ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『映像研には手を出すな!』#01

2020-04-08 00:00:11 | TVドラマ全般










 
ウイルス問題でいくつかの新ドラマがスタート延期を余儀なくされてる中、早くに撮影を終えてた『映像研には手を出すな!』実写版ドラマがMBS日曜深夜枠とTBS火曜深夜枠で始まりました。原作は大童澄瞳さんの同名漫画で、前シーズンにNHKでアニメ版が放映されたばかり。

アニメ創りに邁進する映像研3人娘に扮するのは、人見知りのディレクター・浅草氏に齋藤飛鳥さん、カリスマモデルのアニメーター・水崎氏に山下美月さん、守銭奴のプロデューサー・金森氏に梅澤美波さん。いずれもアイドルグループ「乃木坂46」のメンバーです。

ほか、小西桜子、グレイス・エマ、福本莉子、高嶋政宏、松崎亮、鈴之助、出合正幸といった人たちが脇を固め、恐らくストーリーが繋がってるであろう劇場版(5月公開予定)には浜辺美波さんも登場される模様です。

基本的な設定と粗筋はアニメ版と同じなので、そちらのレビュー記事を参照して頂くとして、ここでは初回を観た限りの感想だけ記しておきます。

とりあえず、良くも悪くもアニメ版とは全く違ったものになってます。主役のお三方も原作&アニメとはイメージが全く違います。それはもう当たり前のことですから、そこにとやかく文句をつけるのは野暮、っていうか創り手の思う壺です。

企画はそもそも齋藤飛鳥さんを主役にすることを前提に、何をやらせたら面白いか色々と探った末に『映像研~』に辿り着いたとの事ですから、これは典型的なアイドル物。つまりわざとミスマッチを狙ってるワケで、似合わないキャラを一生懸命演じるアイドルの姿を見て「萌える」のが正しい観賞法。

それ以前に、二次元で創られた世界を三次元で再現するんだから、同じものになろう筈がない。その違いこそを楽しめないなら最初から観ない方がいい。

二次元、三次元の問題で言えば、『映像研~』最大の見せ場となる、浅草氏の脳内世界(自分たちがアニメの世界に入ってディティールを構築していく、言わば妄想)を実写版ではどう描くのか?が、私にとって一番の注目ポイントでした。

てっきり、映画『バクマン』みたいに二次元と三次元の融合(背景がアニメで人物だけ実写)でやるものと思ってたら、すべて三次元のみ(背景は実写風CG)で表現されてたもんで驚きました。

アニメ版はいずれも二次元でありながら明確に描き分けされてるのが凄いと思ったし、それに比べれば二次元と三次元の両方を使える実写版はラクだろうと思ってたのに!

それだとかえってつまんないと判断したのかも知れないし、試してみると仕上がりがチャチかったのかも知れません。いずれにせよ、それが吉と出るか凶と出るかは、もうちょっと先まで観ないことには判りません。

それはともかく、同じキャラとストーリーなのにアニメ版とは全くの別物。アニメ版の方が人物にも背景にも実在感があり、実写版の方が現実とかけ離れて見えるのは興味深い現象でした。それが良いのか悪いのかも、現時点じゃまだ判断出来かねます。

ただ1つだけクレームを言いたいのは、本筋とは全く関係ない野球部内のコントみたいなやり取りを、延々5分近くも割いて見せてたこと。何かの伏線になってる様子もなく、大して笑えもしない、全くもってムダな時間でした。

一体、なぜ? 大人の事情ですか? 原作にもある場面なのかも知れないけど、そこをわざわざピックアップしちゃうディレクターさんの感性を、私は到底リスペクトできません。あのシーンが1つあっただけで、本作を見る眼が一気に厳しくなっちゃいました。なぜそんな、自分で自分の首を絞めるような事をする?

浅草氏は、素晴らしい感性を持ったディレクターです。そんなキャラを、こんなセンスの悪いディレクターさんが描いてしまうのかと、暗澹たる気持ちになりました。

たぶん大人の事情でしょうから今回は眼を瞑りますが、また同じような場面が出てきたら、私はそこで視聴を打ち切っちゃうかも知れません。それくらい「ぶちこわし」に値する場面でした。
 

コメント
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