北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

新潟県・青森県でH5型高病原性鳥インフルエンザの国内家禽類感染確認、自衛隊災害派遣

2016-11-29 23:18:04 | 防災・災害派遣
■政府関係省庁自治体全力対処
 非常事態です、海外ではカストロ前国家評議会議長死去に朴槿恵大統領辞意表明と大きな出来事がありましたが、我が国ではH5型高病原性鳥インフルエンザの発生です。

 高病原性鳥インフルエンザの日本国内での発生です、放置すれば変化し新型インフルエンザとして大規模流行のリスクが高まると共に、際限なく家禽類への感染を繰り返し、我が国家禽産業への致命的な打撃を与える危惧がある為、政府主導による全力対処が実施されています。発生地は新潟県と青森県、新潟県での対処へは陸上自衛隊が派遣されています。

 家禽産業へ、昨日新潟と青森県で鶏や家鴨等が相次いで死に、県などが検査したところ高病原性鳥インフルエンザが検出されました。しかし、今月半ばから国内の野鳥に高病原性鳥インフルエンザ感染が確認されており、検査の結果、現在韓国国内で流行している高病原性鳥インフルエンザと同型のものであり、渡り鳥に感染し侵入の可能性が高いとのこと。

 新潟県では本日0437時、新潟県知事より陸上自衛隊第12旅団に対し災害派遣要請があり、新潟県岩船郡関川村の農場での高病原性鳥インフルエンザ発生に対し、迅速な殺処分の支援要請が出されました。これを受け、第12旅団司令部と新発田駐屯地の第30普通科連隊が災害派遣で出動、現在人員340名と車両35両、更に連絡要員14名と車両6両が派遣されました。

 青森県での高病原性鳥インフルエンザ感染確認はH5型高病原性鳥インフルエンザの感染が昨日28日に簡易検査で発見され感染が疑われる家鴨1万6500羽の処分が決定するとともに、感染が確認された農場から半径10km以内の養鶏場に対し、家禽類の移動を禁止する非常措置を採り、併せて周辺地域での消毒所を設置、感染拡大の阻止に尽力しています。

 事態の発生、新潟県では28日に入り鶏が死んでいるとの通報があり、簡易検査により28日、H5型高病原性鳥インフルエンザが確認されました、死亡した鶏全てからH5型高病原性鳥インフルエンザが確認され、これを受け新潟県はこの養鶏場で飼育されている鶏31万羽全ての処分を決定、処分する鶏の数が非常に多く、陸上自衛隊に対して災害派遣要請を出したかたち。

 政府は、自治体及び関係省庁と緊密に連携し情報収集に努めるとともに即応態勢を確保し、準備に万全を期すとともに、今後の状況の推移に応じ、適切に対応せよ、との命令を出します。新潟県も半径10km以内の59カ所の養鶏場などを対象に鶏や卵の移動や出荷を禁止する措置を採ると共に、国道7号線や国道113号線沿いに複数の消毒施設を設置しました。

 自衛隊の高病原性鳥インフルエンザ対処の派遣部隊は人員規模で南スーダンPKO部隊と同規模の派遣が実施されています。特に留意すべきは、今回発生した高病原性鳥インフルエンザは渡り鳥により感染が拡大している点で、シベリアからの経路と朝鮮半島からの経路があります、この為現在発生しているのは新潟県と青森県のみですが拡大の可能性もある。

 肝要の人間への感染ですが、現在のところ出荷された鶏肉等からの経口感染や接触感染は世界では確認されていません、ただ、家禽類から人に感染する事例は報告されており、更にこれが人と人との間で感染するよう変化した場合世界的な流行禍へ繋がる懸念があり、他の地域への感染拡大を警戒すると共に現在確認されている状況の鎮静化へ官民一体となった協力体制が敷かれています。

北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする