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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

護衛艦てるづき(DD-116 Teruzuki) 三菱重工長崎造船所にて進水式・命名式

2011-09-15 23:20:14 | 海上自衛隊 催事

◆あきづき型護衛艦二番艦の誕生

 東日本大震災の直後、Weblog北大路機関では震災情報のみを掲載していましたが、最初の希望を持てる記事としてお伝えできたのは16日の護衛艦いせ就役でした。

Img_1111
新しいフネが大海原に乗り出してゆくことは人類の英知と大自然への一歩を刻むというもので、何ともことばでゃ表現出来ない感動があります。さて、写真は先月に長崎で撮影しました最新鋭護衛艦あきづき、建造中の模様です。既に公試を開始していまして、来年には自衛艦旗を授与され就役する見通しです。この護衛艦あきづき、と並んで三菱重工長崎造船所において建造されていました。その、あきづき方護衛艦二番艦が本日、進水式、命名式を、迎えたとのことです。

Img_105823.9.15 海上幕僚監部
(お知らせ) 平成20年度護衛艦の命名・進水式について
次のとおり、平成20年度護衛艦の命名・進水式が実施されます。
1 日 時 平成23年9月15日(木)10:37~10:50
2 場 所 三菱重工業株式会社 長崎造船所
3 執行者 佐世保地方総監 海 将 加藤 耕司(かとう こうじ)
4 艦 名 「てるづき」
5 平成20年度護衛艦の概要 基準排水量:約5,000トン 全 長:150.5m 幅:18.3m 深さ:10.85m 主機関:ガスタービン4基(2軸) 馬 力:64,000PS 最大速力:30ノット

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写真は先月に撮影した様子。あきづき型護衛艦は、国産多機能レーダーである射撃指揮装置三型FCS-3の改良型を搭載していまして、同時多目標対処能力があり、射程60kmのESSM艦対空ミサイルを最大64発搭載することでイージス艦による艦隊防空を補完することが可能となっている期待の新型艦です。基準排水量は5000㌧ですが、燃料や水に生活物資と武装を加えた満載排水量は7000㌧に達し、幅広い方面での活躍が期待されています。その一つには艦隊防空とはいかないものの僚艦防空任務として弾道ミサイル防衛にあたるイージス艦の航空脅威からの護衛という任務も挙げられており、これからの日本には欠かせない一隻といえるでしょう。

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 てるづき、という艦名は海上自衛隊では二代目にあたりまして、海上自衛隊での初代護衛艦てるづき、も、あきづき型護衛艦の二番艦として建造、1960年に就役し護衛艦、特務艦、練習艦、特務艦と変遷を遂げ1992年に除籍されています。初代てるづき、は基準排水量2350㌧、満載排水量2800㌧でしたので、半世紀を経て倍以上の大きさになったことになります。元々は帝国海軍ぼ防空駆逐艦秋月型の名前を継ぐ艦で、海上自衛隊初代あきづき型護衛艦も艦対空ミサイル普及以前には有力な防空手段だった5インチ単装砲を前甲板に1門、後部甲板に2門搭載していましたが、今度はFCS-3を搭載、海上自衛隊の本型への期待の表れといえるかもしれません。

Img_1038
 あきづき、と、建造中の、てるづき、マスト部分。あきづき型は、特にその大きさで、はたかぜ型ミサイル護衛艦や、しらね型ヘリコプター搭載護衛艦とも並ぶ大きさとなっていますが、同時に建造費用も決して安くはなく、厳しい財政状況下では十分な数を確保できなお、という実情があります。この点は昨日の記事に掲載した通り、旧式化した護衛艦あさぎり型について、練習艦隊から護衛艦への再整備や老朽化した部分の延命改修を行わなければならない状況となっているのはご承知の通りです。防衛計画の大綱では護衛艦は48隻が必要とされ、通常の護衛艦は24年、延命改修や近代化改修を行ったとしても護衛艦の寿命は32年といわれていますので、五年間の中期防衛力整備計画あたりで最低でも7~8隻の建造が求められます。新しい護衛艦の進水式を祝うとともに、もう少し多数を建造できないものか、という気もしないではありません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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9 コメント

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はるなさま (ドナルド)
2011-09-16 01:39:51
はるなさま

まず、ESSMですが、原理的には、128発max搭載できるはずです(素晴らしい)。防空重視で ESSM x96、ASROC x8だと期待していますが、実際には、ESSM x64 + ASROC x16でしょうね。「たかなみ」型では、どういう比率なのでしょう?

で、建造予算の件ですが、おっしゃる通り、5年で8隻は建造しないと、48隻にはなりません。5年を「2+2+2+1+1=8」に分け、艦齢を30年として、これを6セット。「2」がDD/DE、「1」がDDG/DDHとすれば、DD/DE x36、DDG/DDH x12。これが48隻の目標。

DDG/DDHは1200-1400億円、「つき」DDは750億円ですから、毎年の護衛艦建造費を平均1400億円に増やすか、(現在の平均護衛艦建造費をなまして1000億と見て)DD/DEの建造費を平均400億円に減らさないと、成り立ちません。

#ふう。

現実的には、1200億円平均までなんとか戻して、その代わりDD/DEを570億円程度でなんとかできると良いのですが。。偶然にもこれは「たかなみ」型の建造費に近いです。最終的には、DDHx4、DDGx8、「むらさめ/たかなみ」級のDD x36。

あるいは(前回のコメントの繰り返しになりますが)、750億円の「つき」型を継続して建造し、代わりに同数のDEを、半額の380億円程度で建造する手もあります。最終的には、DDHx4、DDGx8、「つき」レベルのhi-End DD x18、オランダのドールマン級や豪/NZのANZAC級レベルの軽フリゲート DE x18という編成。

個人的には後者が好きですが、海自は前者を指向しているようですね。

ただし、いずれにせよ年間の平均護衛艦建造予算を1200億程度に+200億程度は増やさなくては行けないので(+維持費/訓練費/燃料費の不足分)、そこは大変ですね。人員不足は、新型艦の乗員定数を100名前後まで大胆に減らすことで、対応するしかないのではないでしょうか。

#世界の艦船11月号は、「あきづき」のいい写真が一杯です。
返信する
ドナルド 様 こんばんは (はるな)
2011-09-17 19:50:14
ドナルド 様 こんばんは

>#世界の艦船11月号は、「あきづき」のいい写真が一杯です。

あー、うん、僕も羨ましいと思っていました・・・、しかし長崎、遠いのですよね、撮りに行きたいけれども…。

たかなみ型、むらさめ型と同じように半々らしいですけれども・・・。そういえば、面と向かって聞いたことないですね・・・。ひゅうが横浜一般公開では、その時点でESSMは4セル16発、あとはアスロックとのことでした。一般公開の時点でも実弾しっかり搭載していたのか、という点で驚いたのですけれども。

防衛費ですが、ううむGDP1%という観点から、それよりももっと真面目に経済成長を、ともっと上の方にお願いしたいのですけれども、そうすれば防衛費は伸びの余地が出てきますからね。隣国場軍事費を伸ばし続けている以上、社会保障費や医療費ではありませんが、伸びが然るべき結論なのかな、と。
返信する
>護衛艦建造費 (専ら読む側)
2011-09-17 23:19:25
>護衛艦建造費
型が新しくなる度に同型艦の建造数が先細っていることが高騰する原因となっている点も見逃せぬことと思われ(其れでも大西洋に面した某島国の如き無定見な建造計画取り潰しによる暴騰よりはマシか…)
>DE級護衛艦
DD全艦の対潜兵装が高性能化した時点で存在意義も消失したと推測、併せてDE級の排水量では中途半端な水上艦しか実理せぬもの故復活は絶望と思われ(コルヴェットでも主力艦の後進国と一緒にすべきでないこと)
蛇足:ついつい騙されるHi-Loミックスも金持ち軍隊でしか為し得ぬ荒技とは周知の事実(合衆国海軍そして帝國海軍然り)
返信する
#専ら読む側さまのコメントに関連してですが。。 (ドナルド)
2011-09-18 14:34:57
#専ら読む側さまのコメントに関連してですが。。

海自も護衛艦建造費は工夫している所と解せないところがありますね。

例えば、「たかなみ」型が「むらさめ」型より安価である点。これは前級の設計成果を最大限取り込み、簡素化する所は簡素化することで、結果として兵装を強化しつつ、建造費が安価になった例です。素晴らしい。

しかし、2つの会社の異なるガスタービンを混載する主機は、兵站上+調達上、不可解ですし、VLSもSAM用とASROC用を別にするという贅沢(無駄?)仕様。「たかなみ」型のように、Mk41に統合すべきでした。

「あきづき」型も、見れば見るほど「たかなみ」型の基本設計を援用し、主機の統一など、コスト削減の努力が見て取れ、好感を持てます(ちょっとしたブルワーク等、もう少しステルス強化はできたと思いますがね、それも10億円以内で)。FCS-3はそれほどまでに高価なのでしょう(見合う性能があればそれで良い)。

Hi-lo mixは大抵うまくいないとのコメントも、よく分かります。艦艇ファンとしては、DE/DD/DDG-Hの階層があった方が、楽しいのですが(笑)、私が常に重視している「兵站」「開発費」の立場からは、DE併用はデメリットが多いです。(船体規模は満載3000t級を主張しているので、コルベットではないですが)

となると、「たかなみ」程度の価格で新DDを建造するのが最適であり、海自の方針で正しいのでしょう。政権がどうなろうと、防衛予算が「大きく」増える目処は全くないため、「あきづき」型の建造継続だと、結果として総護衛艦数が近々にも40隻を下回る可能性が高く、反対せざるを得ません。

FCS-3よ、いずこへ。。。(笑)

CバンドレーダーをOPS24みたいな回転式にして、Xバンドレーダーをマストトップに3-4枚貼ってAPAR艦みたいにするのか、Xバンドレーダーも回転式にして、FCS-2のイルミネータを使用するのか。

いずれにせよ、次世代DD、今後も注目です。その前に、「あきづき」型の4隻がそろうのが楽しみですね!
返信する
専ら読む側 様 こんばんは (はるな)
2011-09-19 23:51:56
専ら読む側 様 こんばんは

建造ですが、大綱の水準維持を念頭に、もっとしっかりした数字を、これは政治決定なのですから財務省の要求しても、とおもうのですがね。

DEですが、そういう方向には向かわずとも、しかし大型艦の艦長まdに経験を積む、という意味で掃海艇程度の大きさの駆潜艇的な装備があっても、いいのかな、とおもうことはあります。
返信する
ドナルド 様 こんばんは (はるな)
2011-09-19 23:58:12
ドナルド 様 こんばんは

ガスタービンエンジンは、はつゆき型の決定以来の影響が、というのはよく言われることですね。VLSについて、Mk-48ですが、確か当時はシースパローを運用するという観点から、41よりは48のほうが安価に調達できる、という見通しがあったと聞きます。・・、生産縮小で予算査定中に倍額になりましたけれども。

護衛艦の小型化ですが、そういう意味でどういった取捨選択を行うのか、次のDDには興味がわいてくるわけです。レーダーについてFCS-3の簡素化や外国製レーダーの取得、海上自衛隊の哨戒ヘリはディッピングソナーも搭載している比較的高性能なものですから、その支援設備をDDHに依存するという形で、本当の格納整備つのみとする方策、VLSへの集約による兵装の簡素化、76mm砲への回帰など、いろいろ考えられるかもしれませんね。
返信する
はるな様他の皆様 (専ら読む側)
2011-09-20 21:11:23
はるな様他の皆様
>DE級護衛艦
地方隊配備の掃海艇、ミサイル艇、支援艦の任務
を跨ぐ近海用戦闘艦艇は必要と痛感(LCSの如き
高速航行偏重は邪道)、乗り上げ可能な輸送艦艇
と平行配備するのが上策
過去のDE級はDD級の性能劣化版でしか無かった
点が敗因と推測
>Mk-48
ESSMが早期に出る気配が有ったのならば選択肢
には入らなかったと思われ
>あきづき型以降の主機
政商気取りのバカキャリアが蹴られて自爆したこと
が国籍一本化の引き金と推測(身から出た錆だ)
>護衛艦の小型化
FCS-3の今後を見るに、小さくしても弱くする気は
無いものと思われ
E○P▲R=ララベルじみた退化、3インチ重機関砲
など害悪


返信する
#連投済みません。 (ドナルド)
2011-09-21 23:54:10
#連投済みません。

はるなさま、ほか

まずレーダーですが、実際上、外国製のレーダーで、みるべきものはあるのでしょうか?FCS-3を見ていると、比較的自由に発展させていて、日本は、基礎的なアクティブフェーズドアレイ技術をモノにしている印象を受けます。回転アレイ化なども、比較的簡単に実現できるのではないか、と考えたのはそのためです。

FCS-3の将来については、いろいろ柔軟に検討できるのではないでしょうか?


次に沿岸の掃海艇の後継/駆潜艇のアイデアですが、メカマニア的には興味津々ですね。三佐または一尉に指揮を執らせ、前甲板にシートリニティー的な砲を搭載して、(軽量の方の)CAPTASSを引っ張らせましょう!(暴走。。。笑)

課題は、世界によい先例がないことです。

LCSは我々に必要なものではない。敵国のミサイル艇を叩くための高価な高速艦は、主として潜水艦の脅威から海上交通の安全の確保が主任務の海自には不要です(水上艦対策は、潜水艦と空自が担当すべき)。では何が必要なのか?

実は、「DE再び」の話も、私は当初は駆潜艇の復活を考えていたのです(妄想レベルですが)。しかし冬の日本海で木の葉のように揺れる姿を想像して、最低でも海保の「おじか型」巡視船規模(満載2000t)となり、そうなるとヘリを搭載しない訳に行かなくなって、そうなるとインド洋にも行けるように、ということで、最後は「蘭のM型やアンザック級と同規模」(満載3000 -3600t級)に落ち着きました。(どんどん大型化。。。苦笑)

もう一つ重要な要素は、掃海任務をこの種の小規模艦に任せられる体制に、本当になっているのか、疑問だと言う点です。

アメリカでも、モジュール型の掃海システムは、なんだかきな臭い感じです。ダブルイーグルのようなシステムで良いならなんとかなりますが、それだと余り距離がとれないので、やはり搭載艦は、小型にする、FRPにするなど、専用の掃海艇/掃討艇に匹敵する配慮が必要になる気がします。

デンマークのStandard FLEX 300級なども参考にはなりますが、あれも必ずしも成功した例とは思えません(中途半端だった?)。似た例では、ヴィスビュー級コルベットもあります。(しかし、アレもかなり高価)。。。いずれの例でも、バルト海、北海を運用の目標としており、太平洋や日本海の荒波に対応できないのではないかと、危惧します。

やはりこの種の小型艦には、どこかで割り切りが必要となります。その正しい切り方が思いつけば、そうするのが良いと思います。

軽フリゲート級DEとは別に、もう一つの案は、おじか型巡視船のような中速(でも25ktは欲しい、、)で満載2000t級の船に、CAPTASとCIWS or RAMを搭載し、データリンクを装備して、それだけ、という艦(あるいは艇)です。沿岸哨戒艦、あるいは駆潜艇とでも言うのでしょうか。ここまで割り切れば、安価に、そして大量に建造できるかもしれません。

後方のヘリ甲板下にはスペースを用意して、将来遠隔型の掃海/機雷掃討システムが確立したら、搭載しても良いでしょう。

「DEもどきはいらない」と一度賛成しているので、矛盾していますが、参考まで。。
返信する
専ら読む側 様 こんにちは (はるな)
2011-09-22 12:57:45
専ら読む側 様 こんにちは

近海用戦闘艦ですが、しかし、考えてみると脅威対象は大型化しているわけでして、求める能力の取捨選択は相当慎重に行う必要もあるのだろう、と。

LCSのような大きさでは。・・・、いやあれ地味に3000t前後ありましたか、あれくらいないと、という習性で、とにかくDEという範疇を超えた艦種が必要でしょうね。・・・、そうすると大綱の別表枠外にも、いやなんでもないです。
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