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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

三岐鉄道SANGI Railway 私鉄における貨物輸送

2007-10-03 17:03:53 | コラム

■小雨模様の鉄道紀行

 九月、防災の日ということで勇んで向かった三重県総合防災訓練会場、辿り着けば、全面中止!。理由は大雨洪水警報。それならばと、C.ジョニー氏の機転!同じ三重県は三岐鉄道撮影へ向かった。

Img_0046_1  三重県において三岐線・北勢線の約47kmを営業路線として運行する三岐鉄道は、今日では希少な存在となった私鉄による貨物輸送を展開している。また、貨物輸送と並んで旅客輸送も重要な柱で、近鉄線との連絡輸送に、重要な交通手段という位置づけだ。この他に、路線バスなどの営業も実施している。

Img_0105_1  三岐鉄道101系電車。見覚えがあると思えば、ひこにゃんでおなじみの彦根に至る近江鉄道の700系と同系列、もとは同じ西武401系電車である。101系というが、カラーリングこそ違うものの国鉄101系や国鉄103系を思い起こさせるデザインのようにもみえる。

Img_9996 三岐鉄道101系、旧西武電鉄401系電車は、1964年から導入が開始された車輌で、名鉄7000形電車パノラマカーと同世代の車輌。

 片側3扉車で、一瞬小型の車体にみえるが、れっきとした20㍍車である。

Img_0076  こちらは三岐鉄道801系。

 もとは西武701系で、車体全体にカラーリングを施し、ラッピング電車として親しまれている。何れも車内はロングシート方式で、無理にクロスシートにするよりもゆったり感があるとの印象だ。

Img_0136  旧西武701系電車は、1963年から導入が進められた通勤電車で、基本的に四両編成であったが、譲渡時に三両編成ないし二両編成の編成にかえられている。地方鉄道の旅客需要を考えれば、四両編成として運用コストを上昇させるよりも妥当な判断なのだろう。

Img_0002  三岐線は、近鉄富田駅から西藤原駅までであるが、社名の通り、当初は三重県と岐阜県を結ぶ構想があった。これはセメント原料を産出する関ヶ原方面と工場を貨物輸送で結ぶという構想だったが、資金難などにより断念し、今日に至る。もし開通していれば、旅客需要や地域形成にどのような影響を与えたか、興味は尽きない。

Img_0054_1  貨物輸送に用いられる三岐鉄道ED45系電気機関車。9両が運用されており、特にセメントなどの輸送に用いられる車輌。もともとは東武鉄道の電気機関車で、1954年から導入が開始、実に半世紀以上を経て、今尚現役の車輌である。

Img_0028_1  鉄道写真において、貨物列車は、その長大な編成から一つのジャンルを形成している。阪急と名鉄を中心に撮影する身としては、中々奥が深く入りにくい印象があるのだが、中には貨物列車の台車ファンという方もいるようで、なるほど鉄道ファンは奥が深いのだ!という一言に尽きる。また、私鉄貨物輸送はその希少性もさることながら、使用される電気機関車などがJR貨物とは異なり、この点も人気の一端のようだ。

Img_0172  この車輌、調べてみると吊り掛け方式で、モーターから車輪に動力を伝達する上で、車輪と台車の上に吊り掛けて盛り込む設計で、簡単な構造に依拠する整備性の高さの反面、吊り掛けていることからモーターが車輪に負担をかけ、またモーターを吊り掛ける目的で空気バネではなく頑丈な板バネを使用する為、振動が大きいという難点があるそうだ(余り詳しくないので間違ってるかも)。

Img_0176  この他、空気ブレーキに加え手動ブレーキを採用しているというのも、面白い点といえる。全長は12.8㍍、特急“日本海”に使用されてる国鉄EF81系が18.6㍍、“なはあかつき”の京都下関間に使用されるEF66形が18.2㍍であるから、電気機関車としては小型若しくは中型の部類に含まれる。

Img_0175  以上が、私鉄による貨物輸送の情景である。小雨模様というか、まだ曇りであったのが幸いであった。なお、既報記事“訓練中止!大雨洪水警報発令 防災訓練から一転実戦へ()”の最後に“せっかく見栄まで展開したので、という大作戦を展開しました”と記載したが、三岐鉄道以外にも撮影した写真は多数。これらについても後日掲載したい。

HARUNA

(本ブログに掲載した本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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