■F-2に続きF-15も飛行停止
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本日、石破茂防衛大臣が記者会見において航空自衛隊のF-15戦闘機を4日午後から見合わせているとの旨を発表した。
航空自衛隊は、千歳、三沢、百里、小松、築城、新田原、那覇の各基地に要撃任務の為の飛行隊を配置し、日本の防空識別圏に接近する不明航空機に対し昼夜分かたず防空任務を遂行している。これには、各基地にて4機がアラートハンガーと呼ばれる施設に待機し、五分待機、一時間待機の態勢で緊急発進に備えている。
飛行停止の原因は、11月2日にアメリカミズーリ州の州兵空軍が運用するF-15戦闘機の墜落事故で、アメリカ空軍は、この墜落が機体の構造的な欠陥に起因する可能性があるとして5日までに重要な任務を除き、飛行を一時中断するという決定を行っている。航空自衛隊のF-15飛行停止も、この決定に合わせたもの。
航空自衛隊では、F-15飛行隊として千歳基地第2航空団の第201飛行隊、第203飛行隊と百里基地第7航空団の第204飛行隊、第305飛行隊、小松基地第6航空団の第303飛行隊、第306飛行隊、築城基地の第8航空団第304飛行隊が要撃任務にあたっている。
F-15とともに航空自衛隊の要撃任務の一翼を担っているF-2飛行隊も、10月31日の小牧基地における墜落事故により、三沢基地第3航空団第3飛行隊、築城基地第8航空団第6飛行隊で原因が解明されるまで飛行停止の措置が採られている。
航空自衛隊の要撃任務には、F-15戦闘機、F-2支援戦闘機、F-4EJ改戦闘機の三機種が充てられており、このうちの二機種が現在飛行停止となっていることとなる。これにより、航空自衛隊の対領空侵犯措置という平時の任務にはとてつもなく大きな空白が生じていることになる。というのも、石破大臣は「当面、F4戦闘機(約90機)で対領空侵犯措置に当たりたい」と表明しており、訓練以外の任務にも運用を停止していることを表明しているからである。
F-4戦闘機が現在、要撃任務にあたっているわけだが、三沢基地の第3航空団第8飛行隊、新田原基地の第5航空団第301飛行隊、那覇基地第83航空隊の第302飛行隊の3飛行隊のみ、F-4EJ改を運用しており、要撃任務にあたる12飛行隊中3飛行隊だけがその任務に対応しているという状況である。
更に、北部航空方面隊、西部航空方面隊、南西航空混成団には各一個の飛行隊が稼動状態にあるが、中部航空方面隊は隷下の小松基地、百里基地の全飛行隊がF-15Jを運用している為、要撃飛行に対応できる部隊が無いという現状である。強いて言えば、百里基地に展開している航空総隊直轄の第501飛行隊のRF-4EJ偵察機がミサイル運用能力を有している程度である(写真手前が偵察型のRF-4E,奥の機体が戦闘機に偵察器材を装備したRF-4EJ)。この為の措置として、若干数のF-4EJ改を那覇から百里に展開させているようだ。
無論、これが即座にわが国の安全保障に重大な影響を及ぼすとは言い切れないが、今後の重大問題発生時の部隊運用に関するあり方や、例えば急迫した事態に対応する為の対領空侵犯措置所要機数確保の為の飛行停止の部分解除規定なども、柔軟に盛り込む必要を提示した一例といえるのではないか。
HARUNA
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ちなみに、真面目な北大路機関(Weblogじゃない方)の次回テーマは“北米金融市場の混乱とストックオプション・・・千葉大学の秋元英一教授の論文を参考に”。軍事とは関係ないノリです。