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【総火演2021特集-第三回】島嶼部防衛想定の後段演習は水陸機動団と機動師団の連携協同

2021-05-30 20:20:06 | 防衛・安全保障
■島嶼部防衛想定の後段演習
 Web実況とともに書き起こした話題の再現富士総合火力演習は今回が第三回です。

 島嶼部防衛、こちらもCMの話題でした、島嶼部防衛への機動師団のさまざまな活動領域と装備を提示していましたが、水陸機動団を全面にだしている内容、すると島嶼部事態の場合は水陸機動団だけでよいのか、他の部隊はどうするのかという認識と憂慮を改めて。

 水陸機動団、精鋭要員を集めているのは頼もしいですが、ほかの師団と旅団をどうするのか、と。そもそも水陸機動旅団を専従とさせるのではなく、即応機動連隊のように全国の師団、特に機械化の進んだ総合近代化師団などにAAV-7を装備する水陸機動連隊を、と。

 AAV-7を装備する水陸機動連隊を加えて。戦車と連接して水陸機動作戦を行う、水陸機動団の支援部隊や増援部隊としての師団や旅団はあっていいと思う。もっとも総合近代化師団と総合近代化旅団は現時点で北海道にあるのみですので、地理的な問題はありますね。

 海上自衛隊輸送艦の基地と離れすぎており、例えば水陸機動旅団を考えるならば呉基地に近い広島海田市の第13旅団とか、佐世保基地に近い福岡の第4師団、首都圏はなかなか部隊を転出させにくいが大湊基地に近い第9師団などに水陸機動連隊を置いては、とおもう。

 ともに即応機動師団ではなく地域配備師団、即応部隊を割かずに転用する余裕はある。島嶼部防衛を考えれば逆に総合近代化旅団は最適と思う、100名規模の警備隊は各個撃破されうるが、この100名が普通科に加えて10式戦車の2個小隊を加入していれば、話は別だ。

 後段演習開始、F-2戦闘機は雲の上から参加という、ライブ配信では音も聞こえない、音響ステルスは抜群だ。いちおう想定ではE-767の支援を受けているという。そろそろライブ配信の時代なのだから富士総合火力演習も浜松会場を設けて、多くの人が見れるようにしては。

 浜松ではE-767の飛行展示やF-2戦闘機の機動飛行をおこない、ここもライブで結んではどうだろうか。沼津市の片浜訓練場とライブで結んで輸送艦からLCACでの揚陸を中継してもよい、すると畑岡会場とともに多くの方が見学できる、広報にも資するだろうに、ね。

 統合による情報収集として後段演習ではレーダーサイトやP-3C哨戒機や沿岸監視隊などが紹介、今年度はP-1哨戒機が上空に、というアナウンスですがライブ映像のみ、現場は富士山が見えないほどの悪天候だ。師団情報隊の装備としてスキャンイーグルが紹介です。

 電子戦部隊なども紹介されました。12式地対艦誘導弾と03式中距離地対空誘導弾、車載型ネットワーク電子戦システムNEWSなどが畑岡には並びました。敵船団の泊地占領を火力戦闘システムFCCSにより捕捉し対処するという想定、当たり前ですがSSMは撃てません。

 SSMは射程が長い、東京まで届く射程ですからね。護衛艦からのミサイル攻撃はなぜかアーレイバーク級やタイコンデロガ級のハープーン発射映像、まさか中古艦を買うのか。そんなわけはないのですが、海上自衛隊から映像提供は無かったのでしょうか、統合運用が。

 F-2の弾着は例年通りTNTで再現されました、F-2,天候が悪いと参加しませんが、実際の戦闘を想定するならば悪天候での低空飛行も展示できる程度の水準を維持してほしい、だめならばアメリカ海兵隊のように陸上自衛隊が自前で航空火力を整備する必要も出てくる。

 アメリカ海兵隊の様な陸上航空団を陸上自衛隊に、と云いますと時代錯誤とか批判も出てくるのかもしれませんが、何しろ航空支援の可否は陸上戦闘が出来るかどうかまで関わってくる問題ですので、現状、航空自衛隊がもう少し低空飛行訓練や地形追随訓練が欲しい。

 低空飛行訓練や地形追随訓練、これを行うには制空戦闘第一は理解できるのですが、対地攻撃への専従部隊を整備しておくとともに、もちろんF-15にも行えとは言いませんが、F-2戦闘機は悪天候下の低空飛行訓練を重ねてくれませんとそう是ざるを得なくなります。

 16式機動戦闘車は後段演習では完璧な偽装とともに、無人機はスカイレンジャーとスキャンイーグルが飛行しているとのことですがスカイレンジャーは見えるもののスキャンイーグルは確認できず、飛ばしているのか、と不安も。ライブ映像ではヘリコプターがみえる。

 UH-1がホバーリングしていますが、ここから偵察小隊の進入へ。要するにスカイレンジャーは退役したOH-6D観測ヘリコプターの後継なのですね。AH-1Sの機関砲などによるヘリコプター火力の展示は前段演習で割愛されていまして、要するに悪天候ということだ。

 偵察小隊は偵察オートバイで参加、中距離以遠の監視能力の欠如が偵察オートバイの難点といえるのですが、これは今後どうなるのか。NEWSの電子攻撃が続いて行われる想定、ライブ配信が中断していないのでNEWSの稼働はなし。電子戦訓練環境も課題ではある。

 中距離多目的誘導弾は調整の関係からできいないという、前段演習では射撃していましたが、この後段演習の概況を世界中にWeb配信しているわけでして、弾薬の費用は理解できるのですが、展示へ射撃することも抑止力ではあるのですがね。せめて数を並べて欲しい。

 16式機動戦闘車は射撃、射撃陣地の草木による偽装が例年と違いしっかり行われていました、退官したもと陸自の方で造園業という職業が多いのに何かなっとくした。須走海岸へ敵上陸、そうこうしているうちに装甲している敵が走行して向かってきたという情報が。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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