■“しらせ”、開港100周年の名古屋港へ
本日、平成19年度総合訓練の一環として、名古屋港へ横須賀地方隊所属の砕氷艦“しらせ”が入港した。まもなく退役を迎える同艦にとり、恐らく最後の名古屋寄港である。
記事本文に入る前に、昨日1712時、北大路機関はアクセス解析開始から200000アクセスを突破したようです。アクセス解析開始は、ブログサービス変更に伴い設置された機能で、解析以前のアクセス数は不詳ですが、一つの区切りとなる点に達したことは、管理者と要員一同にとり喜びであり、重ねてご覧戴いている皆様の支えによるものです。近日中に特別企画記事を掲載したく、本日はお知らせということで、ここに記した次第です。
“しらせ”の前にお知らせ!という訳では無いが、いよいよ次回の南極観測支援航海を以て除籍となる“しらせ”、洋上の姿を捉えようと、地本情報などを探ってゆくと、舞鶴や大阪南港には寄港せず、呉から名古屋へ向かうとの事。名古屋へはテキストや資料調達、その他諸々の目的にて行く必要もあり、その際に“しらせ”も撮影しよう!と、早朝の金山へ向かった。
“しらせ”入港歓迎の音楽演奏を行う舞鶴音楽隊。南方からは台風の気配がする中、快晴に恵まれた名古屋港は、今年、開港100周年を迎える。こうした理由からか、多くのマスコミ(テレビ局だけで三局確認)がカメラを並べ、艦船ファンもカメラの放列を並べた。音楽隊の背景は、名古屋港ポートタワーである。その向こう側には、先代の砕氷艦“ふじ”が永久保存されている。
砕氷艦“しらせ”を見学するべく、多くの児童が集う。“しらせ”は、基準排水量11600㌧、満載排水量で19000㌧あり、2004年に補給艦“ましゅう”(満載排水量25000㌧)が就役するまでは日本最大の自衛艦で、現在建造が進むヘリコプター護衛艦“ひゅうが”よりも満載排水量では大型艦である。
入港歓迎行事に集う、名古屋港管理組合の皆さん。その後ろには入港歓迎と名古屋港開港100周年を記した氷の彫刻が置かれている。八月末には、この埠頭に護衛艦が寄港したとの話だが、「この前来た護衛艦よりも大きいねえ」とか、「我々が管理する“ふじ”よりも大分大きい」という声が聞こえた。
記念品贈呈。“しらせ”艦長、“しらせ”先任伍長、そして愛知県出身の隊員代表へそれぞれ記念品が贈呈され、続いて花束が贈呈された。記念品は、鋼板に名古屋港のイメージキャラクター“ぽーたん”と“みーたん”が彫られたもので、こうした記念品は、全て艦内に展示、艦内見学の際に、全てを見ることが出来る。
最後に記念写真の撮影。ちなみに、砕氷艦“しらせ”は、明日六日土曜日に0900時から1600時まで艦内が一般公開、七日の日曜日は0900時から1130時まで一般公開、1400時に出港し、横須賀へ向かう。日曜日は同じ名古屋市にて守山駐屯地祭があり、どちらを撮影するか、迷われる方もいるのではないだろうか。守山自衛隊前から名鉄瀬戸線を栄町まで、そこから地下鉄名城線栄駅を名古屋港行きに乗ると、出港は見学できるかもしれない。
本日、最大の収穫、輸送ヘリコプターS-61A。HSS-2ファミリー最後の機体で、こちらも間もなく用途廃止。2005年までは横須賀サマーフェスタに飛来していたが、ここ二年間はSH-60が飛来、ホームベースの館山航空基地は房総半島南端ということもあり、首都圏以外では中々行くことが出来ない。これを撮影することが出来たのは貴重な機会といえよう。
機体はHSS-2系列ということからわかるように老朽化が進んでおり、既報のCH-101輸送ヘリコプターにより代替される模様。関連記事は“海上自衛隊輸送ヘリコプターCH-101飛行試験開始(※)”と、“海上自衛隊新輸送ヘリコプターCH-101飛行試験順調(※)”をご覧いただければ幸いである。
名古屋港ポートタワーより撮影した砕氷艦“しらせ”、あたかも空撮のような写真である。空撮が目的かは知らないが報道ヘリの他に本日は、海上保安庁伊勢航空基地から飛来したベル212、三菱重工小牧南工場から飛行試験と思われるSH-60J、そして何故か陸上自衛隊のUH-1J多用途ヘリが二機編隊で飛行していた、守山駐屯地祭の予行だろうか。
砕氷艦“しらせ”、全長134㍍、幅28㍍、ディーゼルエレクトリック方式の三軸推進で、30000馬力の主機は19ノットの速力を発揮、1.5㍍の氷を連続砕氷でき、物資1000㌧、ヘリコプター3機を搭載するが、1982年に竣工し、南極地域への航海を重ねた。艦としては老齢に区分されるのかもしれないが、整備が行き届いているこの艦、皆さんも足を運ばれてみては如何だろうか。
HARUNA
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