北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

御嶽山噴火災害自衛隊災害派遣 火山災害は降雪期を前に行方不明者捜索を中心に展開

2014-10-13 23:44:01 | 防災・災害派遣

◆噴火当日第13連隊はCALFEX2014派遣中

 御嶽山火山災害ですが、大規模噴火は続いていないものの行方不明者捜索は長期化しています。

Pkoimg_6693  9月27日の御嶽山で噴火が発生に際し1431時の長野県知事から陸上自衛隊第13普通科連隊災害派遣要請とともに3000m級火山山頂での捜索救難活動という非常に困難な任務が開始、陸上自衛隊は330名お部隊を派遣し延べ派遣人員は4320名に上り、現在も派遣部隊を展開中です。

Gimg_5947  非常に困難な災害派遣となる事は標高の高さから見て取れましたが、派遣隊員は88式鉄帽と戦闘防弾チョッキ2型を着用、火山弾の直撃に備えてのものと考えられるのですが、双方とも着用すればかなりの重量、工具んでゃ着用しないといわれる戦闘防弾チョッキを着用しなければならないほどの危険度を冒しての派遣ということになりました。

Img_481_5  噴火によって56名が死亡、まだ数名の行方不明者がいる可能性があり、相殺が継続されていますが、御嶽山は3000m火山、日本アルプスに位置し二週間から三週間の後には降雪が始まるため、積雪期の捜索は事実上不可能、余り時間は残っていません。

Kimg_1176  このために第12旅団は空中機動旅団と称される強力なヘリコプター輸送部隊として第12ヘリコプター隊を編成においているため、大人数の捜索部隊を一挙に山頂へ展開させ、行方不明者は迅速に多用途ヘリコプターにより輸送、上空からもヘリコプターが行方府営者や火山噴火口情報を収集するという、空地一体となった任務が展開中です。

Simg_4093  山麓では火山灰被害は火山防災上の危惧程には見られないものの既に降灰量は山頂付近では1mと堆積しており、水分を含めば凝固し火山性アスファルトを構成することから捜索はままならず、自衛隊は最新の画像表示型地雷探知器を用いて地中下の捜索を継続中です。

Amimg_1713 今回の御嶽山火山災害は噴火口付近に多くの登山客が集まる時間帯の不意の噴火であったため、多くの犠牲者をだし、戦後最大の火山災害犠牲者を出す事となったのは非常に残念でした。しかし噴出物総量などから見た火山活動の規模は小規模噴火であり、噴火当日午後の水蒸気爆発以降、大きな爆発は発生していません。

Iimg_7731  噴出量が少ない小規模噴火であるという事実は、降雨によるラハール発生の危険性を非常に少なくするもので、併せて降雪期にはラハール発生が抑制されるため、周辺地域へのラハール被害発生という危険性が多少は抑えられたことは不幸中の僥倖と言えるでしょう。

Aimg_9691 第13旅団は噴火当日、CALFEX2014としてその主力を派米訓練として、ワシントン州ヤキマ演習場へ派遣中であり、8月29日から9月28日という派遣期間中、部隊の帰国が完了しつつあるところでの噴火という非常に困難な状況となっていました。

Eimg_2963 部隊は旅団管区より人員を確保し、交代要員を持って任務に当たっているのですが、山岳連隊と呼ばれる松本の第13普通科連隊は別として慣れない山岳地での重装備での長時間任務という事もあり、高山病や低体温症での搬送という事例も出ています。また、警察及び消防も協力し主力を構成しています。

Img_5280  今後火山活動はマグマ噴火へ発展する危惧がありますが、水蒸気爆発が引き金となり数千気圧の深層マグマが一挙に大気中へ吹き出すことで広範囲が火砕流に飲み込まれる破局噴火という状況に展開する可能性は今回の噴火に際しては解消されていますので、落ち着いた対応が必要となるでしょう。

北大路機関:はるな

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