北大路機関

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護衛艦てるづき(DD-116 Teruzuki) 三菱重工長崎造船所にて進水式・命名式

2011-09-15 23:20:14 | 海上自衛隊 催事

◆あきづき型護衛艦二番艦の誕生

 東日本大震災の直後、Weblog北大路機関では震災情報のみを掲載していましたが、最初の希望を持てる記事としてお伝えできたのは16日の護衛艦いせ就役でした。

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新しいフネが大海原に乗り出してゆくことは人類の英知と大自然への一歩を刻むというもので、何ともことばでゃ表現出来ない感動があります。さて、写真は先月に長崎で撮影しました最新鋭護衛艦あきづき、建造中の模様です。既に公試を開始していまして、来年には自衛艦旗を授与され就役する見通しです。この護衛艦あきづき、と並んで三菱重工長崎造船所において建造されていました。その、あきづき方護衛艦二番艦が本日、進水式、命名式を、迎えたとのことです。

Img_105823.9.15 海上幕僚監部
(お知らせ) 平成20年度護衛艦の命名・進水式について
次のとおり、平成20年度護衛艦の命名・進水式が実施されます。
1 日 時 平成23年9月15日(木)10:37~10:50
2 場 所 三菱重工業株式会社 長崎造船所
3 執行者 佐世保地方総監 海 将 加藤 耕司(かとう こうじ)
4 艦 名 「てるづき」
5 平成20年度護衛艦の概要 基準排水量:約5,000トン 全 長:150.5m 幅:18.3m 深さ:10.85m 主機関:ガスタービン4基(2軸) 馬 力:64,000PS 最大速力:30ノット

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写真は先月に撮影した様子。あきづき型護衛艦は、国産多機能レーダーである射撃指揮装置三型FCS-3の改良型を搭載していまして、同時多目標対処能力があり、射程60kmのESSM艦対空ミサイルを最大64発搭載することでイージス艦による艦隊防空を補完することが可能となっている期待の新型艦です。基準排水量は5000㌧ですが、燃料や水に生活物資と武装を加えた満載排水量は7000㌧に達し、幅広い方面での活躍が期待されています。その一つには艦隊防空とはいかないものの僚艦防空任務として弾道ミサイル防衛にあたるイージス艦の航空脅威からの護衛という任務も挙げられており、これからの日本には欠かせない一隻といえるでしょう。

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 てるづき、という艦名は海上自衛隊では二代目にあたりまして、海上自衛隊での初代護衛艦てるづき、も、あきづき型護衛艦の二番艦として建造、1960年に就役し護衛艦、特務艦、練習艦、特務艦と変遷を遂げ1992年に除籍されています。初代てるづき、は基準排水量2350㌧、満載排水量2800㌧でしたので、半世紀を経て倍以上の大きさになったことになります。元々は帝国海軍ぼ防空駆逐艦秋月型の名前を継ぐ艦で、海上自衛隊初代あきづき型護衛艦も艦対空ミサイル普及以前には有力な防空手段だった5インチ単装砲を前甲板に1門、後部甲板に2門搭載していましたが、今度はFCS-3を搭載、海上自衛隊の本型への期待の表れといえるかもしれません。

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 あきづき、と、建造中の、てるづき、マスト部分。あきづき型は、特にその大きさで、はたかぜ型ミサイル護衛艦や、しらね型ヘリコプター搭載護衛艦とも並ぶ大きさとなっていますが、同時に建造費用も決して安くはなく、厳しい財政状況下では十分な数を確保できなお、という実情があります。この点は昨日の記事に掲載した通り、旧式化した護衛艦あさぎり型について、練習艦隊から護衛艦への再整備や老朽化した部分の延命改修を行わなければならない状況となっているのはご承知の通りです。防衛計画の大綱では護衛艦は48隻が必要とされ、通常の護衛艦は24年、延命改修や近代化改修を行ったとしても護衛艦の寿命は32年といわれていますので、五年間の中期防衛力整備計画あたりで最低でも7~8隻の建造が求められます。新しい護衛艦の進水式を祝うとともに、もう少し多数を建造できないものか、という気もしないではありません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (9)
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