ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『超星神グランセイザー』#48

2020-04-05 00:00:05 | 特撮ヒーロー










 
前回レビューの第36話と同じ脚本家によって書かれたエピソードですが、今回はうって変わってシリアス&ハードな内容。それもそのはず、最終回の4話前で最終決戦直前、敵の罠によりバラバラになりかけたヒーローたちの気持ちが、ぶつかり合った末に再び結束するまでを描いた熱いエピソード。

前話からの流れを受け、冒頭はグランセイザーたちが分裂状態。その隙をついた侵略異星人「ボスキート」軍団の総攻撃により東京は壊滅寸前、国防省の切り札である戦闘ロボ「ユウヒ」もついに破壊され、もはや打つ手なし!

今回、約17年ぶりにこの回を観直して、不謹慎かも知れないけど2020年4月現在、突如現れたウイルスの猛侵攻により世界中の人々が苦しみ、不安に怯えてる現実とオーバーラップしてるように感じて、何とも言えない気持ちになりました。

設定としては、4億年前に地球がボスキートに侵略され、宇宙の知的生命体の連合組織である「ウオフ・マナフ」が、宇宙全体を侵食しかねないボスキートを根絶するため、やむなく古代地球人類を犠牲にして全てを破壊した。

そして現在、ウオフ・マナフが地球に何度も怪獣を送り込んで来るのは、我々人類が生き残ったボスキートの子孫だと誤解してるから。

今、我々がすべきなのは争うことじゃなく、誤解を解いて手を組み、一致団結してボスキートを退けること。それをウオフ・マナフにどうやって伝えるのか? その鍵を握ってるのがセイザーヴィジュエル=早乙女 蘭(磯山さやか)で、クライマックスは彼女を中心に展開していきます。

人智を超えた大いなる存在が、人類を宇宙の害悪と見なして攻撃するっていうのは、SFファンタジーでよくある話と言えばよくある話。

なぜよくあるのかと考えれば、やっぱり我々自身が漠然と「このままでいいのか?」「俺たちは間違った方向に進んでるんじゃないのか?」って、いつも疑問と不安を抱えてるからだろうと思います。

また、ボスキートみたいな未知の生命体が突如、どこからともなく現れ、瞬く間に人類を侵食して行っちゃうような物語も、今まで数限りなく創られて来ました。そういう設定は明らかに疫病のメタファーで、ゾンビ映画なんかはその典型だろうと思います。

そんなホラー系の作品はバッドエンドになりがちなので今は観ない方がいいと思うけど、未曾有の危機を乗り越えて平和を取り戻すヒーロー活劇は、こんなに時こそ観て勇気を貰うことをオススメしたいです。

我々が今こうして生きてるのも、過去に人類が幾度となく疫病と戦い、危機を乗り越えて来た結果なんだから、今回もきっと克服できるはず。

ウイルスを根絶するんじゃなくて、ワクチンを開発するっていうのはつまり共存していくワケで、グランセイザーが最後にやろうとしてる事と同じ……っていうのはちょっと強引かも知れないけど、とにかく我々はその足を引っ張らないよう、個々でやるべき事をきっちりやって、信じて待つしかありません。
 

コメント
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