■一基八〇〇億円概算が大幅超過
秋田県と山口県に配備予定の弾道ミサイル防衛システム、建設費が相当増大するもよう。
地上配備型イージス弾道ミサイル防衛システム所謂イージス-アショアについて、政府は北朝鮮弾道ミサイル脅威へ対応する観点から山口県と秋田県にイージス-アショアを建設し、射程1300kmのSM-3迎撃ミサイルを運用する事で山口県秋田県二箇所から日本全土への弾道ミサイル防衛体制を構築する事業を推進中ですが、予算面で不確定要素が生じました。
2023年までに整備目指すイージス-アショア、この巨大防衛事業は当初イージス-アショアは一基当たり800億円程度で取得でき、二基の整備費用は1600億円程度に収まるとの見通しでしたが、新型レーダーの採用や地上支援施設の建設、イージス-アショア本体への防衛システム整備と諸費用が加わる事で、建設費が当初見積もりを大幅に上回る可能性が、と。
ロッキードマーティン社製SSRレーダーシステムの採用を決定、これは今月4日付記事で紹介しましたが、元々は海上自衛隊のイージス艦が運用するレイセオン社製SPY-1系統のレーダーシステムが採用されるものと考えられていた機種が、富士通社製素子を採用しており長期的に安価としてSSRが選定、この新レーダーが費用増大の一要素とされています。
5000億円を超える可能性、本日24日付TBS報道ではこうした数字がでており、22日付毎日新聞報道では2500億円、23日付産経新聞報道では6000億円以上、という数字が示されています。2500億円から6000億円とは随分な幅ではありますが、この点について本日、小野寺防衛大臣は防衛省記者会見室会見にて、6000億円という数字は否定しませんでした。
800億円という当初の見積もりは、本日24日の防衛大臣定例記者会見において、8200t型護衛艦、今月30日に横浜で進水式を行う新型イージス艦の建造費が1700億円であり、護衛艦としての推進システムや機関装備とイージスシステム以外の装備品等の建造費用が900億円弱であることから、差し引800億円という当初見積もりを出した、としています。
8200t型ミサイル護衛艦の建造費と比較し三倍以上の見積もりも報じられる中、それならばイージス艦を三隻増備した方が安価ではないか、と考えてしまいますが事業費用について大臣記者会見では、イージスア-ショアのシステム構成や配備場所も含め相当に変動する事から現時点で確たる事業費用は示せず、概算要求を待ってほしい、と回答を保留しました。
THAAD終末高高度迎撃ミサイル、弾道ミサイル防衛においてアメリカ陸軍が運用する新装備ですが、1個射撃中隊当たり1250億円程度の費用を要するとしてイージス-アショアの方が安価である、いわば費用面がイージス-アショア選定の背景にありました。一方、イージス-アショアは終末段階迎撃能力が現段階で無く、中間段階にて迎撃する難点があります。
終末段階とはミサイルが地上に落下する最終段階、即ち落下して来る為に極超音速に加速した状況で直撃する精度を有し、サッカーでいうゴールキーパーにあたります。対してイージス-アショアは中間段階、弾道ミサイルの弾道を描く放物線の中間段階で受け止め破壊、サッカーでいうミッドフィールダーの役割を担い、実は最適な迎撃装備ではありません。
スタンダードSM-6-Dual-Iとしてイージス艦やイージス-アショア用の終末迎撃装備は開発中で、この原型であるRIM-174スタンダードERAMは390km圏内の航空機や巡航ミサイルを迎撃可能である為、同時に脅威が増している巡航ミサイル攻撃も対応でき、スタンダードSM-3Block IIAとして射程を2500kmに伸ばした改良型も開発中、将来発展性は高い。
しかし6000億円は高い、という実情でしょう。ライフサイクルコストを混同した数字かもしれませんが、仮に建設費だけならば2023年度までに整備する事は即ち年間1200億円を要する訳であり、3900t型護衛艦二隻分以上、F-35A一個飛行隊分に迫る費用を毎年五年間捻出せねばならず、そもそも自衛隊は島嶼部防衛や南西諸島防衛を筆頭に各種新装備に巨大費用を捻出しており、必要な費用に対し現時点で全く防衛予算が不足している。
イージスシステム導入費用を念頭に算出していたという防衛大臣の発言ですが、護衛艦であれば電力を機関部から供給されるに対して地上配備型であれば電力が必要です。電力会社任せでは高圧電線が切断されれば電力喪失万事休すですし、発電するならば発電装置が、しかも、イージス-アショアは動けませんので本体そのものの防衛システムも必要でしょう。
イージス艦が担ってきましたミサイル防衛ですがイージス艦の主任務は艦隊防空であり、海上自衛隊としては限られたイージス艦を日本海に常時貼り付けるには現在の6隻では全く不十分、という厳しい実情がありました。だからこその地上配備型迎撃システムなのですが、イージスシステム単体費用から算出した見積、少々甘かったといわざるを得ません。
北大路機関：はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
秋田県と山口県に配備予定の弾道ミサイル防衛システム、建設費が相当増大するもよう。
地上配備型イージス弾道ミサイル防衛システム所謂イージス-アショアについて、政府は北朝鮮弾道ミサイル脅威へ対応する観点から山口県と秋田県にイージス-アショアを建設し、射程1300kmのSM-3迎撃ミサイルを運用する事で山口県秋田県二箇所から日本全土への弾道ミサイル防衛体制を構築する事業を推進中ですが、予算面で不確定要素が生じました。
2023年までに整備目指すイージス-アショア、この巨大防衛事業は当初イージス-アショアは一基当たり800億円程度で取得でき、二基の整備費用は1600億円程度に収まるとの見通しでしたが、新型レーダーの採用や地上支援施設の建設、イージス-アショア本体への防衛システム整備と諸費用が加わる事で、建設費が当初見積もりを大幅に上回る可能性が、と。
ロッキードマーティン社製SSRレーダーシステムの採用を決定、これは今月4日付記事で紹介しましたが、元々は海上自衛隊のイージス艦が運用するレイセオン社製SPY-1系統のレーダーシステムが採用されるものと考えられていた機種が、富士通社製素子を採用しており長期的に安価としてSSRが選定、この新レーダーが費用増大の一要素とされています。
5000億円を超える可能性、本日24日付TBS報道ではこうした数字がでており、22日付毎日新聞報道では2500億円、23日付産経新聞報道では6000億円以上、という数字が示されています。2500億円から6000億円とは随分な幅ではありますが、この点について本日、小野寺防衛大臣は防衛省記者会見室会見にて、6000億円という数字は否定しませんでした。
800億円という当初の見積もりは、本日24日の防衛大臣定例記者会見において、8200t型護衛艦、今月30日に横浜で進水式を行う新型イージス艦の建造費が1700億円であり、護衛艦としての推進システムや機関装備とイージスシステム以外の装備品等の建造費用が900億円弱であることから、差し引800億円という当初見積もりを出した、としています。
8200t型ミサイル護衛艦の建造費と比較し三倍以上の見積もりも報じられる中、それならばイージス艦を三隻増備した方が安価ではないか、と考えてしまいますが事業費用について大臣記者会見では、イージスア-ショアのシステム構成や配備場所も含め相当に変動する事から現時点で確たる事業費用は示せず、概算要求を待ってほしい、と回答を保留しました。
THAAD終末高高度迎撃ミサイル、弾道ミサイル防衛においてアメリカ陸軍が運用する新装備ですが、1個射撃中隊当たり1250億円程度の費用を要するとしてイージス-アショアの方が安価である、いわば費用面がイージス-アショア選定の背景にありました。一方、イージス-アショアは終末段階迎撃能力が現段階で無く、中間段階にて迎撃する難点があります。
終末段階とはミサイルが地上に落下する最終段階、即ち落下して来る為に極超音速に加速した状況で直撃する精度を有し、サッカーでいうゴールキーパーにあたります。対してイージス-アショアは中間段階、弾道ミサイルの弾道を描く放物線の中間段階で受け止め破壊、サッカーでいうミッドフィールダーの役割を担い、実は最適な迎撃装備ではありません。
スタンダードSM-6-Dual-Iとしてイージス艦やイージス-アショア用の終末迎撃装備は開発中で、この原型であるRIM-174スタンダードERAMは390km圏内の航空機や巡航ミサイルを迎撃可能である為、同時に脅威が増している巡航ミサイル攻撃も対応でき、スタンダードSM-3Block IIAとして射程を2500kmに伸ばした改良型も開発中、将来発展性は高い。
しかし6000億円は高い、という実情でしょう。ライフサイクルコストを混同した数字かもしれませんが、仮に建設費だけならば2023年度までに整備する事は即ち年間1200億円を要する訳であり、3900t型護衛艦二隻分以上、F-35A一個飛行隊分に迫る費用を毎年五年間捻出せねばならず、そもそも自衛隊は島嶼部防衛や南西諸島防衛を筆頭に各種新装備に巨大費用を捻出しており、必要な費用に対し現時点で全く防衛予算が不足している。
イージスシステム導入費用を念頭に算出していたという防衛大臣の発言ですが、護衛艦であれば電力を機関部から供給されるに対して地上配備型であれば電力が必要です。電力会社任せでは高圧電線が切断されれば電力喪失万事休すですし、発電するならば発電装置が、しかも、イージス-アショアは動けませんので本体そのものの防衛システムも必要でしょう。
イージス艦が担ってきましたミサイル防衛ですがイージス艦の主任務は艦隊防空であり、海上自衛隊としては限られたイージス艦を日本海に常時貼り付けるには現在の6隻では全く不十分、という厳しい実情がありました。だからこその地上配備型迎撃システムなのですが、イージスシステム単体費用から算出した見積、少々甘かったといわざるを得ません。
北大路機関：はるな くらま ひゅうが いせ
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用地取得や、地元対策がコストがかさむのであれば、イージス艦の「艦首部」に相当するはしけを作って、佐渡島沖や、島根県沖、長崎県沖に配備するのはどうでしょう？
6ノットくらいで自走し、大きさだけ同じのダミーのはしけ３隻とともに４隻で行動し、浮力は発泡素材を使うことで不沈とし、魚雷防御網を展開して無効化し、対艦ミサイルはイージスで叩き落とし、陸地とはヘリ便や高速艇の便が毎日往復する。「海上の２４時間操業の工場」の感じとする。
6000億の1/3、2000億円で２セット整備するとしても、いくらでも楽しく想像を膨らませられるかと。。。（笑）
まあ、まずはどこにコストがかかるのかを知ることから、ですね。
ＳＭー３ブロック２Ａは一発あたり３０億円ほどすると言われています。イージスアシュアの装填数がヨーロッパのそれと同じなら２４発になり、これが二基なら４８発。
３０億円×４８＝１４４０億円
これにＳＭー６の値段が加わったり、ヨーロッパのイージスアシュアよりも装填数を多くしたり、イージスアシュア本体の抗堪性を高めるなどの措置をした場合、これほどの値段になるのだと思います。
イージス艦にもＳＭー３の値段を加えれば同じように値段が跳ね上がるのではないでしょうか。
イージスアシュアの利点は２４時間３６５日連続して警戒活動を行えることです。常時２隻のイージス艦を日本海に浮かべて置くよりもよっぽど安上がりだと私は思いますが。
こんな事で血税6000億円を詐欺するのは許せません。財務省は実質的シビリアンコントロールを発動して、防衛省の暴走を徹底的に叩いて下さい。お願いしますよ。
市民を欺く軍事政策は決して筋が通らない事を当局は認識するべきだ。
叩くなら防衛省の暴走ではなく、安倍さんの暴走です。でも、安倍さんは軍人じゃないので、シビリアンコントロール云々のコメントは、全く的外れと思います。
＃だからと言って、この件がひどいことには違いないので、財務省には全力で頑張ってもらいましょう（笑）。
予算を社会保障にまわすべき
今回の検討は、いかなる法令に従って実施されているのでしょうか？
その法令が、憲法に反しているなら、憲法違反という指摘は的を射た指摘だと思います。
何度でも言いますが、行政機関は、国民の代表者である国会議員によって構成される国会で決議された法律に基づいて行動します。
行政機関の行為が、憲法に違反しているという事は、国民の代表者で構成された国会が、憲法に反する法律を可決したという事です。
具体的にいかなる法律が、憲法に反しているのか説明願います。
そう興奮した表現で訴え掛ける必要はないでしょう。
詐欺と仰るが、そもそも行政機関が予算を国会決議に基づいて執行する限りにおいて、詐欺罪の構成要件を満たす余地はありません。
また、実行正犯になりうるのは、自然人のみです。
よって、この件ついて“詐欺”という言葉は意味を成しません。
それから、6千億円の話ですが、まだ省内で見積を行なっている途中経過での話です。財務省に対する概算要求にすら至っておりません。
今後、防衛省が概算要求を財務省に対して行い、財務省が予算案を纏め、行政府を司る内閣が予算案を国会に上程するというプロセスを経る事になります。
国民の代表者である国会議員によって構成される国会で、予算案は審議されます。
よって、間接的ではありますが、国民によって予算の中身が審議されて、決議されます。場合によっては、否決されることもあります。
国会で決議された予算に反して、行政機関が予算を執行する事は、無いので、国民の“血税”云々という表現は、失当です。
まあ、これから行政機関内での概算要求も控えており、更には国会での審議もあるので、国民の目に触れ、チェックが掛かる機会は確保されています。
いや、迷惑だったらそもそも配備してはダメでしょ。金やるから黙れって事ですか？ヤ〇ザでしょうか？
このイージスアショアは朝鮮をターゲットにしたものではありません。本音は中国に対する武力威嚇なのです。私はその辺が気に入りません。
補助金を出す事についてですが、これは貴方の好きなの憲法が規定しているのです。
その憲法上の規定に従い、国民の代表者で構成するされる国会において法律が多数決で制定され、その法律が補助金を出す事を規定しています。
つまり、日本国民が間接的とはいえ、規定し、実施しているのです。
よって、貴見の言う、”ヤ○ザ”云々という見解は、憲法に基き、投票行動を行った日本国民に対する評価なのだと理解しました。
少なくても、私は、”ヤ○ザ”ではありませんが…。
それから、”本音は中国に対する武力威嚇”とおっしゃるが、中華人民共和国が実施する政策に対する日本国の”Reaction”を”威嚇”と断じる理由をお聞きしたい。
日本国憲法では、国際間の問題解決にたいして、武力の保持、使用を禁じています。しかも、それは、憲法という法治国家の最上位の法律という形で公にしています。
それに対して中華人民共和国は、どうでしょう？
その様な、ポリシーを国民の信託の下で公言していますか？
ああ、共産主義、社会主義の国家なので、人種、門地などによらず、皆、平等でかつ、行動自由も保障され、発言の自由も保障されているんでしたね。
でも、産経新聞の記者の質問は受け付けず、チベットへのいわゆる西側諸国の記者の立ち入りの自由を認めず、更には、予算を与えている日本国政府に寄り添わないポリシーを持つNHKのクローズアップ現代によるとウイグルの発言、問題提起を認めていないという事なので、自己矛盾を起こしているのではないかなと思う次第です。
まあ、まともな反論は期待してませんが。
それはさて置き、日本国においては、自由な意見表明が保障され、それによって、官憲による束縛がないことは、貴方も承知されていると思うので、いわゆる表現の自由を貴方も日本国民であるか否かを問わず享受されている事と思います。
日本国内においては、この表現の自由を享受されている事を、別の場面で表現頂けると良いのではないでしょうか。