◆防音は基地問題と不可分
空港関連事業として行われている飛行場欽慕の住宅に対する防音工事、それに伴うエアコン取り付けなどの支援が、一般家庭にエアコンが普及している今日、その意義はどの程度のものなのか、ということになり、抜本的に見直されることとなった。
エアコンを有する住宅でも開閉不能の窓を採用している住宅は、高層住宅を除けば少ないように思うのだが、無駄、ということになってしまった。これでは、自衛隊基地周辺、そして米軍基地周辺での防音工事などの事業についても、抜本的な見直しを強いられる可能性は高いのだがどうなるのだろうか、民間空港と自衛隊、米軍基地は別であるという判断は期待されるのだが。
たとえば、基地が出来た後に基地周辺に住宅を建設された方は、必然的に騒音を前提に建築した、と見做して防音工事を行わずとも納得されるのだ、と考えているのだろうか。それとも、基地周辺では騒音は我慢するべき、自己負担で防音工事を行うべし、と基地周辺住民をすべて説得する自信が政府にはあるのだろうか。
騒音は、事故の危険性や治安の問題を越えて基地問題の根幹にある点であり、これは伊丹空港騒音訴訟のように、民間空港の訴訟と基地問題との共通する問題である。まさか、防音支出を政府が押さえたことで基地反対闘争を加速させ、それに配慮して代替基地を建設する新しい公共事業の姿を模索しているわけではないのだろうし、再考の価値はあるのでは、と思う次第。
HARUNA
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