北大路機関

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8.20広島県豪雨災害(平成26年8月豪雨)同時多発土砂崩れ、自衛隊災害派遣実施状況

2014-08-22 23:15:22 | 防災・災害派遣

◆第13旅団・中方混・第4施設団・中方空・呉地方隊 

 8月20日未明からの豪雨が広島県を襲い、土砂崩れにより死者行方不明者が80名に迫るものとなりました。 

Himg_0012_2  8月20日からの豪雨により広島県内では市内北部で同時多発的に多くの土砂災害が発生、特に北部地域は住宅地と山間部が隣接した地域にあるため、深夜の短時間豪雨により大きな被害が発生することとなりました。避難勧告の遅れが一部で指摘されていますが、時間雨量100mmが深夜の時間帯に発生し、未明に避難勧告が出されたものの間に合わなかったようです。このため、最初の避難勧告から約二時間ののち、広島県知事より人命救助に関する災害派遣要請が海田市駐屯地の第13旅団に対し出されることとなりました。長文の災害派遣に関する記事を作成していたのですが、本文がエラーにより喪失してしまったため短縮版にて。

Himg_0250_3  0630時に災害派遣要請が出され、即時受理したのち最初の災害派遣部隊として第46普通科連隊の初動部隊が0740時に人員30名、車両10両を以て海田市駐屯地を出発、被災地に到着後即座に加入しました。0903時に中部方面航空隊のUH-1が情報収集へ、0911時にも後続の航空機が展開しています。この時点で被災地の情報は消防と警察に市の災害対策本部とが独自の情報収集を行っている状況でどの程度の被害となっているかが不明確であったために情報収集が必要であったわけです。土砂災害は同時多発的に発生しており、どの地域が集中した被害となっているのかが不明確で、情報収集を行おうにも倒壊家屋や岩石と水分を置おく含んだ堆積物により前進できない地域も広く、これが初動を阻んだことは否めません。

Himg_7256_2  旅団の増援は1015に第46普通科連隊が人員60名を車両15両で、1030時に第46普通科連隊人員70名と車両10両、1210時に第13施設隊人員10名を以て、それぞれ海田市駐屯地を出発し現地到着と同時に災害派遣部隊へ合流、1217時には海上自衛隊の呉地方隊より呉造修補給所の部隊10名が呉基地を出発、中部方面隊からの増援も1224時に八尾駐屯地より中部方面航空隊のUH-1が2機海田市駐屯地へ前進展開し待機態勢に入っています。1400時、更に大津駐屯地の中部方面混成団より隷下の海田市に駐屯する第47普通科連隊の隷下部隊が人員110名を車両30両と共に出動、1410時、続いて第46普通科連隊からも人員60名が車両10両を以て出動、1430時にも第13施設隊隷下の10名がついか派遣へ海田市駐屯地を出発しました。

Simg_8036_2  旅団は現地前方指揮所を開設し関係各機関との情報調整を胃もとに現地指揮を行う事となります、現地前方指揮所要員10名が展開し、情報調整や関係各機関への情報共有拠点としても活用されました。また、消防や市役所と県警に県庁へ連絡調整要員が20名を以て展開し情報共有に努力すると共に災害派遣要員を支援する後方支援要員と指揮所活動支援要員として100名が派遣されました。情報収集も精力的に実施しており、海田市駐屯地には21日のうちに60名の航空部隊要員が中部方面隊より増援部隊として展開し、待機態勢に当たっています。

Himg_1210_2  京都の大久保駐屯地に司令部を置く第4施設団は中部方面総監部により第13旅団へ増援部隊を派遣することとなり、広島県近県の駐屯部隊を派遣します。岡山県岡山市の三軒屋駐屯地より第305施設隊が1830時に人員20名を車両10両により出動し海田市駐屯地へ、島根県出雲市の出雲駐屯地より第304施設隊1930時に人員20名を車両10両により出動し海田市駐屯地へ、それぞれ展開しました。旅団隷下部隊も1600時に第13後方支援隊が人員20名を車両10両により出動、1615時に第13施設隊より増援の部隊は人員20名を車両10両とともに出動することとなりました。こうして部隊は徹夜作業を含め行方不明者捜索に当たる事となります。

Himg_5829  21日、0300時に山口駐屯地より第17普通科連隊が災害派遣部隊に加入、人員10名が車両10両をもって現地へ向かい到着後災害派遣部隊に加入しました。0800時に第13飛行隊のUH-1が防府駐屯地より、0828時に中部方面航空隊のUH-1が2機、1000時に第13飛行隊のUH-1が、1200時に中部方面航空隊のUH-1が、1335時に第13飛行隊のOH-6が1機、それぞれ情報収集に当たっています。災害派遣任務は継続中で、二次災害を警戒しつつ行方不明者を捜索中とのこと。

Himg_7982_2  災害派遣部隊は第46普通科連隊が海田市駐屯地から、第47普通科連隊が海田市駐屯地から、第13後方支援隊が海田市駐屯地から、第13施設隊が海田市駐屯地から、中部方面航空隊が八尾駐屯地から、第13飛行隊が防府駐屯地から、第305施設隊が三軒屋駐屯地から、第304施設隊が出雲駐屯地から、第17普通科連隊が山口駐屯地から、出動しており、海上自衛隊からは呉造修補給所が呉基地から、出動、21日までに派遣規模は人員650名でのべ1270名、車両120両でのべ220両、航空機6機でのべ10機が当たっていると発表されました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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