのだろうなあ、そんな個をと思いつつ、しかしこの季節には陽光のささない森の中というのはじっと佇むには気温がまだ厳しいものでして。しかし座って落ち着くには相応しい椅子なども散見でき、そういう場所だと思う。

 社殿は国宝指定されるまでは式年遷宮として常に新しい社殿を維持していまして、気のせいか気分さえ新しい、この為の費用が大変であった為騒動も起きてはいるのですが、多くの方と共にその一人二人となりまして、初もうでといいます新年の神前の挨拶としました。

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自衛隊が導入する“反撃能力”は朝鮮半島全域と中国上海・北京・南京はもちろん内陸の西安や武漢を射程内とする

2023-01-25 07:00:54 | 先端軍事テクノロジー
■政府は手順を踏むべきだ
 専守防衛の本土決戦主義には問題がないとは言いませんが反撃能力の此処までの防衛政策変更はせめて憲法改正などの手順を踏むか民意を問うべきと思う。

 政府の防衛政策方針転換により自衛隊が導入する“反撃能力”、陸上自衛隊には配備される射程2000kmの地対地ミサイルですが、改めてその2000kmの射程というものを地図上に示しますと、政府はMLRS多連装ロケットシステムを全廃し、戦闘ヘリコプターも全廃しU-125救難機も全廃するという、リソースの集中を行いますが、射程の長さに驚きます。

 西安と那覇の距離は2004km、手前に武漢がある。自衛隊の反撃能力は沖縄から上海など中国沿岸部を射程内に収めるのですが、この2000kmというのは那覇駐屯地に配備した場合、ぎりぎり蘭州までは届かないのですが西安には届くという、中国内陸部の軍事施設を狙える事となります。四川省の成都までは那覇からは流石に届きませんが、四川省内には着弾が可能となります。

 北京と伊丹空港は1768km、これは地対地ミサイルを特科部隊の駐屯する姫路駐屯地や豊川駐屯地、松山駐屯地に配備した場合に中国の首都北京を充分射程内に含みます。反撃能力は軍事施設のみが目標となる旨政府は説明していますが、指揮中枢である北京首都圏の行政施設などは、事態が悪化した場合には叩く手段を整備しておくということになります。

 台北から中部国際空港まで1826km、台北を叩くという事は台湾から日本が攻撃される状況は考えにくいのですが、例えば台湾有事に際しては富士駐屯地や北富士駐屯地の特科部隊駐屯地から直接台北に接近する外国艦艇などを叩く事が可能となるのです、つまり南西有事に、西部方面隊や中部方面隊ではなく、東部方面隊管区からも反撃が可能になるという。

 ハバロフスクから千歳空港までは810km、ハバロフスクはロシア東部軍管区司令部の置かれる司令部中枢、かつての極東軍管区司令部です。2000kmの射程を考えれば北海道全域からウラジオストクは勿論遥か内陸のハバロフスクを射程に収め、新潟の東部方面隊管内からも射程に収める事となります。SS-20ミサイルの再来を日本側が実施するということに。

 中国の日本を射程内に収める弾道ミサイル装備数が増大している事は、しかし裏返せば事実であり現実です、故に自衛隊にも反撃能力を整備する必要性は理解するのですが、本土決戦主義とまで揶揄されていた日本の防衛政策を、海南島の戦略ミサイル原潜基地を含め日本本土から叩ける体制への転換は、せめて憲法改正という手順を踏むべきではないかと思うのです。

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【防衛情報】イタリアF-35B戦闘機30機の海空軍管轄問題とドイツ空軍インフレ下でのF-35A戦闘機導入計画

2023-01-24 20:11:41 | 先端軍事テクノロジー
■特報:世界の防衛,最新論点
 F-35Bを艦載機として運用する場合は空軍と海軍どちらが所管するのか、この厳しいインフレ状況でもF-35を買うべきなのか等日本にも当てはまる話題が欧州で繰り広げられました。

 イタリアはF-35B戦闘機を空軍と海軍が同数を導入する事で暫定的な合意に至りました。イタリア空軍は戦闘機としてF-35B戦闘機15機を導入するとともにイタリア海軍もF-35B戦闘機15機を導入します、しかしイタリア国防省では空軍と海軍の縦割り行政により、統合運用も共同運用も為されず、別々の組織として運用されるという合意となっています。

 カブール、イタリア海軍では空母カブールでのF-35B戦闘機運用を計画していて、これは満載排水量27100tの航空母艦として2008年に竣工しました。この搭載能力は12機で15機のF-35Bでは稼働率を考えれば妥当な数ですが、海軍が2023年にも満載排水量38000tで全通飛行甲板を持つ強襲揚陸艦トリエステを竣工させる為、艦載機15機ではたりません。

 F-35Bについて空軍は南部のアメンドーラ空軍基地に配備し、海軍は南西部のグロッターリエ基地へ配備されるとのこと。空軍と海軍がF-35B戦闘機を運用しているイギリスでは共同飛行隊の方式での配備が行われていますが、イタリアでは長らく1937年空軍法により1992年まで海軍が戦闘機を運用出来なかったという歴史があり、まだ影響しています。

 イタリア空軍とイタリア海軍は別々のF-35B戦闘機運用体系を構築しますが、これが非効率ではないかとの議論があるようです。イタリア海軍は15機を配備するF-35B戦闘機を空母カブール艦載機として運用します、しかし、空軍もF-35Bを配備しますが、現在のところ海軍の指揮下に入る予定も、空母艦載機として艦上へ展開する計画もありません。

 F-35Bについて、イタリア空軍はC-130輸送機と共に空軍遠征群を構成する計画であり、簡易滑走路と移動式施設で構成されるALARP航空機発着給油拠点へC-130輸送機と共に展開させる方針です。ただ、空軍長官のルカゴレッティ大将は統合任務として海軍が総合指揮官を務める場合、空軍の保有するF-35Bも海軍の指揮下に入るとも発言がありました。

 イギリスの統合運用に対して、イタリアの状況、イタリア海軍はかつて空軍が運用していたハリアー攻撃機を海軍へ法改正により移管したという歴史がありますが、海軍の戦闘機運用と空軍の戦闘機運用の違いによる同床異夢というべき状況は、例えば海上自衛隊護衛艦と航空自衛隊離島飛行場という、日本のF-35B運用にも参考点となるのかもしれません。

 ドイツ空軍は記録的なインフレ下でも計画されたF-35戦闘機は予定通り導入すると発表しました。これは空軍総監のゲルハルツ中将が10月24日の記者会見において述べたもので、ロシア軍ウクライナ侵攻にともなうエネルギー価格の高騰により9月には前月比では10%、燃料費に限れば40%もの増大という記録的なインフレに見舞われているためです。

 F-35戦闘機について、ドイツ空軍は35機を84億ドルで取得する計画であり、インフレの影響が危惧されていたところですが、ゲルハルツ総監によれば、現在のところF-35戦闘機の取得費用はインフレの影響を受けていないとしたうえで、仮に受けた場合でも、ドイツ空軍にとりF-35戦闘機の導入はほかの計画のいずれよりも優先度が高いと強調しました。

 ドイツ空軍にとり、F-35戦闘機は今後導入計画のある戦闘機の中で唯一の核爆弾運用能力があります。これはNATOに前方展開されているアメリカのB-61核爆弾ニュークリアシェアリングに用いるもので、現在この任務はトーネード攻撃機が担っていますが、これらは2030年までに退役するため、これまでにF-35戦闘機の初度作戦能力を整備します。

 ドイツ空軍はトーネード攻撃機後継機について困難な立場にあります、トーネード攻撃機は35機のF-35戦闘機により置き換えられる計画ですが、トーネード攻撃機は93機あり、35機で93機分の作戦空域へ展開できるわけではありません、ドイツ空軍はユーロファイター戦闘機15機を追加する計画ですが、総数は減る事となり抑止力に問題が生じるという。

 戦闘機は最低でも200機が必要である、ドイツ空軍の立場はこのようになっていますが、ユーロファイター戦闘機の耐用年数も長いものではなく、このままでは戦闘機が40機以上縮小されることとなります。ドイツはフランスとの間で第六世代戦闘機の国際共同開発を決定していますが、こちらの完成はもちろんどんな機体かの概要さえ目処が立ちません。

 フランスとの共同開発計画はここ2年間まったく進展しておらず、この背景にはフランスのラファール戦闘機を製造するダッソー社と欧州最大規模の防衛企業であるエアバス社の主導権争いが機体の形状さえも不確定とさせているためで、少なくとも2030年のトーネード攻撃機退役までに間に合わないことは確かで、空軍にとり悩ましい問題となっています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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U-125救難機廃止方針とアメリカT-1練習機退役シミュレータ移行方針,日米に重なる合理化路線と現場危機感

2023-01-24 07:00:56 | 先端軍事テクノロジー
■T-1練習機180機を退役
 理屈の上ではそうかも知れないが理外の理といいますか認識の温度差が決定の現場と実動の現場にあるという事例は日米で重なるもよう。

 航空自衛隊のU-125救難機に関する政府の廃止方針ですが、一方で同盟国アメリカを見てみますと、実は似たような、これで大丈夫なのか、という合理化によるある航空機の廃止計画が進められています、それはT-1練習機、航空自衛隊のT-1練習機とは別ものでして愛称はジェイホーク、ますます日本っぽく聞こえますがビーチクラフト社製の練習機です。

 T-400練習機として航空自衛隊にも採用されていますビーチクラフト400Aビジネスジェットのアメリカ軍仕様航空機なのですが、アメリカ空軍はこのT-1練習機を退役させシミュレータへ置き換える計画を推進中です。ビジネスジェット、アメリカ空軍は1992年から180機を導入していますが、これを全廃し、シミュレータ訓練に置換えようという構想です。

 MU-300として三菱重工が開発した機体を販売権と製造権ごとビーチクラフト社に販売したものですので、これがアメリカ空軍に採用されたのは当時驚かれたのですが、退役させるという、この計画は2023年1月今月から開始されるもので、T-1はC-130輸送機やC-17輸送機にKC-135空中給油機などの特別操縦士養成課程において運用される航空機です。

 退役させてどうするのか、といいますと初等練習機での実際に飛行しての訓練終了後は実際の航空機ではなく、75日間のシミュレータによる教育へ移行する方式へ切り替えるとのことです。これにより180機の練習機の運用費用が浮く構図となるのですが、空軍部内では実際に航空機を飛ばさず訓練し大丈夫か、と懸念が生じているのが現状となっています。

 シミュレータ装置の性能は年々向上していますので、もちろん操縦技術などは確認できる事でしょうが、プロペラ式の初等練習機にて訓練しただけで、そのままシミュレータでの確認を行った以降、いきなり今後はC-17輸送機やKC-46A空中給油輸送機を飛行させる、それも旅客機と異なり不整地運用や空中給油など実任務に当る作戦機を飛行させるのです。

 技術的には問題はない、こういう論調なのでしょう。しかし航空機を実際飛ばすのにシミュレータだけで良いのか、という問題にもつながります。他方、これで一定の成果が上がるならば、将来的には航空自衛隊のT-400練習機についても、基本的に同系統の機種であるのですから、廃止というものが検討されるようになってくるのかもしれませんね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【防衛情報】豪州ストライクマスターNSM対艦ミサイル搭載装甲車と韓国MUH-1ヘリコプターガンシップ計画

2023-01-23 20:22:59 | インポート
週報:世界の防衛,最新11論点
 今回は陸軍関係の11の話題を紹介します。この通り各国軍隊は前に進むべく陸軍の近代化を進めているのですが日本は冷戦時代の薄くとも堅実な陸王防衛力はと嘆息するばかりで陸上と陸王の誤字も増える。

 オーストラリアのコングスベルクフィフェンスオーストラリア社とタレス社はストライクマスターNSM対艦ミサイル搭載型のブッシュマスター沿岸防衛車輛を発表しました。ブッシュマスターはオーストラリア陸軍に1000両以上が配備された四輪駆動の歩兵機動車輛で陸上自衛隊など多くの国に採用されていまして、耐爆車両としての設計となっています。

 ストライクマスター沿岸防衛車輛は、ブッシュマスターのもともと大きな歩兵用後部区画をそのまま転用し、この種の車両と比べれば巨大なNSM海軍ストライクミサイル発射装置2発分を搭載しています、NSMミサイルの射程は350kmと大きく、これはオーストラリアのLand4100Phase2計画として進められていた地対艦ミサイル計画の主柱となっている。

 Land4100Phase2計画はアメリカ海兵隊のMLR海兵沿岸連隊改編計画と歩調を合わせた装備計画であり、オーストラリア軍はストライクマスター沿岸防衛車輛3両と火力統制車輛及びミサイル補給車両を以て戦術単位とする計画で、また将来的に沿岸レーダー車輛を加える構想だ。ストライクマスター沿岸防衛車輛はミサイル発射装置だけで3tとなります。
射程150kmのER-GMLRSロケット
 MLRSの12発装填できるロケット弾をATACMS並の射程まで伸ばすという。

 アメリカのロッキードマーティン社は射程を倍増させたER-GMLRS長距離精密誘導ロケットシステムについて初のシステム実験を実施しました。実験はニューメキシコ州のホワイトサンズミサイル射撃場において実施、実験では短縮させた59kmの距離での飛翔を通じて飛翔軌道や命中精度と改良型弾薬の制圧範囲など各種性能試験を実施しています。

 ER-GMLRS長距離精密誘導ロケットシステムは現在60000発以上が生産された射程70kmのGMLRSが射程などの面で限界が指摘されており、これを135km乃至150kmまで延伸する事が目的とされています。ER-GMLRSはM-270-MLRS多連装ロケットシステムやM-142-HIMARS高機動ロケットシステムから運用が想定され、友好国にも供与されます。
V60ロボット犬にミサイルを
 対戦車犬というとソ連の第二次大戦中の地雷犬という悲惨な話を思い出して駄目なのですが未来の新装備は逆に戦車に地獄を見せるロボットとなるもよう。

 アメリカ陸軍は軽量型ジャベリンミサイルとV60ロボット犬の統合運用を計画しています、これは2018年に東夷のマティス国防長官が近接戦闘タスクフォースとして開始した将来戦闘能力構築の一環であり、マティス長官の2019年辞任後は軽悪の優先度は低下したものの、継続されており、例えば現在進められる6.8mm弾薬などはその成果の一環です。

 軽量型ジャベリンミサイルは現在のシステム重量23.58kgから半分に軽量化される一方、射程は現在の2kmから3.5kmまで延伸する計画であり、V60ロボット犬はゴーストロボティクス社が開発した歩兵随伴用ロボットです。これらの装備は軽量化と共に歩兵が戦闘に専念できる環境構築を目指しており、移動などでの体力消耗を抑える事が期待されている。
グリフィンSAN
 どんな装甲車でもいいからまともな最低限の性能を100万ユーロ以内でという要求仕様が素晴らしい。

 フランス国防省軍総局DGAはグリフィン装甲車の救急車型であるグリフィンSANを制式化しました。グリフィンSANのSANとはサニタリーバージョンを意味し、ジャガー装甲偵察車の車体を応用し極力安価な車両として100万ユーロを上限として単価を求められたコスト管理の厳しい装甲車であるグリフィン装甲車、新しい派生型の誕生となりました。

 グリフィンSANは医療モジュールとして医療機器とともに、担架上の重症者4名を輸送する能力があり、応急処置に用いる診療台とリフティングインチの採用により担架上の負傷兵を迅速に収容する能力があります。グリフィン装甲車はこの救急車型に加え、歩兵8名を輸送する基本型の装甲輸送車から指揮通信車や砲兵観測車などが開発されています。
アナコンダDMV
 我が国空挺部隊も徒歩に徒歩というよりは輸送機から気軽に投下できる機動車輛をもっと増やすべきだ。

 オランダ陸軍は新型のアナコンダDMV軽機動車輛を発表しました。アナコンダDMV軽機動車輛はMUVプラットフォームというNATO標準の車体を応用しておりSTANAG3542標準釣り下げ能力を確保し、ヘリコプターによる吊下げ機動能力を有する他、STANAG4569NATO防弾規格のレベル1水準という追加装甲の装着が可能となっている。

 アナコンダDMV軽機動車輛はトラック形状の車体の前部に運転台、中央部に向い合せ4名分と後部に貨物兼後部座席区画を有し、オランダ国防省の発表写真では車体上部に12.7mm重機関銃及びスパイク対戦車ミサイル発射装置を備えたターレット、側面に7.62mm機銃が左右に装着され、また後部区画には斥候用のオートバイが装着されています。
フィリピンの自走砲
 少数でも離島に長射程の自走砲がいますとよからぬことを考える諸国には頭痛の種です。

 フィリピン国防省は9月、ATMOS装輪自走砲2門をミンダナオ島へ配備したとのこと。フィリピン陸軍はイスラエルのエルビット社製ATMOS装輪自走砲12門を導入、史上初めて155mm砲の取得に続き、その部隊化を進めています。配備部隊はローリングサンダー大隊こと陸軍第10野砲大隊に集中配備していますが、今回その分散配置を開始した形という。

 ATMOS装輪自走砲はトラック機動式の52口径155mm榴弾砲であり、12両の導入に24億ペソを要しました。フィリピン軍は陸軍12個師団を基幹とする斧の過激派など治安維持任務を想定した軽装備部隊を主柱としてきましたが、1990年代以降の中国軍海洋進出により国軍近代化を推し進める必要に迫られ、近年、数は少ないものの重装備化を推進中です。
陸軍協会年次総会
 日本の防衛技術シンポジウムとの最大の違いは数年後に出てくるものをしっかり展示するのがアメリカだ。

 アメリカのジェネラルダイナミクスランドシステムズGDLS社は10月10日から三日間にわたり行われたアメリカ陸軍協会年次総会に次世代装甲車両等を出展しました。展示した車両はストライカーX次世代装輪装甲車とその派生型等、そしてTRXブリーチャーロボット戦闘車両、MPF機動防護火力車両、そして将来主力戦車を期すエイブラムスXなど。

 ストライカーX次世代装輪装甲車はディーゼルエレクトリック方式のハイブリッド車輛で、燃費を向上させると共にアクティヴ防護装置と360度の全周外部情報把握能力が付与されています。また、この派生型としてストライカーレオニダスという高出力マイクロ波ビーム装置を搭載、M-SHORAD野戦防空システムを置換える対無人機戦闘能力を持ちます。

 TRXブリーチャーロボット戦闘車両は10tのロボット車輛で、偵察任務や先鋒部隊など、戦闘には不可欠で当ても危険性の高い任務に対応する装備とされていて、この10tという重量は陸軍のCH-47輸送ヘリコプターや空軍のC-130輸送機により輸送可能です。MPF機動防護火力車両は制式化されたばかりの歩兵旅団戦闘団用の軽戦車となっています。
ベルギーのJLTV導入
 自衛隊の軽装甲機動車も考えれば20年前の脅威に対応するべく開発された二世代前の軽装甲車です。

 ベルギー陸軍はJLTV統合軽戦術車輛の不整地踏破試験を実施しました。試験はベルギーのマルシェ アンファメンヌの試験場において実施されています。ベルギー陸軍は2020年9月、陸軍の機動戦術車輛としてアメリカのオシコシュ製JLTVを322両導入する決定とともに1億3500万ユーロを支出し、現在のイヴェコLMV軽装甲車を置換える計画です。

 JLTVはベルギーではJLTV-CLVファルコン指揮連絡車として運用される構想で、現在の評価試験が完了し次第2023年にも部隊配備が開始される軽悪です。車体はアメリカ軍のJLTVと共通ですが、部品の互換性は90%でありベルギー独自仕様が含まれています、特に武装はRWS遠隔操作銃搭に搭載されるのは7.62mm機銃と軽量化されてたのが特徴だ。
ポーランドの韓国製ロケット
 ポーランドの軍拡は脅威が目の前と云うか国境を隣接しているとはいえ財政的に限界を遥かに超えているのではないかと冷や冷やします。

 ポーランド軍は韓国よりK-239多連装ロケット砲を数百輌導入するべく二か国間交渉を完了させたとの事です。K-239多連装ロケット砲は当面300両を導入するとの事で、ポーランド政府はK-239多連装ロケット砲のライセンス生産を希望、韓国政府もこれを了承する方向で調整されているといいます。ポーランドはHIMARS大量取得を発表したばかり。

 K-239多連装ロケット砲300両を導入する背景には、ポーランドの国家予算では如何に国防費を確保したとしても、ポーランドが希望したHIMARSの500両導入は実現不可能であると考え、韓国から安価なロケット砲を導入する事で補完とするのでしょう。射程36kmのK33ロケット弾、射程45kmでMLRSからも運用可能なKM26A2などを射撃可能です。
韓国軍のガンシップ国産
 多用途ヘリコプターを改造したガンシップの様ですが韓国は国産2種類とAH-64Eの導入を進めています。

 韓国海兵隊はKAI韓国航空工業との間で攻撃ヘリコプター開発契約を結びました。これは現在運用されているKAI製MUH-1スリオン多用途ヘリコプターを原型とし、海軍のドクト級強襲揚陸艦から運用可能という攻撃ヘリコプターを目指しており、開発費用として4384億ウォン、米貨換算で3億0384万ドルを投じて開発されることとなりました。

 KAI韓国航空工業に求められる性能はMUH-1スリオンとの間で96%の部品互換性をもたせること、そして試作機を46ヶ月以内に製造するという要求が含まれています。韓国海兵隊に依れば性能とともにほかの海外ヘリコプターと比較した場合、特に取得費用の面でMUH-1スリオンの派生型はゆうりであるとしています。設計は手堅いものとなる。

 MUH-1スリオンヘリコプターはもともとガンシップ型が設計段階で想定されており、これが今回海兵隊へ提示されることとなります。これは機首部分に光学照準ターレットを追加し、20mm機関砲と1400発の弾薬、2.75inロケット発射筒、及び対戦車ミサイル4発を搭載するものが想定され、北高増加共通、タンデム構造化などの無理な改良は行いません。
MUH-1スリオン武装型
 日本もOH-1をしっかり育てていればこれほど戦闘ヘリコプター問題で悩まずに済んだと思うのです。

 韓国海兵隊はMUH-1スリオンヘリコプター装備体系により独自の空中機動部隊を編成予定です。これは今回開発が決定した攻撃ヘリコプターとMUH-1スリオンから編成されるものです。実は韓国海兵隊はMUH-1とともに攻撃ヘリコプターには別のヘリコプターを想定していました、候補はボーイングAH-64EアパッチやベルAH-1Zバイパーなど。

 海兵隊は水陸両用戦部隊としては比較的大規模な編成を有しているもの、2017年まで独自の海兵航空部隊を有しておらず、しかし水陸両用作戦にはヘリボーンは必須であるために陸軍からヘリコプターを借用しています。海兵隊は2023年までにMUH-1を28機導入、最終的に32機を配備予定とのことで、新型機はこの整備補給体系へ統合を期します。

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