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【防衛情報】トルコ最新装甲車,日本提案のヨルク軽装甲車とタルパー機動砲型にアルマ装甲車

2021-09-27 20:00:55 | 先端軍事テクノロジー
■特報:世界の防衛,最新論点
 新興工業国であるトルコは稼働率や輸出先整備性を度外視こそするものの極めて安価で費用対効果では秀でて高性能スペックの装備を量産しています。

 陸上自衛隊次期装甲車選定へトルコよりヨルク装甲車が試験に提供されている、トルコの国営アナドル通信が報道しました。ヨルクは2008年にトルコのヌロルマキナ社が開発した六輪式装輪装甲車の四輪駆動型で、2013年に開発されています。トルコ軍へ400両が配備されたほか、ウズベキスタン軍は1000両以上、カタール軍やグルジア軍も導入しました。

 ヨルク装甲車は陸上自衛隊次期装甲車選定に在って唯一の四輪駆動式装甲車であり、他の候補はフィンランドのパトリアAMV,カナダのGM-LAVピラーニャと三菱重工の機動装甲車、どれも八輪駆動式となっています。このため、不整地突破能力は必然的に四輪駆動との差異が響きますが、人員11名を輸送し4tの貨物輸送可能、搭載能力は遜色ありません。

 次期装甲車選定においてヨルク装甲車が優位である点は、車幅が2.5mで候補の中で唯一道路運送車両法車輛限界内という部分でしょうか、一方で重量は14t、エンジンはカミンズ社製375hpエンジンを搭載し比較的信頼性が高く、また25mm機関砲までのRWS遠隔操作銃搭が搭載可能、明らかに不採用の小松製作所試作車両よりも優れた特性を有しています。
■タルパー戦闘車105mm砲塔
 深い事を考えずに量産効果を考え数を発注し装甲車体へ高出力エンジンを組み込めば日本でもタルパーのようなものを安価に揃えられる。何故それをしないのか。

 トルコのオトカ社は8月17日から8月20日に開催された第15回IDEF防衛産業展にタルパー装甲戦闘車105mm機動砲型及び装甲輸送車型を発表しました。トルコ軍は開発が進むタルパー装甲戦闘車400両の導入を期しており、この量産開始に合わせて各国へ指揮通信車や観測車、装甲救急車に自走迫撃砲など派生型を含む各種車輛を提示するのが狙い。

 タルパー装甲戦闘車は2011年にトルコのオトカ社が開発し、トルコ軍が導入を開始するドイツ製レオパルド2主力戦車との協同を想定した車両です。車両は装軌式車輛であり30mm機関砲塔を標準装備、動力は信頼性のあるスカニア社製810hpディーゼルエンジン、車体は戦闘重量32tで増加装甲装着により42tまでを想定した懸架装置の強度を輸しています。

 105mm機動砲型及び装甲輸送車型について、105mm機動砲型はSK-105系統の低圧砲に独自の砲塔を搭載したものであり、装甲輸送車型タルパーSといい、開発構想は2015年に発表されていまして、砲塔を排し戦闘室そのものの容積を拡張、原型では乗員3名と兵員8名を輸送しますが12名程度の歩兵分隊を収容する事が可能です。展示は模型のみという。
■アルマ装甲車KORHAN砲塔
 こういうものは言ったものが勝ち的なものがありますので既存車輛と既存砲塔の組み合わせは日本ももっと積極的になるべきだ。

 トルコ防衛大手オトカ社は第15回IDEF防衛産業展にて、アルマ多目的装甲車のKORHAN砲塔システム偵察警戒型のコンセプトを発表しています。アルマ多目的装甲車はトルコ製六輪式と八輪式の装輪装甲車ファミリーであり、特殊部隊機動用などを想定していましたが、武装は12.7mm機銃となっていましたが、砲塔搭載は可能とされています。

 アルマ多目的装甲車は2010年に発表された装輪装甲車で戦闘重量18.5t、全長6.4m、全幅は2.7mとなっています。トルコ軍所要の他にサウジアラビア軍が導入した車両が2015年以降イエメン内戦へ参加しており実戦経験があり、2010年にバーレーンへ輸出した際には73両が7400万ドルで輸出され、比較的取得費用を抑えている点も特色といえるでしょう。

 KORHAN砲塔システムはアセルサン社が開発した35mm機関砲型無人砲塔でもともとはラインメタルエリコン社製35mm機関砲と3P調整散弾方式機関砲塔として開発されており、砲安定装置と複合光学カメラによる一定程度の目標自動追尾が可能とされています。3P弾薬は対空用は勿論、歩兵散兵線や装甲車両光学装置に対しても有効とされています。
■アクレップ2D装甲偵察車
 安定性と云うよりも火力による示威性能という部分は重要だとも思う。

 トルコ防衛大手オトカ社は第15回IDEF防衛産業展へアクレップ2D装甲偵察車を発表しました。アクレップはもともと、1994年に軽装甲車としてイギリス製ランドローバーディフェンダー四輪駆動車のシャーシに簡易装甲を施した安上がり且つ治安維持用の装甲車両でしたが、アクレップ2は本格的な地上戦闘に耐える装甲車両として完成しています。

 アクレップ2D装甲偵察車は四輪駆動装輪装甲車に90mm低圧砲塔を搭載したもので、この形状は1950年代のフランス製傑作装甲車AML-90を思い起こすもので、この車輛は5.5tの四輪駆動軽装甲車に90mm低圧砲を搭載、装甲は薄いものの機動力が高く、当時の主力戦車に対しても十分対抗出来得るものであった為、5000両が39か国で運用されました。

 アクレップ2D装甲偵察車はランドローバーを転用した初代と異なり新規設計となっており、全長5.5m、全幅2.5m、戦闘重量は13.5tである。乗員は3名で一見してオフロード車のようなシルエットの車体ながら重量級であるとともに、2019年にアクレップ2が発表された際には機関砲塔を搭載していた、2Dからは90mm砲により威力偵察が可能となろう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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